とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

夏目漱石『こころ』の授業(『こころ』シリーズ⑨)

2018-01-06 17:33:55 | 『こころ』
 高校の現代文の授業の定番『こころ』の授業実践のレポートです。

 『こころ』はどうやってもわりとうまくいく教材ですが、私はただ普通に授業をするよりも、より自主的に読むためにはどうすればいいかを考え、グループ発表型の授業にしています。ひとつのグループがひとつの章を受け持ち、教師の代わりに授業をするというものです。これは伝統的に行われている手法なので、実践している方も多いのではないかと思いますが、私なりにアレンジして実践しています。新学習指導要領の提唱する「主体的、対話的な深い学び」のためには、いい実践ではないかと考えています。

【授業の方法】
 生徒が教師となって授業をする。

 ・4人1組の班をつくり、班に1章ずつ割り振り、授業をしてもらう。

 ・班に割り振られるのは、現代文の教科書に載っている下の40章から48章まで。授業の前までに計画的に読書させ、一度通読させている。(本校の生徒の場合、これがけっこう苦労する。宿題に出し、要約させたり、内容にかかわるクイズを出したり、読ませる工夫をいろいろしている。)

 ・授業の内容は、与えられた章から問題を2つ出し、それについて班で意見を出してもらい、最終的に解答を導き出す。

 ・授業をする班は、文章をよく読み、問題となるところを見つけて、それに対する予想されるいくつかの答えと正解を準備しておく。

 ・問題を作るときのポイント
  ○すぐに答えのでるような問題ではなく、簡単には答えのでないような問題を考える。
  ○しかし、根拠を持った解答を用意できるようなものを作る。
  ○解答例を作るときは必ず根拠を明確にすること。
  ○予想される他の答えを二つは用意しておくこと。
  ○根拠のある新解釈を評価したい。

 ・授業が始まったら、班のメンバーが全員黒板の前に立ち、授業を進行する。
  ①章の朗読
  ②問題の提示
  ③各自で考える時間3分
  ④班で考える時間3分
  ⑤各班から答えを募る。討議
  ⑥教師役の班が最終的な正解を板書し、質問を受け付ける。
  ⑦振り返りをして終了。

【留意点】
 この授業をする以前から、グループ学習は頻繁に行い、グループで協力することに慣れさせておきました。もちろん小学校、中学校でもグループ学習には慣れていると思われます。以前よりもグループでの活動には抵抗がないように思われます。

 また、人前で話すことも計画的に行ってきました。人前で話すことは苦手な生徒もいると思いますが、最近の生徒はあまり物おじしませんし、露骨にいやがる態度にはなる生徒はいません。生徒なりに活動できるようです。

 まったく意見がでないことがあることを危惧し、授業全体を通して1人1回の発言を義務付けました。しかし、結局発言しなかった生徒もいました。生徒の自主性を待つべきだったのかもしれませんし、このあたりはどうしたらいいのかまだわかりません。
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