8月4日の夜、宮城県大河原町「えずこホール」で上演された『命、ギガ長ス』を見ました。松尾スズキさんのプロデュース公演です。安藤玉恵と松尾スズキの二人芝居。えずこホールの舞台の上に客席と小舞台を作って、小劇場のような狭い空間を使っての公演です。
内容は認知症の母とアル中のニート息子を若手の女性の学生ドキュメンタリー作家が取材するという話で、そこに女学生とゼミの教授との不倫が絡んでくるというものです。最下層の生活する親子ではあるが、実は最下層を演じていることがわかり、それぞれが表と裏を駆使して絡み合います。
人間には裏と表があり、時にそれが日常を混乱させます。そんな混乱を笑いの中で表していきます。ばかばかしさにあきれながら、実はこころにずきずき響いてくる芝居でした。
この芝居の途中、震度4の地震があり中断してしまいました。茫然としている安藤さんと松尾さんの素の姿が不思議なリアリティがありました。想定外の表と裏も見せていただき、ちょっと得したような気持ちにもなりました。