とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

NTLIVE「ザ・モーティヴ&ザ・キュー」を見ました。

2024-07-15 04:52:33 | 高校国語改革
イギリスの舞台をそのまま収録し、映画館で上映するナショナル・シアター・ライブの作品 「ザ・モーティヴ&ザ・キュー」を見ました。重要な近代劇の「事件」を演劇化した演劇人のための演劇であり、演劇の意義を考えさせる好作品です。

1964年にブロードウェイで『ハムレット』が上演されました。主演はエリザベス・テイラーと結婚したばかりのリチャード・バートンです。そして演出はジョン・ギールグッドというベテランの役者です。ギールグッドはシェイクスピア俳優と言ってもいい存在です。バートンとギールグッドの演劇観は真逆であり対立します。感情を表に出しやや誇張した演技をするか、感情を抑え微妙な心のひだを表出する演技をするかの対立です。

この対立は今でも同じように存在します。従来の大きな表現による演劇もさかんですが、日本でも「静かな演劇」が流行し、静かな語りによる演劇が多く上演されるようになりました。それぞれにはそれぞれのよさがあり、これによって演劇のバリエーションが広がりました。演劇に限らず、映画やテレビドラマでも、あるいは文芸作品でも同じような対立があり、それが表現の幅を広げているのです。

演劇とは何か、演技とは何か、そして表現とは何かその本質にせまる作品です。
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