カテゴリーは厳密に言えば「六甲・まや」でも「夙川」でもなく「東灘」になるのだろうけれど、随分前から気になっていたお店で苦楽園にある茶家で日本茶をすすり、先週「いろは」に行って改めて日本茶をカフェで嗜むことに喜びを覚えた私たちは、朝からの「摩耶ケーブルリニューアル出発式→掬星台→桜のトンネル→夙川でお花見」というスケジュールの締めくくりに途中下車をして「阪急岡本駅」界隈を歩いてみることにした。もちろん目的は「一日(ひとひ)」である。この店は「いろは」の店主が直前までの3年間をここで働いていたというお店でもあるので、きっと同じようなテイストなのだろうと思って、とうとう行くことにしたのである。(やっぱお店の雰囲気とか大切だから『ちょっとこれはなぁ』という雰囲気のお店はNG。だけどここは居心地が良さそうだったのでずっと行きたかったのだが、岡本に赴く用事がなかったというのが正直なところである)
私の方が最近甘味を制限しているので、お茶2つとどら焼き1つをオーダーしたら、さりげなくフォークを2つつけてくださりホッコリした気分になった。
たまたま空いている席がカウンターだったのだけれども店主のオジサンが絶妙なタイミングで話に入ってくる。「どら焼きの焼き色がいいね」って話をしていたら「いい焼き色でしょ。2つに割ってみると気泡が縦に並んでいてとても綺麗だよ。生地はどこどこに作ってもらっていて、桜餡もどこどこの和菓子屋さんに作ってもらっている」とか、「フロイン堂」の話をしていたら「あそこはパンの焼き時間が決まっているから朝イチに行っても必ずしも希望のパンを置いていない場合があるので、予約してから行った方がいい」といって焼き時間を書いたフロイン堂のチラシをくれたり、「どこから来たの?あぁ、六甲!?この店知ってる??」と言って「いろは」のショップカードを見せてくれたり、とにかく人懐っこいし、語りに嫌味がない。
個人的には岡本の石畳のこじんまりとしたエリアにぎっしりと魅力的な飲食店があるのに、阪急六甲は今一つ魅力的な界隈が少ないと思っていて、六甲も岡本も同じように学生がたくさんいる街なのに不思議やなぁって話をおっちゃんにしたら「ここの人たちは学生相手に仕事してないからね」と仰っておられた。学生さんは素通りでね、松屋とかは学生相手かもしれんけどってね。かっけぇ!!いやあ心意気に惚れたというか、ほんとまた行きたくなったのは間違いない。一度行っただけなのに、このお店のファンになってしまった気がする。