とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

書評『「働き方改革」の嘘 誰が得をして、誰が苦しむのか』(著者:久原穏) 

2018-10-08 11:06:24 | 読書
 「働き方改革」の真実を追求した本である。

 「働き方改革」というのは労働者のための改革のようなことを政府は言う。労働時間の短縮や自由裁量の拡大など、これまでの硬直した労働環境を改善するようなものとして説明されている。しかし、なぜこの人手不足の状況で声高に叫ばれているのか、不思議に思うことが多くあった。だから「働き方改革」という政策は、以前からうさん臭いものだと思っていた。

 この本を読むと「働き方改革」という政策は実際には財界の利益のためのものであり、労働者が楽になるものではないことがわかる。政府側の主張とは逆、労働者の賃金は減り、労働時間は増える結果になりかねないのである。少子高齢化が進む以上、労働者の賃金が減り、労働時間が増えるのが当然の帰結であり、それをごまかそうとするごまかし政策であるのはあきらかである。安倍政権は経済界のいいなりになって政策を推し進め、それをごまかしの理由付けをおこなっている。しかも数の力で強引に推し進める。国民はもっとよく見て考えなければいけないと思わされた。

 我々が一番知りたいのは、この改革がどのような「大きな絵」を描いたものかということである。政府にもそれが見えていないのか、それとも見えていながら隠しているのか。それが見える本を次に期待したい。
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1 コメント

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はじめまして (夕螺)
2018-10-08 17:56:55
「働き方改革」ではなくて、労働の規制緩をとして企業にとっての「働かせ方改革」ですね。
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