湧水地は実にさりげないカタチで
実にさりげない場所に置かれていて、それは決して最上流の位置ではなく
むしろ最上流は意図的に尻切れトンボのような端部にしつらえているのが面白い。
湧水部分からの流れの方向にはすぐに歩行者路の橋がかかっており、その先の部分から本格的に流れの部分が発生している。フツーに眺めているだけだと「小川」がどこからやってくるのかわからないように「小川」の起点が巧妙に隠されているように思える。
「小川」は歩行者路の2回目のアンダーパスの後、
ステップガーデンに寄り添う形で流れていくのだが、
その段々畑のようなルーフガーデンが何故ここに創造されているのかというと、実は地下に潜るトンネルの勾配なりステップガーデンがに形成されているのである。
と同時に床の石板の端部は画一的に貼られているわけではなく、これまた意図的に土の部分と平面的に凹凸部分を形成し、小川のせせらぎの部分と人が佇むスペースの境界線を曖昧にしようと努めている。
小川とその樹木たちは南側を向いてオープンになっているアトリウム広場に対する日照と視線との緩衝帯の役割を担っているのだろう。
小川を下った先はこのようになっていて、
ここで自然な形で割栗石に吸収された水流は、歩行者路の下をくぐって、
先ほどまでの小川とは打って変わってモダンな石畳の階段の上を
換気塔W両側から挟み込むように下り、建物の東端の水盤まで至るのであった。
つづく
虎ノ門ヒルズへの長い道《05》~トラのもんの出迎え~
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