がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

消費税増税論議 目指す社会像こそ議論を

2010年09月17日 | Weblog
2010年09月10日 00時32分13秒掲載

琉球新報 8月23日 社説(URL http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-166676-storytopic-11.html )



「消費税増税の大合唱が始まっている。全都道府県知事対象のアンケートで半数を超える28人が消費税増税に賛成だと報じられた。財源に苦慮する事情はあろう。だが短慮、早計は国の針路を誤る。
 日本の国債残高は主要先進国中最悪の水準にまで積み上がっており、このままでよいはずはない。しかし、数ある税の中でなぜ消費税なのか、もっと議論していい。
 例えば所得税の最高税率引き上げや金融資産課税など、他の手段もあろう。だが、政党がそれらを検討したという話は聞かない。
 消費税には逆進性がある。収入が消費に回る割合は低所得者ほど高く、その増税は弱者へのしわ寄せとなる。取りやすいからといって飛びつくのは安易に過ぎる。
 1989年の消費税導入前の日本は、高額所得者の税率が高かった。一部の論者は「国の活力を失う」と批判していたが、そのおかげで世界に例のないほどの平等社会を実現していた側面もある。
 今はどうか。逆に先進国トップクラスの格差社会だ。今の日本は、親の収入と子の学力が比例しているという研究がある。個人の努力で豊かさが実現できる社会と、生まれ落ちた時点で自己実現が制約されてしまう社会。どちらがよいかは自明であろう。
 つまり、税制は目指す社会像にもかかわるのだ。政治家はその点をこそ議論すべきだ。
 消費税増税論者は一様に「社会保障の財源に充てる」と主張する。知事らが挙げる理由も大半が「社会保障費増大」だった。だが過去を振り返ってみるといい。
 消費税の税収累計は224兆円に上る。この間、法人税は相次いで減税となり、減収額は累計208兆円に達する。消費税のほぼ全額が法人税減税の穴埋めに回ったのだ。今回も法人税減税が検討されており、社会保障ではなく、その穴埋めに回されかねない。
 財政再建につながるとの見立ても早計だ。消費税だけで財政赤字を黒字化しようとすれば税率は27・3%にしなければならない。すると消費は凍り付き、国内総生産は6%も下がる。その影響で次の年には再び赤字化する。効果が続かないのだ。
 まずなすべきは無駄遣い削減であろう。年金基金など特別会計の問題もある。防衛費の事業仕分けはしないのか。これらを徹底してこそ、次の議論に入れる。」



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。