まっしゅ★たわごと

街歩き、建築、音楽、フランス、それに写真の話題を少々

新しい単語に対する興味

2005年10月31日 21時55分44秒 | ぶつぶつ
『中国でこれまで「漢城」と記されてきた韓国の首都ソウルについて、韓国側が希望している発音に近い文字をあて「首爾」と表記することになったと伝えた』

そんな記事を読んでいて思うことがある。
昔は日本も「亜米利加・英吉利・仏蘭西・独逸・露西亜」のように海外の言葉を頑張って漢字に当てはめて表記をしていたけれど、いつの頃からか音としての表現がカタカナに移行されているのが実情。複雑に絡み合う国際情勢に対する情報化の荒波の中において、全ての外来語を漢字化することは到底不可能なことだと思われるのだが、実際のところ中国は一体どうやってそれをこなしているのだろうかと不思議に思う。

また、欧州語に対しても同じような疑問を感じている。
それは新しい普通名詞に対する「性」はどの様に振り分けているのだろうかということである。例えばフランス語で携帯電話は「portable」で男性名詞、腕時計は「montre」で女性名詞である。どちらも近代の科学技術の進歩と共に生まれた道具である。文部省みたいなところで「これは男性でこれは女性」と振り分けているのだろうか?また、他の欧州の言葉と性差は出ないのか?・・・などなど疑問は尽きない。

言葉って不思議だなあと思う今日この頃。

J-POP「二人のアカボシ」に見る私的憧憬都市「東京」

2005年10月27日 22時59分47秒 | 都市
「二人のアカボシ」という歌がある。2年以上前にキンモクセイが歌ってヒットしたJ-POPである。コンセプトは「和風70年代、魅惑のシティポップス」とのこと。
歌いだしは

♪夜明けの街 今はこんなに
 静かなのにこれからまた始まるんだね
 眠る埋立地(うみべ)の化学工場の
 煙突に星が一つ二つ吸い込まれ
 沢山並んだ街の蛍たちも
 始まる今日に負けて見えなくなってゆく・・・


これをいちばん最初に聴いたときは「都市風景を歌ってこんなに萌える歌があっただろうか」と、いたく感動したものである。
そして、サビの部分で

♪あの高速道路の橋を
 駆け抜けて君連れたまま・・・

と続くのだが、実はこの歌詞に「東京」という街を重ね合わさずには居られないのである。ここで私の心を捉えたのは「高速道路の橋」というくだりである。陸橋なのか?否、私の心に浮かぶ風景は掘割の中を走る首都高速道路の真上を、地面を走る一般道路が渡っている風景なのだ。

更に次の歌詞で

♪見渡せば青続く信号機が・・・

「夜明けまで過ごせて、(その当時)埋立地の化学工場の煙が見えて、直線方向に信号機が見えて、なおかつ、首都高を渡る橋を駆け抜けて行ける場所」に思いを馳せる。状況証拠を積み重ねていくと、一つの場所に行き当たる。きっと舞台は銀座に違いない。

そんな思いを胸に抱きながら、ここんとこ帰宅途中にこの歌を繰り返し繰り返し聴いている私・・・また東京の街を探訪しに行きたいものである。

ちなみに2番のサビにもググっとくるのでご紹介

♪また今日も汚れてく街は蝕む煙を吐き出す・・・

ね、いいっしょ?

ザ・パントマイマー!!

2005年10月25日 23時59分11秒 | 都市

たぶんタイトルの表現は誤り。本当はなんて言うんだろうこういう人。パントマイマン?パントマイム師?パントマイム氏??

     

梅田の茶屋町に新しくできた商業施設「NU」を見に行ったら通り抜けのアーケードの出口に突っ立っていた。よくみると、微妙に動いている・・・。

     

氏はおもむろに鞄を持ち上げ機械人形のような動きをしている。鞄には「LOFT」のシールが・・・そう、後ろには黄色ずくめのお姉ちゃんが黄色い旗を持って立っている。彼は、目と鼻の先に出来たNUの客に、LOFTが遣わした刺客(?)なのである。

     

一連の動作を終えると、氏は急ににこやかに愛想を振りまいて、何の前フリも無く小走りにロフトの方に逃げていったのである。周囲からは「エ゛エ゛エ゛ッ!!!」と驚愕の声が上がったのは言うまでも無い。


兵庫県立芸術文化センターへ「こけら落し公演」を見に行く

2005年10月24日 23時28分43秒 | 建築

何よりもまず驚いたのが、目的の施設が最寄の阪急西宮北口駅から屋根付きのペデストリアンデッキで直結されていたということ。ただ直結されていただけでなく、通路の右側にはコナミスポーツセンター(建設中、来春竣工)があり、左側には飲食店(営業中)が並んでいることである。これならば、ちょっとした暴風雨でも雨に濡れずに会場に足を運べるというものである。

     

次に驚いたのが、エントランスホールの贅沢な創りである。少なくとも関西の芸術劇場でスペース的にも意匠的にも、これだけ贅の限りを尽くしたようなエントランスを備えているホールを私は見たことは無い。

     

正直言って、このエントランスの吹き抜け空間を一目見た瞬間「やられたー!」って思った。階段の両脇を固める細い列柱群が、重厚な外観と繊細な内部空間の均衡を守っているような気がした。

     

見上げれば、共通ロビーへ来訪者を誘うかのような不思議な天井が我々を見下ろしている。共通ロビーは奥行きのある直方体の空間で左手には小ホールへ昇るエスカレーターが、正面には格子状の扉で隔てられた中ホールへの入り口が、そして、右手には大ホールに繋がるホワイエがある。

     

ホワイエは手前側と奥側に上階に続く昇降経路があり、左手がホール入り口、右手が駅前へ続くペデストリアンデッキになっている。この空間の動線計画が秀逸なのは、開演前来館者はこの撮影位置から係員の改札を経てホワイエに至るのに対し、終演後は右手のデッキ側のガラス戸が開放されて最短コースで外部に至ることができることである。

     

最上階である4階廊下の天井の高さは、安藤忠雄氏が設計した神戸の兵庫県立美術館を彷彿とさせるものがあるが、それとは違う温かみを感じるのは木目調に統一されたコンクリートの打放しとふんだんに使われている表情豊かな木製の建材の調和によるものだということは一目瞭然である。

        

一緒に訪れた、しんの字とも話をしていたのだが、設計は1人の建築家によるものではなく、おそらく大手の組織設計事務所であると思われる。個の我が出ていないのに、それぞれの空間が自分の持ち味を充分に発揮しているように思われる。

     

それでいて、建築家、前川國男氏が設計した東京文化会館や京都会館を思い出させるような、懐かしい感じを醸し出していることに、一つの建物としてとても魅力を感じている。

     

また、3階廊下からは屋上庭園に出ることができ、開演前のひと時をベンチに座りながら街の風景を少し高いところから眺めることができる。少し高いと言っても向かいにはすぐ建物があり眺望は全く無いが、ここに出ることによって「街の中」に自分が居ることを改めて感じることができる仕組みになっている。開演前の胸の高まった状態で街と向き合う体験、私はそこにいつもと違った街の景色を見たような気がした。

     

小ホール側(?)のデッキスペース。行けそうで行けない妙な距離感がドラクエチックで素敵♪

     

で、実際の演奏はと言うと、全体的に音色がボケている上にダイナミクスに欠けているためか、胸にググっと来るものは無かった。まだ、楽団員もホールも本来の実力を発揮できていないような公演だったが、これからどんどん成長していく可能性を秘めたオーケストラなのかなと思う。残響2秒の素晴らしいホールと音楽監督である佐渡裕氏の指導があれば、日本一のオーケストラになることも夢ではないと思った。


JR大阪駅ホーム改良工事の現状

2005年10月23日 01時16分18秒 | 都市

大阪駅のホーム改良工事は現在、環状線を除く全てのホームで順次実施される予定であるが、10月16日の3番4番線ホームが新ホームで供用開始されたことによって、下り線の工事は全て完了したことになる。現在は旧3番4番ホームを上り線の5番6番ホームとして使用出来るように改良中である。

大阪駅は、長距離列車の発着主要駅であるという国鉄創設時代における配線を受け継いだレールの配線・分岐設備のため、ホーム発着の制限速度がかなり制限されている。これを現在のアーバンネットワークを中心とした配線に切り替え、ホームへの入場出場の速度制限を大幅に引き上げる方向で工事が進められている。

     

まず、国鉄時代からあった下り用の3本のホームを2本に減らし、残りのホームを改良しながら一本ずつ配線をずらしていくという工程を採用。このため。上のイメージ図のように、高速運転を強いられる新快速電車の出場がよりスムーズになった。更には最終的にホーム一本分の余剰スペースが出来るために、北梅田地区及びアクティ大阪付近の開発と絡んで行われる新しい駅ビルの用地確保にも貢献することになっている。

     

     ↑新快速ホームより尼崎方面を望む

更に、駅構内も現在は幾つもの小規模な階段によって改札階とホームの間に中間階があるため、より複雑な動線を呈しているが、これもホーム改良と同時に簡潔なコンコースとして生まれ変わりつつある。

     

大阪駅もやっと近代的な駅になりつつある予感がする。これはこれでいいのだが、若干懐古趣味のある私にとっては、ハリボテの新しい駅構内よりも石造りで重厚な趣のある空間が失われていくことがまた寂しかったりもするのである。    


堺市、悲願の「政令指定都市」閣議決定!

2005年10月21日 23時33分09秒 | 都市
「10月21日午前に行われた閣議において、堺市を政令指定都市に指定することが決定された。これにより、来年4月の堺市の政令指定都市への移行が決定。平成18年4月1日、全国で15番目の政令指定都市・堺が誕生することになる」・・・らしい。

堺市は関西圏では姫路市・高槻市・東大阪市・奈良市・和歌山市と共に中核市に指定されており、特に昔から政令指定都市への移行を望んでいたので、まさに悲願達成と言ったところなのだろう。今回の閣議決定の要因として、以前行われた美原町との合併で人口が規定の水準に上がったことが考えられる。

ちなみに、姫路市は各町名に「○○区」という言葉を関した名を意図的に配しているので、一見すると「区がある→政令指定都市?」と思われがちだが、残念ながら実態としての行政区は存在していない。中核市は政令指定都市程の権限委譲はされていないが、政令市の下位ランクとして、将来的に政令指定都市になりうる要素を含んでいる都市なのである。

現在、堺市の「ルネサンス計画 骨子案」の重点施策(平成18年度~21年度)の中で挙げられている「LRTによる東西鉄軌道の整備(堺東駅から堺駅間を先行)に着手」というのは、既に堺浜の実験線において、フランスのロール社製のLRTを輸入し試験走行を行っているらしいので、是非とも実現してもらいたいものである。

唐揚げ定食とウエイトレスの狭間で・・・

2005年10月18日 23時25分09秒 | ぶつぶつ
その日はとても遅い昼ごはんになったので、いつも並んでいて入れない店に行った。和風ともアジアン風ともつかないいい感じの店の内装と、質の高い調理もさることながら、ウエイトレスの姉ちゃんがとてもキュート(死語??)なのである。

それはさておき、未だかつてオーダーしたことのない唐揚げ定食を頼んでみる。私は鶏肉の皮の部分が滅法好きなので、なぜかしら唐揚げは皮のついた向きから好んで口に入れる習性があるらしい。その日も私は迷わずそうしたのだ。

一口めを口に含み上の歯で衣を圧して噛み切ったその刹那、口内にジュワーっと広がる高温の油・・・アフッ!!

美しきウエイトレスが傍を通るその場所で、一度口に含んだ肉塊を外に戻すか、口内で転がしながら覚ますか、理性と本能の意味のない攻防が繰り広げられた。その結果、私の上アゴの薄皮は捲れ上がり一日半経った今も、口内に若干の腫れと痛みを抱えている状態に陥ってしまったのである。

食欲の秋の日々に、熱いものと辛いものと酸味の強いものが痛くて食べられないこの「哀しさ」「悔しさ」「至らなさ」はまさに痛恨の極み・・・(泣)

皆様、アツアツの唐揚げとウエイトレスに御注意ヲ!!

「読書の秋」事始め~豊穣の海~

2005年10月16日 19時29分17秒 | ぶつぶつ
先日、通勤の地下鉄の車内で文庫版の小説を熱心に読み耽る小柄なOLと隣り合った。背の高い私からは否が応でも活字の内容は見えてしまうもので、その活字の断片を目で追ってみると、その美しい日本語に圧倒される。

「何て本だろう?」

そう思いページの上方に目をやると、書籍のタイトルが各ページ毎に横書きで記されていた。

『豊饒の海』
「なるほど、三島由紀夫かぁ・・・」

ってことで、久々に美しい日本語と触れ合いたくなり本日、「第一部 春の海」を購入。そういえば、この物語って妻夫木聡と竹内結子出演で映画化されているやつやん!!

そのOLさんは登場人物の聡子(竹内結子)を自身に置き換えて読んでいるのだろうし、きっと私も主人公(妻夫木聡)を自身に置き換えて読み耽っていくのであろう。美しすぎる活字の中で竹内結子と・・・ウフ。そんな秋の夜長なんてのもいいのかも♪