バーニャカウダ （風） ソースの作り方

先日、「ねぎカッキグラタン」 のレシピをご紹介したところ、
ある方から、「お手製のバーニャカウダソース」 のほうの作り方も教えてほしい、
とのご依頼をいただきましたので、簡単にご説明したいと思います。
ただ、ちょっと調べてみたらそもそも私が作っているものが、
「バーニャカウダ」 なのかということも怪しくなってまいりました。
まずはその点の釈明から始めさせて下さい。

このソースを作るようになったのはもうずいぶん昔のことです。
５年以上前、妻が川崎に住んでいた頃、
わりとよく行っていたイタリアンレストランがありました。
そこでよく注文していたのが温野菜なのですが、
それに温かいソースがついてきたのです。
メニューに 「バーニャカウダ」 と書いてあったかどうか記憶が定かではありません。
最近ではバーニャカウダという言葉はどこでもよく聞かれるようになってきましたが、
当時はそんな言葉は人口に膾炙していませんでした （みんな読めるかな？）。
とにかく、そのソースで野菜を食べるのが美味しくて、
何回目かのときにフロアの店員さんに思い切って、
「このソースどうやって作るんですか？」 と聞いてみたのです。
その人は 「少々お待ち下さい」 と言って厨房に消えていきました。
それからしばらく戻ってこなかったので、
妻と２人で 「教えてくれるわけないよね」 と話していたのですが、
戻ってきたら彼女は小さなメモ書きをもっていて、こちらになりますと渡してくれたのです。
それが我が家に伝わる 「温野菜用ソース」 のレシピです。
家で作ってみたらちょっとお店で食べたのとは違う感じがしましたが、
十分美味しかったのでその後ずっとそれで作っています。
その後 「バーニャカウダ」 という概念が流布するようになって、
我が家ではあのソースのことをバーニャカウダと呼ぶようになりましたが、
本来バーニャカウダはこんなふうに作るらしいです （ブログ参照）。
材料がちょっと違っており、出来上がりの見た目も全然違っていますので、
たぶんうちのやつはバーニャカウダではないんではないかと思いますが、
正しいレシピよりは簡単に作れますし、味も十分ですのでいちおうご紹介しておくことにします。

というわけで、「バーニャカウダ （風） ソース」 の作り方です。
１．ニンニク１片をみじん切りにする。
２．小さめのフライパンにバター適量を熱し、ニンニクを弱火でいためる。
３．そこにアンチョビペーストをニュルッと適量 （８cmくらいかな） 入れ混ぜる。
４．牛乳を適量 （５０cc強かな？） 入れ、中火で煮立てる。
以上です。
なんといってもオリーブオイルをまったく使っていません。
その代わりにバターを使いますが、バターもそんなにたくさん入れるわけではないので、
正しいレシピの⑤の写真に写っているような↓、



分離した感じのソースにはなりません。
牛乳を使うのでクリーミーな感じ↓です。



正しいレシピの⑥には、「仕上げに生クリームを加えると、
マイルドでよりなめらかなソースになります」 と書いてありますが、
どちらかというとその⑥の写真に近い出来上がりになると言えるでしょう。
それと、コックさんが書いてくれたレシピのメモにはたぶん、
アンチョビペーストを使うとか、牛乳を使うとかは書いていなかったように思います。
ちゃんと缶詰や瓶詰めのアンチョビを使い、
牛乳ではなく生クリームを使うように書いてあったような気がします。
川崎時代はそれらが簡単に手に入らなかったものだから、
冷蔵庫に入っていたアンチョビペーストや牛乳で代用してしまったのではないでしょうか。
それでも十分です。
すべてが適量なのでちょっと困惑されるかもしれませんが、
元のレシピにも分量は書いてなかったように思います。
アンチョビペーストの量によっては塩っぱくなりすぎますので、
牛乳を適量加えることによってほどよい味加減にしてください。
牛乳なのでサラッとしたソースになります。
ディップのように野菜をつけて食べるというよりは、
小さなスプーンで下からよく混ぜながらすくい （ニンニクが下に沈んでいるから）、
野菜に上にかけて食べるという感じになるかと思います。
お試しあれ。