まっしゅ★たわごと

街歩き、建築、音楽、フランス、それに写真の話題を少々

ボンジュール北京01【~その先の第一歩~】

2006年10月18日 21時11分47秒 | 都市

<まえがき>

HP上での更新をと思っていたけど、ブログに慣れてしまうとHPでの作業がとてつもなく面倒臭く感じられ、そうこうしているうちに旅行記をまとめる時期を逸してしまう恐れがあるので、ブログ上で披露させてもらうことにした。

てなわけで、「ボンジュール北京」第一話はここから始まる・・・。

10時発の北京行きに搭乗すべく、ちょっと早めの8時37分に関西空港に到着する。充分に余裕が有るので、途中免税店に立ち寄ったりフラフラしながらゲート前の待合室に辿り着く。今回はスマートeチケットだったのでカウンター前の機械にカードを入れてパスポートを挿入するだけで、搭乗券がサッと出てきた。更に機内持込のたった一つのリュックが携行品だったので、一連の手続きもなく簡単に通過できた。ただ、いつもX線検査でひっかかる「カメラ」の指摘がなかったのが、ちょっと拍子抜けだった。

搭乗口の前にいる私。時間は午前9時30分である。これからわずか4時間後には天安門広場の前にいるかもしれない自分がとても信じられなかった。本当に今回ほど空の旅に対してリアルな実感が沸かない旅行はない。何故だろう、この不思議な感触は?

目の前には、本日搭乗予定の機体が出発の準備をしている。実は私、4基搭エンジンのジャンボジェットに乗り慣れているためか、この2基搭エンジンのタイプの旅客機は苦手なのである。どうもジャンボジェットと比べると滑走後、飛び立ったときに感じるGが強烈なのである。つまり平面軸に対する加速度よりも上昇軸の加速度の方が大きく感じられるのである。

実際の離陸は到着機の混雑などで30分遅れた。でまあ、適度な緊張感を含んで離陸を待っていたのだけれども、実際飛び立ってしまうと今回は「自分が想像していた」程のGが感じられず拍子抜けしてしまった。まあ、それはそれで嬉しいことなんだけどね。

GW時の絶不調で臨んだ「北京→関空」のフライトは大概長いと感じられたが、「陽当たり良好な」気分で臨むと、これがなかなか快適な時間で機内食を食べ、映画「イルマーレ」を見て感動し、テレビゲームをして気がついたら、まもなく北京首都空港へ降下を始めるといった感じであった。上空から見下ろす首都空港周辺は規則的にならんだ色気の無い集合住宅群や、いかにもと言った貧しい街並みが続いていた。

飛行機を降りて、入国審査場に向かう私。この道も半年前は、床を這うかのような気分で歩いたものであるが、違った気分で歩くとまた空港内の印象も違って見えるものである。ただ、北京の空港は全体的に照明の照度が低く、検疫~入国審査場付近の暗さは旅人の意気を萎えさせる効果を与えているような気がしないでもない。

空港内の銀行で両替をする。2万円出して1274.54元を得る。関空の免税品売り場付近にあった泉州銀行のレートだと1元=16.88円だったから、大して安いというわけでもない。

北京駅までのエアポートバスに乗り込む。そう、ココから先の話がタイトルの【その先の第一歩】なのである。前回の北京滞在時には垣間見る事すら出来なかった外の世界の見聞録なのである。

市内方面行きはどの系統に乗っても一律16元だという。日本円に換算するとおよそ240円くらい。これで1時間30分の乗車時間である上に高速代が含まれていることを考えると破格の値段だと思った。ちなみにタクシーだと120~150元くらいかかるという。

値段は安いのだけど、その分バスもボロい。座席のうち三分の一ほどの背もたれが後ろにひっくり返ったままになっていて元に戻らない。だから有る席の人は不自然に後ろに反り返って座らなければならず、その後ろの座席の人は・・・いや、その後ろは人が座れないくらい狭い。さらに、中国人特有の荒い運転とクラクションと舗装上体の悪い道で「嗚呼!発展途上のアジアにいる私!」というとんでもない感動を得る事ができるのである。

バスは高速道路を降りると途中のバス停で3回止まる。3回とも到着する直前に運転手の肉声でアナウンスが流れるのであるが、なぜかマイクにはエコーがかかっている。まるで、日本の観光バスのカラオケ機能のようである。まさか・・・。

そして、4度目のアナウンスが流れたかと思うとエンジンが切られ乗客が次々に席を立ち始めた。おそらく終点の北京駅前らしい。でもどこを見渡しても駅前には見えない。仕方がないのでバスを降りるとそこには、我々を待つ人の群れがあった。どうやら彼等は我々に名刺大のカードの束を渡そうとしている。拒否しても空いている手の平に強引に握らせ、また拒否しても勝手にありとあらゆるポケットに、それらを突っ込んでくるのである。

名刺大の怪しいカードというとどうしても風俗系の名刺を想像してしまうが、このカードはどうやら、国内旅行のチケットを格安料金で手配してくれる人たちの名刺らしい。実際にここらに電話して手配して貰うと安くチケットが手に入るらしい。但し、世間一般の中国語か英語で意思伝達が出来ればの話であるが・・・。

とにかくバスを降りてみても全くどこにいるのか皆目検討がつかない。感覚的にこの道路は北東方面と南西方面とを結んでいる(つまり碁盤目状の街並みに対して斜めに取り付いている)道路なのではと思ったので、事前に頭に入れておいた地図の記憶を頼りに適当に辺りを付けていざ、天安門広場に向かって進んでみるべく、おもむろに歩き出す私であった。

[つづく]