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少子高齢化の中で高齢者はどう生きて行けば良いのか。

認知症を予防する 昔から現代へ

2018-01-06 11:47:32 | 認知症


現代では認知症は社会問題になっています。昔はどうだったのか調べていますが、データ、情報はあまり見つかりません。これを言うと知人は「昔は平均寿命が短かったので、認知症を発症する前に亡くなっている」と言っています。確かに認知症対象年齢65歳以上となれば少ないかも知れませんが、昔の物語の中には老人は登場しています。
昔にも認知症患者は生活をしていたはずです。認知症患者を示す言葉が残っています。

◇戦国時代:恍惚
恍惚とは物事に心を奪われうっとりするさまですが、実際は老人の病的に頭がぼんやりしているさまのようです。

◇江戸時代:朧げ・朧朧
朧げ(おぼろげ)はっきりしないさま
朧朧(おぼろおぼろ)ぼうっとかすんでいるさま。ぼんやり。
インパクトに欠けるが、当時はこのような認知症の方が多かったのではないでしょうか。

◇江戸時代:呆け・惚け
呆け(ぼけ)惚け(ぼけ、ぼやけ)知覚のにぶった状態になる。ぼんやりしている。
初めは老人に向けで「ぼけたな!」などと言っていたが、若い人でも動作が鈍い人に対して「ボケ!」(現代まで続く)と簡単に発するので、これが元で喧嘩などが頻繁に起こった。

◇江戸時代:耄碌
耄碌(もうろく)年をとって頭脳や身体のはたらきが おとろえること。老いぼれること。
体力、気力が衰えた人に対して「耄碌したな!」同年代の友人から言われたら「カチン」ときてそのあとは諍いなる?

※時代小説などで知る限りでは、認知症で家庭が崩壊するような話はなく、穏やかに物忘れする老人が出てくるだけだった。当時は家父長制で家長の権限は絶対で、年上を敬うのは当然の義務と考えボケた老人も家族で支えあって暮らしていたと推測される。

◇1872年(明治5年):Dementia:痴狂
痴狂:「おろか」で「くるっている」人間性を破壊するという強烈な言葉です。
明治前期における西洋文明の摂取による近代化を進める中で、西洋医学を取り入れる中で、欧米で使われていたDementiaを痴狂と訳した。

◇1908年(明治41年)Dementia:痴呆 
痴呆:記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活に支障をきたすような症状。
痴狂は最悪の言葉、訳を見直し痴呆に改訂。

◇2005年:認知症
痴は「おろか」呆は「ぼんやり」といった侮蔑的な意味合いが含まれる漢字を用いていることで、これにより、患者や家族の感情やプライドが傷つけられ、痴呆は「恥ずかしい病気」であるとの認識を生じてしまい、早期受診・早期発見の妨げになっていると考えられます。そこで厚生労働省は、痴呆にかわる用語に関する検討会を設け、平成16年12月24日に呼称変更の採択がなされその結果、行政用語が認知症に改められました。

※言葉の変遷を見ていると昔の人々も認知症に対してどう向き合えば良いか困惑しているのが伺われます。


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