中日新聞の「くらしの作文」に「二歩と三歩と」いうタイトルで、68歳の男性が投稿されていました。
去年の十一月、夕方に仕事から帰ると、居間の入り口で母が横になっていた。
「衛、足が動かなくなっちゃったよ」
「ええっ?」。
私は驚いた。
母は九十一歳である。
「医者に行くか?」
「あたしゃ、医者は嫌だよ」。
母は医者はあまり好きではない。
脚を触ると検討がついた。
「おっ母、筋肉がないぞ」。
夏の暑さで出歩くことがなくなり筋肉が衰えたのだった。
仕事から戻ると、母の足首を持ち屈伸運動などの筋トレをする毎日が続いた。
二十日ほどで筋力は回復した。
私はウォーキングが日課となっている。
母にも勧めていたが「家事をしているから」と言って、歩くことはなかった。
今年の九月に聞いたら、一人で出るのは心細いということが分かった。
それから母を連れて川沿いの遊歩道の散歩に出ることにした。
十一月になって腰の痛みがなくなった。
何より嬉しかったのは、おっ母に笑顔が戻ったことだった。
人は年を重ねると気苦労が多くなる。
母にも思うところがあり、ふさいでいることがあった。
そんなおっ母がご飯を美味しそうに食べる。
散歩に出る。
私の二歩の歩みが、おっ母は三歩である。
私の腕にもたれるように、つかまりながら歩く。
いじらしい気持ちになる。
以上です。
投稿者さんの親子関係は素晴らしい!
仲がいいですね。
投稿者さんは、とても母親思いのお方ですね。
コロナ禍になって、毎日テレビ体操はかみさんとやっていますが、ウォーキングはほとんどしません。
かみさんから一緒に歩こうと言われても足の親指の爪が黒にえて痛いと言って歩いていません。
足の筋肉が衰えているのは間違いないので、少しでも歩くようにしなければとこの投稿文を読んでそう思いました。
ただお前がいい 中村雅俊