まっしゅ★たわごと

街歩き、建築、音楽、フランス、それに写真の話題を少々

ボンジュール北京05【~明十三稜へ:CMに始まりCMに終わる話~】

2006年10月24日 00時01分32秒 | 都市

[前回までのあらすじ]

意気揚々と登頂した万里の頂上・・・いや、長城。人工衛星からも唯一確認の出来る人工構造物をリアルで体感できた私。残念ながら滞在時間はわずか1時間30分しかなかったが、美人ツアーガイドと美人ツアー客に囲まれご満悦の様子。

てなわけで、「ボンジュール北京」第五話はここから始まる・・・。

美しい建築物で撮影が行われるAQUOSのCMはの中で、実は万里の長城の近くのとある宿泊施設が使われているのは御存知だろうか?実は、旅行を計画している当初、そこに一泊する案も考えていて情報収集をしていたのであるが、当施設のサイトにアクセスするや否や、それがほとんど不可能であることを思い知らされ断念するに至ったという経緯がある。

その名も「コミューン・バイ・ザ・グレートウォール」。日本人の建築家である隈研吾氏が竹をモチーフにして設計した「竹屋」を初めとするいくつものコテージ群が様々な建築家のコラボレーションによって形成されている一大リゾート地になっているのである。上記サイトから予約フォームにもリンクできるので興味有る方はどうぞ。あと、イロイロ探している中で見つけたサイトもご紹介。こういうパッケージもあるので、これもまた一緒にどうぞ。

公式HP:http://www.commune.com.cn/

あるHP:http://media.excite.co.jp/ism/extra/changcheng/beijing01.html

11時前くらいには八達嶺長城を出発するのであるが、ちょうどこの時間が入館者のピークみたいで道には車と人がごった返している。しかも中国の人々の道路交通法に対するマナーは最悪である。道路上だけでなく駐車場内でも同じ話で、観光用の大型バスが通路に堂々とはみ出していて車が出られないという事態まで引き起こしている。我々の乗っているワゴンがちょうどそういう状況に陥って、10分くらい運転手さんがスッタモンダした挙句、やっとバスの運転手が車両をバックさせてくれたという顛末。こういうモラルの欠如という体質を見ていると、些か再来年のオリンピックまでには体質改善をしないとイロイロな面で国際協調が図れないのではないかと心配になる。

次の目的地である明十三稜の地下宮殿に向かう行程の中で、国営の巨大な土産物屋で場所で休憩する。隣接して食事処が有り、全ての団体観光客がここで昼飯を食べるようになっているみたい。丸いテーブルに座ると自動的に皿に盛り付けられた何品もの料理・お酒・御飯・味噌汁・お茶が出される。

土産物屋には、日本人向けに高麗人参味のプリッツだとか、何チャラ味のコロンなどが販売されている他、一昔前のパッケージのマイルドセブンや、お酒・薬・翡翠・シルクの衣料品など、土産になりそうなものは一通り何でも置いていた。しかも日本円が使える場所もあるので有難い。

個人的に「いいなあ!」と思ったのが、上の写真の真ん中手前にある容器。ピカピカの商品と同列に置かれていることに違和感を覚えるも、私にはコレがいちばん輝いて見えた。手にとってひっくり返して値札シールを見ると、周りの容器の倍の値が書き込まれていた。(日本円に換算しても万単位やった)

「ここで買わなければ後悔するか?」と自問したが、購入したあと自室での陳列の風景を想像できなかったので写真だけ撮って、買わないで帰ってきた。ツアーだけ有って、さすがイロイロな土産物屋に連れて行かれるが、自分の使えるお小遣いのある(それは独身である私も含めて)人には、見識を広げるための経験になっているのかなあと思った。そう、ツアーも悪くはないもんだ。

明十三稜は明の時代の皇帝が埋葬されているという地下宮殿である。そのうちの一つの墓だけが発掘され一般公開されている。しかし、発掘された宝物類のほとんどは修復・保存技術の乏しい中国においては、そのほとんどが酸化し腐ってしまったために、残る十二稜の発掘作業は中止しているという。中国が埋蔵品の保存技術が向上した際に、また発掘作業を再開するという賢明な措置を行っている。ちなみに、地下に安置されている棺類は全て模造品で、これらは文化大革命の際に廃棄されてしまったという。

こういう話も、ただただガイド本を読んでいても、中国史に興味の無い私の頭には全く入って来なかったのだけれども、人の声を介してみると意外にちゃんと覚えていて、ものすごく勉強になっているのが、これまた嬉しい話である。

上の2枚の写真、この部分だけアップで見せられると私は、どこの写真なのか識別できないだろう。天安門のそれと、故宮博物院のそれと、ここのそれは皆どれもディティールが同じなのである。少なくとも私にはそう見える。中国の民には違って見えるのであろうか?

これも故宮博物院と同じで門の構造が「ヨコ勝ち」になっている。(既出の「ボンジュール北京03」の故宮博物院の閉門間近の写真と見比べてもらったらわかると思う。)同じ系統の統治によるものなのだから同じになるのは仕方がないが、本当は同じようで日本の神社のように微妙に様式や造りが違ってたりするのだろうか?

皇帝を龍と模し、皇后を鳳凰と模し、対にしてデザインされたものが中国には数多くある。そして、この龍もそうなのか?と思ったら、このデザインの龍は何故か、いつも単体で存在している。しかも両手両足をバタつかせているようにも見え、とてもコミカルで楽しそうにも見える。一体この龍は??

そして、十三稜の敷地内で何度も見かけた、このカップルのゴミ箱。差し当たって「燃えるゴミ」と「燃えないゴミ」と言ったところだろうか?さて、この場合、どちらが「燃えるゴミ」でどちらが「燃えないゴミ」なのであろうか?やっぱ、回収可能な方が「燃えないゴミ」?

「異文化をコミュニケーション」というコトバを某英会話教室のCMで知ったのだけれども、異なった文化を知るという行為は、本当に大変なことなんだなと思う。同じアジアで同じような記号(漢字)を言語として用いているのに不思議なものである。

[つづく]