軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

キアゲハ 2020年(2/5)1齢、2齢幼虫

2020-08-28 00:00:00 | 
 1齢幼虫はミツバの葉の表面を齧って食べ続けた。その結果ミツバの葉は穴だらけになっていった。

 最初に7月9日に屋外で孵化した1齢幼虫(A)は、12日にはミツバの葉上に糸を吐いて台座と呼ばれている定位置を作った。そこから周辺に動いて行って葉を齧り食べると、また元の場所に戻るということを繰り返していた。
 そして、その場所でじっと動かなくなり、脱皮の時期が近付いたと思われた。この時の様子と大きさは次のようであり、脱皮前になると約6mmに成長している。


1齢幼虫と食痕(2020.7.12 撮影動画のキャプチャー画像)


1齢幼虫の大きさ測定、約6mmに成長した。右下は同じ個体の孵化直後の画像。頭の大きさは変わらない。(2020.7.12 撮影映像のキャプチャー画像)

 この1齢幼虫(A)が脱皮する様子は見逃してしまった。これに続いた別の1齢幼虫(B)が、孵化後約5日目で脱皮して2齢になった。この幼虫も脱皮の瞬間は見逃したが、脱皮が終わり、まだ後ろに抜け殻を残した状態でいるところを見つけた。
 このBが抜け殻を食べ終わるところを撮影し、続いて、ミツバの茎の上で眠(ミン)状態にある個体(C)を見つけて、ようやく脱皮の瞬間を撮影できた。以下に、順序は逆になるが、先ずCが脱皮し、抜け殻を食べるところを、続いてBが同様に抜け殻を食べるところの両方のシーンを見ていただく。

キアゲハ1齢幼虫は脱皮し、2齢になると、脱皮後の抜け殻を食べてしまう
(2020.2.14 , 「C」:11:40-13:10、「B」:10:40-10:52、共に30倍タイムラプス撮影後編集)

 脱皮直後の2齢幼虫(C)は、頭部が白く体の色は淡い褐色をしている。脱皮後はしばらくじっとしているが、この間に頭部と体の色は次第に濃くなっていく。
 向き直って脱皮殻を食べ始めるころには頭部はかなり黒くなり、体の色も再び脱皮前の黒褐色に戻っている。背中・中央部の白斑は1齢に比べ、よりはっきりとしている。次の写真(キャプチャー画像)は、脱皮直後から3時間半ほどの間の変化を追ったものであるが、頭部と体色の変化がわかる。


脱皮後の2齢幼虫の、頭部と体色の変化(2020.7.14, 11:47-15:16 キャプチャー画像)

 2齢幼虫の大きさは体長約5~6mmである。孵化直後の1齢幼虫の体長は約2.5~3mmであったから、この間に幼虫はほぼ2倍の大きさ(長さ)になったことになる。

 脱皮後の幼虫にくっついている古い頭部の抜け殻と比べると、新しい頭部の大きさ(幅)もほぼ2倍になっている。1齢幼虫は5日間で体長が2倍になったが、この間、頭部の大きさは変わらなかったようである。脱皮してはじめて、大きくなった体に合った頭部を獲得したことになる。

 脱皮前後で頭部の構造がどのようになっているのか、興味深い。脱皮前になると、幼虫は餌を食べなくなり、しばらくじっと葉上にとどまっている(眠状態)が、これは頭部内部で起きている変化のために、餌を食べることができないからかもしれないと思ったりする。

 こうした幼虫の頭部の変化は、ヤママユガの仲間を飼育した時にも見られたことで、齢数を確認するときには、体よりも頭部の大きさを見るとよくわかるということがある。

 さて、次の段階の、2齢幼虫が3齢になるシーンは実は撮影できなかった。前回と同様に、1匹目が脱皮し、後ろに抜け殻を引きずっているところを確認して、2匹目以降でうまくタイミングを計り撮影しようとしたが、結局そのタイミングを捉えることが出来なかった。なかなか思うような行動をカメラの前で演じてくれないものである。

 次の画像は脱皮前の眠状態の2齢と、翌朝脱皮し、抜け殻を食べてしまった後の3齢である。脱皮前の2齢幼虫の長さは約9mmに成長していることが分かる。 

脱皮前の2齢幼虫(2020.7.16 , 13:43  キャプチャー画像)

脱皮後の3齢幼虫(2020.7.17,  7:42  キャプチャー画像)

 次の2つの映像は、脱皮を終えた直後の3齢幼虫を撮影したもので、脱皮後の抜け殻を食べる様子である。2匹とも同様の行動を取る。

キアゲハ、脱皮直後の3齢幼虫の行動(1)
(2020.7.18, 22:13-24:00,  30倍タイムラプス撮影後編集) 

キアゲハ、脱皮直後の3齢幼虫の行動(2) 
(2020.7.20, 9:13-9:43,  30倍タイムラプス撮影)

 脱皮後の3齢幼虫の大きさは約10mmである。当然ながら脱皮前後の体長はほぼ同じであるが、頭部の大きさ(幅)はここでも倍増している。

 脱皮後、抜け殻を食べる幼虫であるが、頭部の抜け殻については無関心のようである。


脱皮直後の3齢幼虫の体長測定(2020.7.20 キャプチャー画像)

続く

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新型コロナウィルス情報(19)8/21-8/27

2020-08-27 12:00:00 | 新型コロナウィルス
 *特に断りの無いものは読売新聞からの情報。

8/21
 ・感染「ピークに達した」発症前にも感染と分析(FNNオンライン)
    政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が、学会で全国の新
  規感染者について、「だいたいピークに達したというのがわたしたちの読み」と
  の見解を示した。
   日本感染症学会の講演で、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身
  会長が登壇し、全国の新規感染者について、「だいたいピークに達したというの
  がわたしたちの読み」との見解を示した。
   そのうえで、「対策を行えば感染リスクは低くなるとわかってきた」と述べ、
  クラスター対策の重要性をあらためて強調した。
   また、東北大学の押谷仁教授は、新型コロナウイルスは発症前から感染し、
  40%の人は発症前にほかの人に感染させているとの分析を明らかにした。
 ・欧州のコロナとの闘い、ロックダウンなしで可能 WHO(AFPBB News) 
   世界保健機関(WHO)は20日、欧州各国の新型コロナウイルスの感染拡大対
  策をめぐり、当局の準備態勢が整い当局がウイルスとどう闘うかの知識も得たこ
  とから、全面的なロックダウン(都市封鎖)措置を講じずウイルスと闘うことが
  可能との見解を示した。
   WHOのハンス・クルーゲ(Hans Kluge)欧州地域事務局長は記者団に対し、
  「国全体での基本方針と、標的を絞った追加措置を講じることで、われわれは局
  地的なウイルスの感染再拡大を抑えるのにこれまでより良い立ち位置にいる」と
  言明。「われわれは新型ウイルスを管理しつつ、経済活動と教育システムの稼働
  を継続できる」と述べた。
   クルーゲ氏によると、欧州では過去2か月で感染者数が増加傾向にあり、8月第
  1週の新規感染者数は、1週間の新規感染者数が最少となった6月第1週と比べ約4
  万人多かった。WHOによると、欧州の1日当たりの新規感染者数は平均2万6000
  人。新規感染者の中では、症状が軽く致死率が低い若年層の割合が増えている。
   クルーゲ氏は、学校の閉鎖が子どもに与えた負の影響についても言及し、各国
  が徐々に通常の生活に戻りつつある中、学校を再開する重要性を強調した。
 ・きょうコロナ対策分科会 ワクチン優先順位など議論(FNNプライムオンライン)
   新型コロナウイルスの対策を話し合う政府の分科会が21日に開かれ、ワクチン
  接種のあり方を議論する。
   西村経済再生相「ワクチン接種のあり方について、特にその優先順位をどうす
  るかとかですね。いわば総括的に方向性を出していただく」
   21日の分科会では、現在の感染状況を分析するとともに、ワクチンを接種する
  優先順位などを議論することにしている。
   ワクチン接種の対象は、医療提供体制を維持する観点から、医療従事者のほ
  か、重症化するリスクが高い高齢者や基礎疾患がある人を優先する方向で検討する。
 ・巣ごもり銘柄株 好調 ゲーム・食品・IT・・・成長期待
 ・ワクチン被害 国が補償 新型コロナ メーカー損失 肩代わり 政府方針
 ・IR計画暗礁 コロナ禍 優先順位低下 汚職事件 イメージ低下
 ・訪日6000万人 目標難しく 
 ・コロナ接触通知 確実に検査方針 アプリ巡り、厚労相
 ・米ゼロ金利維持 新指針検討 FOMC7月要旨 インフレ率など
 ・コロナ禍 女性雇用を直撃 非正規・ひとり親 貧困深刻
   派遣打ち切り収入ゼロ・休校で食費3倍・学費払えない
 ・尾身氏 完全な予防不可能 感染症学会 正しい理解 訴え
   流行が直ちに終息する可能性は低く、長丁場になることが想定されることを踏
  まえ、リスクを正しく理解するよう訴えた。
 ・両陛下 オンライン聴講 水防災国際会議 コロナ禍、象徴の活動模索
 ・都の重症者増 加速 国と別基準 集中治療室分を除外
 ・国内感染 連日1000人超
 ・長野 26小中高 修学旅行中止 行き先・日程変更は240校
 ・長野 新たに2人感染
 ・長野 県産高級食材 給食に コロナで消費減 和牛やシャモ 来月から

8/22
 ・ワクチン 高齢者・医師優先 救急隊・妊婦は検討 コロナ分科会 提言
   米英から、少なくとも1億2000万人分のワクチン供給を受ける基本合意がある。
 ・ワクチン 効果未知数 コロナ分科会が意見 「過度な期待は禁物」
 ・イベント上限5000人継続へ
 ・感染ピーク 7月下旬~8月上旬 分科会
 ・訪日客 1150万人4~7月 4ヵ月連続99%減
 ・バイデン氏 受諾演説 現政権 米の暗黒時代 コロナ・人種「失敗」批判
 ・PCR機器確保要請 政府・与野党が会合、与野党政府に要請
 ・スーパー堅調2.6%増 7月売上高 コロナ拡大、コンビニは苦戦
 ・老舗レナウン清算へ ネット・低価格化遅れ
 ・観光苦境 出口見えず GoTo1か月 都内閑散、観光バス休廃止
 ・航空各社 減便拡大
 ・中国IT大手 増収増益 4~6月期 巣ごもり需要 奏効
 ・主要100地区の4割 地価下落
 ・【コロナの疑問】「隠れ死」どれだけ? 「超過死亡」から推定
 ・ワクチン治験 阪大病院でもDNAワクチン、9月上旬から
 ・感染新たに1034人 重症再集計21人増
 ・GoToの10人感染か 10施設の宿泊客
 ・天理大生の教育実習拒否など5件発生 不当な差別懸念 クラスター無関係者 
 ・長野 コロナ感染 最多9人 2人中等症、7人は軽症
 ・長野 松本市立病院が有料PCR検査開始 1回3万円
 ・長野 県内初「マスク着用条例」 宮田村 不当な差別へ配慮も
   
8/23
 ・都心オフィス 空室率増 5か月連続 コロナ禍、テレワークで
 ・オフィス需要 曲がり角 空き室増 大手「シェア型」拡充急ぐ
 ・【地球を読む】日本対がん協会会長・柿添忠生
   コロナ下の医療、がん早期発見の機会奪う
   診療継続へ 感染対策急げ
 ・【広告】ペストの記憶 ダニエル・デフォー著・武田将明訳 研究社発行
 ・日本人ビザ申請、中国が9月1日から受付 再入国対象
 ・【社説】鉄道会社の経営 コロナ禍に耐える構造改革を
 ・公明「GoTo」対応苦慮 赤羽国交相所管 党批判を懸念
 ・政府 外国人再入国 全面解除へ 在留資格者対象 国費留学生も
 ・カンボジアとの出入国制限緩和 来月にも、駐在員ら対象
 ・【明日への考】元統合幕僚長・折木良一氏 危機管理から見た新型コロナ
   優先順位 一番は国民の命 医療、保健衛生の物資。効率性を度外視してでも
  確保すべきだ。
 ・ハワイ 観光業に打撃 日本人客99%減 コロナ拡大、高失業率
 ・国内感染983人 都内256人
 ・大流行終息まで「2年未満」期待 WHO事務局長 スペイン風邪よりも早く
 ・部活クラスターに中傷 電話80件、生徒の写真拡散
 ・GoTo奥多摩 都民も楽し
 ・縄跳び コロナ禍で脚光 手軽さ魅力、オンライン教室盛況
 ・長野 コロナ感染、小諸市で新たに6人 上田市は巡回、注意呼びかけ

8/24
 ・アベノミクス コロナで失速 
 ・妊婦の感染 DB化 厚労省研究班 症状、子の影響分析
 ・コロナ死者80万人 インド感染300万人
 ・12歳以上はマスク着用 WHOとユニセフ指針公表
 ・回復者の抗体 治療に生かす 重症者に血漿・未解明な点も
 ・人工抗体で新薬 ピンポイントで効果 期待 回復者の血液から特定の抗体を選びコピー
 ・コロナ禍対応 特産品販売 IT活用 地方自治体 大手と連携
 ・高校野球 全日程終了 感染対策 秋季大会へ継承
 ・妊婦「ずっとコロナ不安」 分娩施設対策 夫立ち合い禁止など
 ・五輪・パラ コロナ対策
   PCR何度も・専用車で移動 選手の入国後、行動制限徹底
 ・東京・世田谷区 保育士ら2万人PCR 症状有無問わず実施方針
 ・全国で感染744人
 ・長野 新たに3人感染
 
8/25
 ・イベント上限5000人 再延長
 ・マスク 飛沫防止に効果 理研など「富岳」使い拡散予測
 ・米 「血漿」治療を許可 新型コロナ対策実績アピールか
 ・戻らぬ消費 次の手探る 緊急事態解除3か月 
   「オンライン飲み」席・ローソン弁当宅配
 ・低迷長期化 懸念 雇用悪化・賃金減の恐れ
 ・【社説】最長政権 コロナ乗り越え経済再生図れ
 ・インバウンド 4000万人達成 絶望的 消費は増加の余地
 ・「トランプ党」熱狂演出 共和党大会 雇用・コロナ対策 重点
 ・露 ワクチン接種 半数超「希望せず」 安全性に懸念か
 ・コロナ 嫌がらせ貼り紙被害 駄菓子屋 再開誓う 
 ・年代別死亡率 変化なし 第1波とそれ以降 厚労省助言機関
   ウイルス弱毒化の科学的根拠なし
 ・コロナ禍のインフル 備え 厚労省が体制強化策 時間帯別に診療、検査場所を拡充
 ・都内感染95人 1か月半ぶり2桁
 ・騎手1人感染 川崎競馬中止
 ・長野 新型コロナ 最多11人感染

8/26
 ・【新たな日常】2⃣ 客席ないレストラン
 ・「GoTo」効果に地域差 開始1か月 近距離中心420万人利用
   公明・山口代表 東京の追加要望
 ・日米株 コロナ前水準回復 景気回復に期待感、先行き懸念も
 ・「指定感染症」負担に 厳格措置 見直し議論 厚労省機関
   軽症者も入院 医療圧迫、 感染症危険度5段階 コロナ「2類相当」
 ・キリン豪事業売却撤回 コロナ拡大 豪中の対立影響か
 ・GDPの回復 22年1~3月 西村再生相が見通し
 ・コロナワクチン 安全性確認 冷静に待とう 編集委員・山口博弥
 ・コロナ治療薬・ワクチン 「安全確保徹底を」 薬害根絶 被害者の願い
 ・J・プロ野球 上限5000人継続
 ・コロナ差別防止 子どもや親に訴え 文科省
 ・国内感染715人 都内182人
 ・長野 2広域圏 警戒レベル3に 佐久、長野 上田で新たに2人感染

8/27
 ・ワクチン確保に予備費 首相あす説明 医療機関 財政支援
 ・【新たな日常】3⃣ 電車の混雑 見える化
 ・GoTo「東京追加」検討 政府
 ・マスク「国産」5割に 今月
 ・コロナ後「社会のデジタル化」推進 「科学技術計画」骨子案
 ・【社説】接触確認アプリ 普及阻む壁をどう取り除くか
 ・コロナ禍 企業移転進むか
 ・コロナ再拡大さなか 韓国 医師一斉スト 「医学部定員増」に反発
 ・航空各社が人員削減 アメリカン1万9000人、カンタス2500人
 ・留学者数 コロナ禍で打撃
 ・成田山の初詣 「分散参拝を」 コロナ感染防止
 ・国内896人感染 都内236人
 ・船橋競馬の騎手 感染者計6人に 60レース中止
 ・「爆笑問題」田中さん 夫婦で感染判明
 ・持続化給付金を詐取容疑で逮捕 男3人、被害4億か
 ・インフル予防接種 高齢者はお早めに 厚労省呼びかけへ
 ・コロナ禍で(選手)資金難 トップ選手助成100万円増の年間340万円
    スポーツ振興センター
 ・口元に空間 マスク快適 マスク補助具に注目
 ・長野 コロナ感染 新たに9人 上田で急増、県内最多35人に
 ・長野 山形村 全村民に1万円分商品券
 ・長野 白馬・小谷村共同でプレミアム券販売 事業者支援

 ・Johns Hopkins Univ. 公表情報 世界と日本の累計感染者数推移
世界の累計感染者数推移 2020.8.27現在 
    

日本の累計感染者数推移 2020.8.27現在

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ガラスの話(22)パート・ド・ヴェール

2020-08-21 00:00:00 | ガラス
 今回はガラス工芸技法のひとつ、パート・ド・ヴェールの話。この技法には不思議な魅力があるのだろうか、その魅力に取りつかれた人は多い。

 これまでにも何度か紹介している由水常雄氏が監修した「世界ガラス3500年史」の中にも「古代中国1世紀『劉勝の耳盃』」として採り上げられている。

 その説明には次のように記されている。

 「古代漢代の名将劉勝の墓から出土した耳杯を復刻。パート・ド・ヴェール技法(ガラスを型の中で熔融して成形した後、型から取り出しだし研磨する技法)は、由水常雄氏が17年前に再発見したもので、杯はその古代技法で作られています。」

由水常雄氏監修による「世界ガラス3500年史・ぐい吞みコレクション」
 

上記コレクションに含まれている、パート・ド・ヴェール技法による「古代中国1世紀『劉勝の耳盃』」 高さ3.0cm 

 NHKの教育テレビで放送された(平成6年8月~10月)、趣味百科のテキスト「ガラス工芸への招待」(講師 由水常雄 1994年 日本放送出版協会発行)には、第9回と第10回の2回にわたる講義内容として、パート・ド・ヴェールが、実際の製作過程の写真や由水氏の作品を交えて詳しく解説されている。解説記事の一部を抜粋すると次のようである。


NHK趣味百科のテキスト「ガラス工芸への招待」(講師 由水常雄 1994年 日本放送出版協会発行)

 「パート・ド・ヴェールとは
 パート・ド・ヴェール(Pate de verre)とは、フランス語でガラスの練り粉、という意味です。・・・フランス以外の国でも、この技法の呼称として、同じパート・ド・ヴェールというフランス語がそのまま使われています。わが国でも、昭和初年に石井柏亭や岡田三郎助がフランスのパート・ド・ヴェール作品を紹介した折に、この言葉をそのまま使いましたので、以来今日に至るまで、この言葉が一般に通用しています。
 この技法は今から三千五百年ほど昔に古代バビロニアで考え出されて、約千五百年間、古代ガラスの技法として使われてきましたが、手間のかかる面倒な技法でしたので、前一世紀後半に、便利な吹きガラス技法が発明されたときに、消失してしまいました。
 その後、十九世紀末に、フランスの陶芸家アンリ・クロ(1840~1907)が、陶芸技法によってガラス作品をつくる技法として考え出したのが、この技法です。この呼称も、そのときに初めて使われるようになったものです。
 フランス語の意味が示しているように、パート・ド・ヴェールはガラスの粉末を糊で練って型に充填して、ゆっくりと温度を上げて、ガラス粉を型の中で熔かして、型どおりのガラス作品を作る技法です。・・・
 この技法は、原理は極めて単純ですが、その応用と展開の可能性は大きく、従来の熔けた熱いガラスを鉄パイプの先端につけて膨らませる吹きガラス技法とは、比べものにならないほど多種多様な表現と、複雑な構成、あるいは人の手で持つことのできないような大型の作品に至るまで、自由自在に作り出すことが出来ます。
 色、形、透明感、色文様、レリーフ、大きさなど、どの分野でも自在にコントロールして創作することができる技法です。・・・
 しかし、・・・パート・ド・ヴェールでは、つくりたいものの原型を作る必要があります。それから耐火粘土や耐火石膏で型取りをしなくてはなりません。・・・この手間のかかる点が、この技法の最大の欠点です。
 ・・・生産性の悪さの故に、二千年前にこの世から消失してしまった技法なのです。しかし、生産性の悪さを除くと、これほど豊かな表現を行うことが出来るガラス技法は他にはありません。
・・・芸術作品の創作にはうってつけの技法なのです。・・・」

 前記、「劉勝の耳盃」の解説にもあったように、二千年前にいったんは消失してしまったといわれるこのパート・ド・ヴェールの技法を、由水氏は再発見したという。

 そのいきさつについて、同じく「ガラス工芸への招待」の中で由水氏は次のように述べている。

 「・・・正倉院に伝わるガラス器の源流を追跡してゆくうちに、いろいろな謎や疑問点が浮かび上がってきました。そこで、各作品の厳正なコピーをつくる実験考古学を始めました。 ・・・ところが古代メソポタミアでつくられていたガラス器類は、従来のガラス知識では、とても考えられないような、不思議なガラス器類でした。
 ・・・実験の成果をまとめてみると、古代メソポタミアのガラス技法が、極めて高度な科学知識や物理学知識を持っていたことが分かってきました。それにもまして、ガラスの粉末を熔かしてつくる技法が、実に便利で、簡単な原理によっている技法であることが分かってきました。・・・
 パート・ド・ヴェールの技法には、十九世紀末から二十世紀初めにかけて、フランスのガラス作家たちが、独自に開発した秘伝的な技法もありました。それらの秘法は誰にも公開されないまま、作家の死とともに、消失してゆきました。数人のパート・ド・ヴェールの作家たちが、それぞれ異なった技法を考え出していましたから、私は彼らの作品を分析して、その技法を解明してゆきました。・・・
 最終的に行きついたのは、医療用の下剤糊や先端産業で使う耐火石膏、あるいは耐熱石膏という特殊な石膏が、最も合理的で、使いよいということでした。値段も安価で、誰でも自由に手に入れることができる材料です。
 この技法を公開して、1977年に、初めて教え始めたのでした。」

 パート・ド・ヴェール技法に寄せる由水氏の情熱はなかなかのもので、実際この「ガラス工芸への招待」の中でも多くのぺージを割いていることからも伺うことができる。

 二千年間忘れ去られていたパート・ド・ヴェール技法を現代に蘇らせるきっかけを作ったのは、フランスのアール・ヌ―ヴォー時代のガラス作家であるとされているが、その点について由水氏はさらに詳しく述べている。

 「十九世紀末から二十世紀初めにかけて、フランスを中心に、全ヨーロッパに広がっていったアール・ヌーヴォー運動の中心的な牽引役を果たしたのが、こうしたガラス作家たちだったのです。
 ガラスは魅力的な素材でしたが、高温を使わないで、何か別の方法でガラス作品をつくることはできないだろうか、と考えた人たちもいました。その中に、彫刻家のアンリ・クロ(1840-1907)がいました。クロは、エジプトやローマ時代のガラス彫刻に触発されて、ガラス彫刻をつくる実験を始めました。型づくりは、彫刻の型取りに慣れていましたから、すぐに解決しましたが、ガラスとの格闘は、失敗と試行錯誤の連続でした。従妹の肖像レリーフを、やっとのことでガラスでつくり上げることに成功したのが、実験を始めてから数年後の1884年頃でした。1885年のサロン展に作品『凍れる春と太陽』を出品しました。この作品は現在、パリのオルセー美術館に展示されています。
 このクロの試みに、刺激された多くの工芸家たちが、独自にパート・ド・ヴェールへの挑戦を試みました。そして、アルベール・ダムーズ(1848-1926)、ジョルジュ・デプレ(1853-1952)などが登場して、作品を発表していきました。彼らの技法もまた、クロとは異なった独自のパート・ド・ヴェール技法でした。そして、彼らの後を追って、フランソワ・デコルシュモン(1880ー1971)、アルマリック・ワルター(1870-1932)、アージー・ルソー(1885-1953)などの巨匠が出現し、フランスのパート・ド・ヴェールの黄金時代を現出しました。
 しかし、どの作家も、自らの技法を公開せず、息子にも教えず、弟子たちも取らないという徹底ぶりでしたから、それらの技法も、今日では亡失してしまいました。」

 ようやく二千年ぶりに復活したパート・ド・ヴェールはこうして再び埋もれていったようである。

 これを再発見したのが由水常雄氏ということになるが、これに先立って、日本では戦前の昭和十二年(1937年)にパート・ド・ヴェール技法開発の動きがあったことが知られている。
 
 これについては、「ガラスの旅」(佐藤潤四郎著 1976年 芸艸堂発行)の1節に「パート・ド・ヴェール」の項が設けられていて、そこにはこの技術に取り組んだ岩城硝子のことが、次のように紹介されている。


「ガラスの旅」(佐藤潤四郎著 1976年 芸艸堂発行)

 「・・・岩城硝子の歴史は古い・・・その年(1938年)にパート・ド・ヴェールの発表会があった。この技法については私は全く知らないので、その時のリーフレットを全文引用して、多くの方々に資料としていただきたい。

 『パート・ド・ヴェール推薦の言葉                 沼田一雅
 邦語ではパート・ド・ヴェールにぴったり、当て嵌る言葉は一寸見当らない。従来斯の種の作品は、仏蘭西の特技であって、同国ではパート・ド・ヴェールは恰し宝玉の加工品の如く尊重せられて居る様である。
 是れは勿論其の光沢、色彩の豊潤と全体の申分なき味ひとにも因るものであるが、同時に製作の点でも、普通の硝子作品とは比較にならぬ困難さが存することにも因るのである。
 我が国では岩城硝子の工芸部で、数年来此のパート・ド・ヴェールを苦心研究中であったが、遂に独自の技法を以て其の製作に成功し得た事は、我工芸界に一生面を拓いたものと謂えやう。其の作品を見るに相当見るべきもの多く、殊に立体のもの、製作は、仏蘭西よりも一歩先んじて居る点もある。
 同部では尚更に研究に精進して居るが、斯様な結構な研究には汎く一般の理解と後援が必要で、私も江湖の声援によって、其の研究の成果が益々多彩ならん事を切望する次第である。』

 『パート・ド・ヴェール            岩城硝子株式会社 工芸部
 パート・ド・ヴェール(Pate de Verre) は英語の Paste of glass 即ち「硝子の練り物」と謂ふ意味でありますが、之れは製品の外観又は製作法から名附けられたものかと思はれます。
 この硝子は普通の硝子の様な原料を熔融して、飴状としたものを、種々の形に吹込んだり、鋳型に流し込んだりして作るものとは、全然異なった方法で作られた硝子でありまして、外側が半透明で、けばけばしくなく、全体に落付いた深味のある、恰も砡の如き感じのするもので、其の特徴とする処は局部的に任意の着色が出来、しかも其の色は内部に浸透して豊潤なる色彩を呈すると云ふ、普通硝子製品に於ては、企て及ばぬ味を持たせることが出来る点であります。・・・
 抑もこのパート・ド・ヴェールは其の起源非常に古く、古い文献に「ミューラン」は「東邦より来る、其の光沢は強からずして、輝かしと謂はんよりは寧ろ艶かなりと云ふ可く、世人は何よりも先づ其の色合変化を特に賞美す」とあります。このミューランは現今のパート・ド・ヴェールだと謂はれて居りますが、羅馬滅亡と同時に其の製法も亦煙滅して全く伝はつて居りません。
 其後十九世紀に及んで、優れた彫刻家であり、画家であった仏蘭西人アンリー・クロー氏がルーブル博物館に現存する古代の作品を見て、其の製法の発見を企て、鉱物学や化学を研究すると共に、幾多の実験を重ねて遂に一八九三年其の完成を見たのが、近世に於けるパート・ド・ヴェールの始めでありまして、現在ルクセンブルグ博物館所蔵の L'Histoire de L'Eau は即ち彼の創始時代の作品であります。爾来彼の流れを汲む諸作家が輩出致しましたが、其の製法は何れも父子相伝的に極秘にされた為、今日これの作家は仏蘭西に於ても僅々数名に過ぎぬ現状で、その製品も少なく、一般に普及されて居らぬ為め、吾国人の中でも之れを識って居る方は甚だ少数であります。
 弊社に於きましては、・・・数年前其の研究に着手致しましたが、何分此のパート・ド・ヴェールによる作品は、製法の研究と工芸的精進の万全を期さなければならぬものでありますのに、其の製法は前述の様に全く判明して居らず、何等の文献なく、口伝も聞き及ばないのでありますから、恰も水天一如の大海で小舟が陸地を探し求める体の、容易ならぬ苦心を致したのであります。終わりに臨みまして、本品の製作に就き多大の御指導と御援助を賜りました岡田三郎助、沼田一雅両先生の御好意に対し深甚なる感謝を表します。』

 パート・ド・ヴェールは、岩城硝子の矢口工場の処分と同時に再び誰もその技術を確かに伝える人は一人もいなくなった。・・・
 推薦文を書かれた沼田一雅は私の恩師で、学生時代には彫刻をそして昭和二十一年(1946年)にはパート・ド・ヴェールの会社を計画した折、ほんとうに短い時間であったが一緒に仕事をしたことがある。・・・それ以後沼田先生とは遂に逢うこともできない運命になってしまった。
 岩城硝子の本来の実態は今はなくなって、全然別のガラス製品を生産する会社となり、今は船橋にアメリカのコーニング社と提携して、パイレックスやテレビのブラウン管を生産している。・・・」

 この当時岩城硝子・工芸部が製作したパート・ド・ヴェール作品の一つが「GLASS」ガラス工芸研究会誌15号(1983年発行)の口絵に紹介されていて、当時の作風を伺い知ることが出来る。
 その解説文は次のようである。先の佐藤氏の文章と重複するところもあるが、そのまま引用させていただく。

 「口絵解説
  鷹 置 物
   岩城硝子工芸部
   昭和十三年以降の戦前作
   高さ 二十二・三cm

  岩城硝子がパート・ド・ヴェール(Pate de Verre)の技法に着目してその研究を始めたのは昭和八年であった。フランスでこの技法を見聞した画家の岡田三郎助や、陶芸家の沼田一雅によって伝えられた知識をもとに試作をはじめたもので、同社でこれにたずさわった清水有三、小柴外一、そして沼田の弟子でもあった小川雄平らが、その制作に成功したのは昭和十三年であったという。
 現在でもお元気な清水氏の話しによれば、戦前、岩城硝子でパート・ド・ヴェールの素材に使われたガラスは、含有率が三十%位の鉛ガラスで型の素材は、石膏にマイカを混ぜたものだったそうである。また、ここに紹介する作品にみられる緑色の呈色剤は、酸化クロームであろうとのことであった。・・・」(樋田豊次郎)

 この時、同じ「GLASS」15号(1983年10月発行)に記事
・パート・ド・ヴェール-技法と鑑賞ー黒崎知彦・三橋寿恵子・友部 直・中村 裕・井上暁子
が掲載されており、その後「GLASS」21号(1986年10月発行)には、
・パート・ド・ヴェール技法の受容-岩城硝子工芸部とフランソワ・デコルシュモンー樋田豊次郎
が掲載されている。

 また、この岩城硝子が研究開発し製作したパート・ド・ヴェールについての詳しい解説記事が2回にわたり日本ガラス工芸学会誌「GLASS」に掲載された。

・旧岩城硝子のパート・ド・ヴェール(一) 山口 勝旦 37号(1995年6月発行)
・旧岩城硝子のパート・ド・ヴェール(二) 山口 勝旦 38号(1995年12月発行)

 このように過去には謎めいた話のあるパート・ド・ヴェール技法であるが、最近のガラスに関する書籍などにはガラスの製法の一つとして多くの本に紹介され、広く知られるようになっている。
 ・ガラス器を楽しむ 岡本文一監修 1993年 講談社発行
 ・カラー版 世界ガラス工芸史 中山公男監修 2000年 美術出版社発行
 ・すぐわかる ガラスの見わけ方 井上暁子監修 2001年 東京美術発行

 こうした現代の日本におけるパート・ド・ヴェールの普及には、由水常雄氏の公開教育が大きく貢献しているのではと思えるが、前出の「ガラス工芸への招待」の記述は次のように続いている。

 「こうしたパート・ド・ヴェールの衰退現象の中で、1975年に再発見した私は、77年から公開教育を始めました。その新しい方式によるパート・ド・ヴェール教育の中から、多くの優秀な作家たちが輩出してきました。そして1986年に、パリで盛大な「日本のパート・ド・ヴェール展」を開催しました。参加者百十名、出品者四十五名という大世帯によるパート・ド・ヴェール展は、世界でも初めての試みで、ヨーロッパ各地から、ガラス作家を始め、教育機関の先生方、陶芸家や彫刻家、画家たちで満員となるという成功を収めました。
 これを契機にして、急速にこの技法に挑戦するガラス作家たちが増えてきました。今日では、わが国では百人余のプロ作家がこのパート・ド・ヴェール技法によって作品を制作しており、千人に余るアマチュア作家も、この技法を楽しんでいます。」

 こうした作家の作ったものだろうか、私の手元には、軽井沢に来て間もない頃に当地で買い求めた2個のパート・ド・ヴェールのぐい吞みがある。独特の温かみのある手触りの物で、冷酒用として愛用している。
 
パート・ド・ヴェールのぐい吞み2個(H69mm,D45mm)

 本家ともいえるフランスではというと、アール・ヌーヴォー期に創業したドーム社では、パート・ド・ヴェール技法をやはり1968年に「再発見」し、現在も製品を作り続けている。ドーム社ではパート・ド・ヴェールという表現は用いずに、パート・ド・クリスタルと呼んでいる。

 このドーム社の技法については、ノエル・ドーム著の”Pate de Verre"(1984年発行)の一部を翻訳した記事が、日本ガラス工芸学会誌「GLASS」に2回にわたり紹介されていて、次のようである。また、3回目は前2回の内容を補完するために、日本で活躍中の黒崎知彦氏、岩崎五郎氏の二人の作家にインタビューした内容の紹介になっている。

・パート・ド・ヴェールの技法(一)ノエル・ドーム著、研究委員会訳、34号(1993年12月発行)
・パート・ド・ヴェールの技法(二)ノエル・ドーム著、研究委員会訳、35号(1994年3月発行)
・パート・ド・ヴェールの技法(三)研究委員会、37号(1995年6月発行)

 ドーム社が作品に添付しているパンフレットには次のように記されている。

 「石膏型にガラスの粒を入れ、焼成するという古代エジプトで用いられていた製作技法を1968年にドームが再発見し、クリスタルで再現。彫刻的な造形が可能であるだけでなく、毎回石膏型を壊して作品を取り出すことから生まれる一品性が特徴」

  
Daum社のパンフレットから

 ドーム社の製品のひとつに次の作品Collection ROSEがある。先日入手したものであるが、高さ約30cm、径約25cmの大作である。

 ガラス特有の透明感があり、バラの花びらや葉の色と形状が美しく再現されていてみごとである。

Daum社のパート・ド・クリスタル製品、Collection ROSE(H30cm,D25cm)

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新型コロナウィルス情報(18)8/14-8/20

2020-08-20 12:00:00 | 新型コロナウィルス
 *特に断りの無いものは読売新聞からの情報。

8/14
 ・コロナ後遺症、世界で続出 倦怠や息苦しさ、関節痛…(共同通信)
   新型コロナウイルスに感染し、退院後も呼吸器疾患を含む「後遺症」が続くと
  の報告が世界中で相次いでいる。倦怠感や息苦しさのほか関節痛が数週間残る人
  もおり、感染者の約1割は症状が長引いているとの調査もある。陰性に転じた
  後、長期間職場に復帰できない人も多く、日本の厚生労働省も今月から研究を本
  格化させる。
    訴えが多いのは倦怠感、胸の痛みなどのほか、せきや嗅覚障害。集中力や記憶
  力の低下なども報告されているが、頻度や持続期間など不明点はまだ多い。英ロ
  ンドン大キングスカレッジなどが約400万人を対象に調査した結果、約10人に
  1人の割合で症状が3週間以上続いていた。
 ・コロナ重症者、増加傾向を懸念=病床確保など対応急ぐ―西村担当相(時事通信社)
   西村康稔経済再生担当相は14日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染状
  況について、全国的に重症者が増加する傾向にあると懸念を示した。その上で、
  重症者が急増する事態に備え、全国の都道府県と連携し、病床の確保などに万全
  を期す考えを強調した。
   西村氏は「重症者は10日ほど前は100人前後だったが(13日時点で)
  211人まで来ている。急速に増える(可能性がある)ことを考えて対応しなけ
  ればならない」と指摘。加藤勝信厚生労働相と14日に意見交換し、「危機感を
  共有した」と説明した。
   重症者の増加を食い止めるため、高齢者の感染防止に全力を挙げる考えも示し
  た。
 ・【社説】高齢者施設 万全のコロナ対策を講じたい
 ・【コロナと政治】自民党新型コロナウイルス関連肺炎対策本部長・田村憲久氏
   防止策検証 法改正も 感染症監視「司令塔」創設を
 ・派閥研修会 見直す動き コロナで 自民、細田派は中止
 ・シンガポールと 9月中の往来再開向け合意
 ・コロナ禍 車サバイバル 赤字続出 
 ・株 コロナ前水準回復 2万3249円 ワクチン開発期待
 ・すかいらーく 赤字189億円
 ・コロナ需要 増益続々 「巣ごもり」好調 即席食品やゲーム
 ・夏のかき入れ時・冷える ガソリン 規制自粛、ビール 飲食店不振
 ・【コロナの疑問】子供は軽症で済むの? 10代以下の死者ゼロ
 ・感染対策店 安全を保証? 群馬県 認定ステッカー修正へ
 ・コロナワクチン「抗体増」米、ファイザーなど臨床試験で
 ・都 病床使用率7割に 専門家 療養体制整備求める
 ・国内10人死亡
 ・沖縄 警戒レベル最高に引き上げ
 ・長野 新たに1人感染 

8/15
 ・東京で新たに385人感染 新型コロナ、悪化傾向続く(共同通信社)
   東京都は15日、新型コロナウイルスの感染者が新たに385人報告されたと明ら
  かにした。8月は都内の感染者数が全て3桁で推移し、300~400人台の日が目立
  つ。今月10日以降は100人台後半から200人台前半にとどまったが、14日は再び
  389人に上り、悪化傾向が続いている。
   都は警戒度を4段階の指標で最も深刻な「感染が拡大している」に位置付けて
  いる。小池百合子知事は夏休みやお盆の帰省や旅行を控えるよう都民に要請。酒
  類を提供する飲食店やカラオケ店には今月31日まで午後10時閉店の時短営業を求
  めている。
 ・保健師 都道府県超え融通 局所的拡大に対応 厚労省が仲介・調整
 ・「緊急事態」解除後 9都府県が休業要請 補償とセット 6都府県
   東京都20万円、愛知県20万円、大阪府30万円、宮崎県10万円、鹿児島県30万円、
  沖縄県20万円。
 ・中国 鉱工業生産4.8%増 7月 4ヵ月連続プラス
 ・【コロナと政治】立憲民主党政調会長 逢坂誠二氏
   特措法や予算 後手 保健所逼迫 「小さな政府」の弊害 
 ・日本・マレーシア 往来再開で合意 来月上旬にも
 ・途上国へコロナ薬支援 G7 特許料交渉仲介へ
 ・トヨタ・マツダ 米に追加投資 890億円 新工場4000人雇用へ
 ・タイ国際航空 960億円の赤字 1~6月期
 ・GDP 年27%減予測 4~6月期 リーマンより悪化 民間平均
 ・【コロナの疑問】市販のマスク 着用効果は 感染予防に限界 複数対策を
 ・暑く苦しい時 マスク外して 小児科医会
 ・都内389人感染 5日ぶり300人超 沖縄は106人 

8/16
 ・大阪府で147人の感染確認 100人以上は13日連続(朝日新聞デジタル)
   大阪府は16日、府内で新たに147人が新型コロナウイルスに感染していること
  を確認したと発表した。1日あたりの感染者が100人以上となるのは13日連続。
  府内の感染者は延べ6881人となった。
 ・陛下 コロナに言及 戦没者追悼式 社会課題 初めて触れる 強い危機感の表れ
 ・【社説】コロナと大学 対面授業の実施へ知恵を絞れ
 ・【コロナと政治】北海道知事・鈴木直道氏 前例なき「緊急事態」決断
   感染対策と経済の力点 国が示して・全国に先立ち一斉休校
 ・農家が機械化加速 コロナ拡大 外国人実習生不足
 ・首相 心休まらぬ夏 別荘での静養自粛
 ・「持続化給付金」デロイトに委託 電通設立法人 応募せず
 ・日体大レスリング 18人感染 クラスター認定 横浜市青葉区キャンパスで
 ・吉本芸人も4人 ココリコ遠藤さんら
 ・長野 終戦の日 各地で追悼 感染対策で規模縮小
 ・長尾 新たに3人感染 症状は軽症で、累計148人に

8/17 新聞休刊日
 ・国内で新たに1019人感染 死者は11人、新型コロナ(共同通信社)
   国内で16日、新たに1019人の新型コロナウイルスの感染者が確認された。東
  京が260人だったほか、大阪147人、愛知83人、神奈川80人、福岡74人、沖縄60
  人など。死者は11人が報告された。
   奈良では新規感染者のうち19人が天理大ラグビー部の部員で、クラスター(感
  染者集団)が発生したとみられる。
   死者は東京、福岡、鹿児島、沖縄で2人ずつ、石川、愛知、滋賀で1人ずつが確
  認され、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員を含め計1117人と
  なった。国内の累計の感染者は5万6851人。
 
8/18
 ・GDP年27.8%減 4~6月 戦後最悪 コロナ影響 緊急事態消費を直撃
   内外需要 総崩れ 運輸・旅行・外食が深刻、 「V字回復」市場は否定的、
   雇用・賃金に波及 休業、賞与ゼロも。
   野村総研エグゼクティブエコノミスト・木内登英氏:廃業や倒産 増加懸念
   大和総研シニアエコノミスト・神田慶司氏:事態悪化備え 議論を
   11業種で最終赤字 4~6月期 外出・営業自粛 打撃
 ・【現場の模索】㊤ GoTo前ホテル解約 「療養」確保へ国・地方連携
   「経済と両立」求める国
 ・沖縄へ看護師 国が派遣調整
 ・東証一部 赤字3割超 4~6月期 売上高2割減
 ・【社説】GDP下落最大 不安軽減で消費底上げ目指せ
 ・【コロナと政治】福岡市長・高島宗一郎氏 街 生まれ変わるチャンス
   市民守るため 権限移譲必要
 ・訪日客 回復見込めず 
 ・首相 日帰り検診 体調懸念の声も 政府・与党内「顔色悪い」
 ・地銀苦境鮮明 4~6月期 6割が減益か赤字
 ・百貨店売上高 減少続く 8月前半、衣料品が苦戦
 ・仮想球場 収益目指す 「アバター観戦」で熱狂 G、疑似観戦アプリ開発中
 ・お盆の国内線 利用者7割減
 ・都のコロナ死 遅い発表 専門家「予防対策に影響」 保健所で滞留「遺族と連絡」
   即時発信「ハーシス」カギ
 ・酷暑とコロナ禍 小中の授業再開
 ・長野 上田の50代 感染 
 
8/19
 ・WHO改革「迅速化」柱 感染症発生通報 緊急事態の宣言 G7案 来月協議へ
 ・【現場の模索】㊥ 感染抑止へ 個人名公表 法令駆使 警察調査と「連携」
   立ち入り 検証も必要。
 ・レバノン コロナ拡大 爆発2週間 避難先で密集生活
 ・コンビニ3社 配送「相乗り」 都内40店実証実験 車両3割減/ルート調整課題
   ビールや食品業界 先行 
 ・【コロナと政治】国際医療福祉大学教授・和田耕治氏 医療逼迫 油断できず
   収束まで2~3年 認識を
 ・ワクチン開発 急ピッチ
 ・緊急事態条項に「感染症」 自民議連、追加を大筋了承
 ・PCR検査体制 超党派「強化を」 医師の議員ら
 ・在宅確保支援 公明が提言書
 ・米韓合同演習始まる コロナ対策で2日遅れ
 ・米 ノースカロライナ大 クラスター発生で新学期1週間 対面授業中止
 ・コロナ米中対立 食糧輸入に不安 習氏「食べ残し」禁止令
 ・GDP 厳しい先行き コロナ前水準「22年以降」
 ・航空 再び減便拡大 9月 感染増 旅行自粛
 ・コロナ禍 寺社の試み メールで祈祷依頼 ウェブ法要 自宅写経
 ・富士山 静かな夏 登山道閉鎖 観光に打撃
 ・クルーズ船の博多寄港拒否 福岡市が独自ルール
 ・接触通知 茨城が義務化 コロナ対策条例制定へ 店舗と利用客 双方登録
 ・都内重症者31人に 2か月半ぶり水準
 ・長野 県移住 コロナ禍で感心 首都圏で高まる 生活変化 現地見学は進まず
 ・長野 小中校で始業式 
 ・長野 安曇野、20代男性が感染 累計150人
 ・長野 お盆の新幹線利用客76%減 軽井沢-高崎間

8/20
 ・コロナ「第2波のただ中」 感染症学会理事長が見解
   舘田 博理事長は19日、都内で開かれた同学会の学術講演会の冒頭あいさつ
  で、述べた。
 ・【現場の模索】㊦ 業種ごと 予防の指針 社会・経済活動と両立
   リスク避け日常を継続。
 ・沖縄の感染拡大下火 衆院厚労委 分科会長 野党「対策不足」批判
 ・韓国でコロナ再拡大 首都圏防疫レベル引き上げ 19日、297人確認
 ・コロナワクチン年末にも 中国紙報道 2回分1万5000円で
 ・【医のねだん】PCR検査と抗原検査 症状ある人、濃厚接触者ら無料
   全額自己負担の場合 PCR検査:2万~4万円程度、抗原検査:1万~2万円程度
 ・避難所運営 半数が見直し コロナ禍 3割想定外経験
 ・大阪187人 東京186人感染
 ・大学ラグビー我慢の夏 菅平合宿中止・対外試合なし 感染リスク避け
 ・コロナアプリ あいまい表示 接触なくても・・・「濃厚接触の可能性の通知」
 ・米軍入国時の運用変更 検査結果が出るまで空港内にとどめる
 ・長野 感染者の誹謗中傷防止へ SNSなど 県が対策チーム設置
 ・長野 新たに2人感染 佐久、北信レベル2に下げ

 ・Johns Hopkins Univ. 公表情報 世界と日本の累計感染者数推移


世界の累計感染者数推移 2020.8.20現在


日本の累計感染者数推移 2020.8.20現在
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キアゲハ 2020年(1/5)孵化

2020-08-14 00:00:00 | 
 一昨年、群馬の畑からキアゲハの2-3齢幼虫を十数匹連れ帰り、飼育・観察したことがあった。畑では、アシタバの葉に、これを食べる幼虫を見つけたが、自宅では持ち帰ったアシタバから徐々に庭に生えていたミツバに切り替えて育て、ほとんどが無事羽化していった。

 この玄関脇のミツバをそのままにしておいたところ、昨年はどんどん増えて、庭はかなり見苦しい状態になってきたが、ちょっとした期待もあって、そのままにしておいた。

 今年もまたこれらのミツバが芽を出し大きくなってきていたが、7月初旬の朝、キアゲハの♀が飛来して、妻と私の目の前で、このミツバに産卵を始めた。これこそ、待っていた出来事であり、夕方帰宅後に数えてみると、16個ほどのキアゲハの卵が見つかった。

 この16個全てがこの日の朝、産み付けられたものかどうかは定かではない。前日、私たちが気が付かないうちに産んでいたかもしれないし、この日の午後に再びやってきて産卵したかもしれない。卵は1枚のミツバの葉に1個~2個産みつけられていた。そして、卵の下部のミツバの葉は一部変色していた。

キアゲハの卵(2020.7.2 撮影映像を編集)

 一昨年は幼虫を見つけて持ち帰ったので、蛹化や羽化の様子を観察・撮影できたものの、孵化の様子や、1齢幼虫の脱皮の様子を撮影することができず、やや中途半端に終わったという印象であった。今回は多くの卵を確保できたので、一連の変化を撮影してみようということになった。

 やや黄色くなってきたところで、卵を1個ミツバの葉ごと室内に取り込んでビデオ撮影した。

 ただしかし、この卵は残念なことに孵化までには至らなかった。孵化したのは、ぎりぎりまで外にあった卵である。室内に取り込み、照明をあて続けたことが原因したのかもしれないと思っている。次の映像では複数の卵で撮影した映像を組み合わせている。

 はじめ、真珠のように美しい光沢があった卵は次第に黄色くなり、さらにまっ黒になっていった。変色してきた卵の中では動きが見られるが、この部分は300倍タイムラプスで撮影した。

キアゲハの卵の変化(2020.7.2-7.10 通常撮影と、30倍、300倍タイムラプス撮影を組み合わせて編集 ) 

 卵の大きさは、直径約1.2mmの真球状である。


卵の大きさ

 産卵を目撃してから1週間後の7月9日、庭のミツバの葉上で、卵の1つから幼虫が孵化しているのが見つかった。そこで、この1齢幼虫と共に、庭にあった全ての卵を室内に持ち込んで、様子を見ながら孵化の瞬間の撮影に備えることにした。

 ミツバの茎を15-20cmほどの長さに切り、プラスチック容器の蓋に穴を開けてそこに差し込んだ状態で撮影を行った。


観察・撮影用にプラスチック容器にミツバを挿した様子(丸印内は卵)

 室内でも最初の1匹の孵化の瞬間は見逃してしまい、すでに卵から這い出しているところを見つけたのであったが、2匹目と3匹目は卵の中から穴を開けるところを撮影することができた。
 次の映像は2匹目のもので、前半卵から這い出すまでのところを通常の条件で撮影し、後半の卵の殻を食べるところは30倍のタイムラプスで撮影し、両者を編集してつなぎ合わせている。

キアゲハの孵化-1(2020.7.10 0:15-2:00 前半は標準、後半は30倍タイムラプス撮影)

 孵化後、1齢幼虫は卵の殻を丁寧に食べてしまう。食べ終わった跡を見てもほとんど痕跡が残らないほど徹底的に食べる。

 この1齢幼虫が、殻を食べ終わるとほぼ同時に、すぐ横でもう1匹の孵化が始まった。こちらは最初から30倍のタイムラプスで撮影した。

キアゲハの孵化-2(2020.7.10  2:05-5:50  30倍タイムラプス撮影後編集)

 孵化した直後の1齢幼虫の頭部はまっ黒だが、胴はまだ淡い色をしている。これが、時間が経つに従い全体に黒く変化していく。胴の中ほどには白い紋があるが、境界はあまりはっきりとしない。体長は卵の大きさ(径1.2mm)との比較でわかるが、2.5-3mm程度である。体はジャバラのように伸び縮みするので、厳密なことは判らない。


2匹目、1齢幼虫の孵化後の変化(2020.7.10 撮影映像からのキャプチャー画像)

 孵化後、卵の殻を食べ終わると、移動してミツバの葉の表面を齧るようにして食べ始める。次の映像は、屋外で最初に孵化した個体を撮影したもの。

孵化直後のキアゲハの1齢幼虫がミツバの葉の表面を齧っているところ
(2020.7.9、20:40-21:00 30倍タイムラプスで撮影後編集)

続く

 


 
 

 

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