がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

クロノテラピー

2007年08月19日 | Weblog
2007年04月29日記載

クロノテラピーという言葉を聞いたことがある方はおられるであろうか。おそらくかなり少ないのではないだろうか。

簡単に言ってしまえば、夜間に抗がん剤を投与するということである。

以前に、抗がん剤は分裂活動の活発な細胞によく作用すると書いた。一般にがん細胞は夜によく活動すると考えられている。それに対し、正常細胞は夜は活動を控えていると考えられている。

そこで、考え出されたのがクロノテラピーという抗がん剤の投与方法である。欧米ではよく行われているようだが、日本では、志の高い医師しか行っていない。

クロノテラピーのいい所は、抗がん剤ががん細胞に作用しやすく、正常細胞に作用しづらいため、副作用が軽減されることと寝ているうちに抗がん剤の投与が終わってしまうので、昼間仕事や学校に行くことが可能になることである。

それでは何故日本ではこのような投与方法が採られないのであろうか。

完全に私の推測だが、単純にマンパワーが足りないからではないだろうか。医師も足りない。看護師も足りない。スタッフも足りない。そういう単純ではあるが、解決困難な問題が原因のような気がする。

医師不足・看護師不足・スタッフ不足は病院の経営問題に直結する。多くの病院は手厚く、最良の医療を提供したいと考えている。しかし、それを裏付ける資金が足りない。現在の保険制度がそうしているのである。

例えば、十分な説明を2時間かけて行ったからといってタイムチャージでお金を請求出来るわけではない。試行錯誤を繰り返し、抗がん剤の投与法を研究し、その投与法により抗がん剤を投与したとしても輸液管理料くらいしかもらえない。抗がん剤投与に技術料は発生しない。それでは病院経営は成り立たない。患者を右から左へ適当に流すという不良病院だけが採算を取れるということになる。ここに日本の医療保険制度の根本的問題が存在する。熱心にやればやるほど赤字になっていくのである。



我が国では2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががん死する。実に年間32万人の人間ががんにより死亡する。この現実と現行医療制度の乖離はなんと言えばいいのであろう。誰に責任があるのであろう。我々はこんな社会を未来の子供達に手渡すのであろうか。この問題に是非とも真剣に向き合ってもらいたい。特に厚生労働省の役人・政治家・マスコミ!毎年32万人が死ぬ問題以上に優先度の高い問題はないだろう!!


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。