某グランフロント大阪某棟某階にある某近畿大学水産研究所。
開店時間の午後5時に遅れることおよそ30分、すでに店先には10余人ほどの近畿大学水産研究所の卒業生たちをタラフク食わんとする人たちの順番待ちの列があった。
まずは、つきだし。このつきだし美味しい!味も魚の身の柔らかさも素敵である。入店後遅れてやってくる知人が到着するまでオーダーを待ってくれてしかも、時間制限なしとのことなので有り難い。
近大マグロとアボカドのタルタル最中。
近大マグロとアボカドを色とりどりの真珠に見せかけたような粋な演出。台座のような器もまた良いね。見ても食べても2度美味しいし、最中もしっかりとした香ばしい生地で美味しかったよ。
近大マグロと選抜鮮魚のお造り盛り。
これらの魚たちが全て近大水産研究所卒であることを証明した卒業証書が面白い。しかも日付入りでお持ち帰り可だとか。トロは期待に胸が膨らみ過ぎたきらいがあったが、それでもわさびと刺身醤油との相性は抜群で何とも言えない風味がしたよ。特にお気に入りは縞鯵(しまあじ)で脂がのっていて甘くて美味しかった。
居酒屋さん感覚で一気に頼んだら、一気に出てきた。オーダーしてからオーダーが通るまでの時間がびっくりするくらい短いのもここのウリなのかもしれない。次回からは時間差でオーダーする方が良いかもしれないなと思った。
縞鯵と茗荷の海苔巻きお造り。
想像したよりググッと小じんまりした食べ物だなあと思ったけれど、茗荷の風味とソース状に盛りつけられた味噌ソースとの相性が良い感じ。
鰤かまの塩焼き。
料理のクオリティもさることながら、まずは何よりも店員さんの動きが素晴らしい。店名からして近大卒業生からの「君、現役の近大生?」「近大卒?」みたいなコアな質問にも見事に受け答えをし、客が南高梅ぼしサワーの梅を誤ってテーブルにこぼしたりしようものなら、どこからともなくササっと冷たい御絞りがアルバイト店員から差し出されるのである。それが、ちょっといちばん奥まった位置にあるテーブルに対しても同様なのだ。カウンター席とテーブル席を見渡せる位置に司令塔のようなスーツのおじさまが常に立っていて、どこかで手が上がったりすると、すばやく近くにいる店員に知らせ、知らされた店員はすばやくお客様の元に進み出るというしくみになっているのだが、某居酒屋チェーンのように大きな掛け声などがなく、すごく静かに行われるのできっと気が付いていない客もいるのではないかと思う。これはなかなか良いサービスだね。
山椒香る和歌山しらすピザ。
友人氏曰く「チーズのベッドの上で山椒としらすが
まぐわう・・・云々」と言っていた。。。うーん。
海鮮巻き寿司。
そしてその後ろにあるのは「和歌山の郷土料理めはり寿司」の夢の跡。めはり寿司がなかなかの美味しさだった。
途中、用をたすべく店の出口に出たときにあと1組の待ち客がいて、用が済んで帰ってきたときには待ち客がゼロになっていたかわりに店の入り口には「本日、品切れのため営業終了しました」との案内が。おそらく、さっきの待ち客の入店後の案内だとは思うが、それからしばらくは店員さんから「ラストオーダー」を告げられなかったので客のオーダーを賄うだけの食材は残っているということなのだろうと思った。
入店前は事前にインターネットで調べると6/1付で「7月末までの予約席は全て完売」とのアナウンスがあり、当日席は50席のみ用意しているとの案内があった。文面だけみると『あと50席しかないのかぁ』という焦燥感を感じるが実は予約席数はあまり多くないようである。ちなみに予約席はコース料理のみのオーダーとなっていてアラカルトからの注文ができないシステムになっている。店内を見渡すと先の司令塔から見渡せるテーブル席とカウンター席の総計がおよそ50席、その奥にある通路の右手が厨房で左手におよそ15名ほどを収容できる鍋コース用の予約席があると思われる。
ともあれ、「品切れとなったら入店拒否」など未入店の客、無予約の客には辛らつであるが、入店後の客へのもてなしは惜しまない店だと思う。ある意味話題作りとか戦略的で面白いなあとも思った。
まだオーダーしていない料理もあるのでまた機会を見つけて行きたいなと思った。