がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

昨日の「ETVワイド ともに生きる」を見て

2007年12月02日 | Weblog
2007年12月02日 08時53分記載

標記の件について思った所を記したい。

総論としての感想を一言で言えば、ありきたりではあるが「対話が重要だな」ということである。

「障害者」と一口に言っても、精神的な障害、知的な障害、身体的な障害と様々な障害の形態があり、障害の程度の差もあり、障害を抱えた事情も異なる。それらの人達を一つの考え方でまとめることは出来ないし、すべきでもない。(考え方は多様であるべきと私は考えているため。)それぞれがそれぞれの考え方を持ち寄り、共通の認識として共有できるものは共有し、共有できないものについては、そういう考え方もあるのだなと傾聴すれば良いと思う。そして、それぞれの考え・立場で発言・行動していけば良い。

大切なのは、「障害者」と呼称される人々が現に665万人(「障害者」とのレッテルが貼られることを嫌って公にしていない人も含めれば800万人くらい居るのではないだろうか)我が国に存在するということを国民全体が認識すること、その認識のためには障害者が社会参加できる仕組みにするべきだということである。隔離するような制度は絶対に認めるべきではない。精神障害者だということだけで入院させるべきではないし、アボリジニに対するシットダウンマネーのように、金だけを与えて就労の機会を奪うべきでもない。

「障害者」と呼称される「人間」が、同じ「人間」として存在するということをまず認識し、その人達にも、「人間」である以上当然に社会の中で生活する権利があるのだということを理解するべきである。



次に、各論に入る。

まず感じたのは、出演していた大学院教授の話が冗長で、論旨が不明確だということである。もう少しわかり易い話をする人をオブザーバーとして招いた方がいいのではないだろうか。会場にいる人も視聴者もあまり彼の言いたいことを理解出来なかったのではないだろうか。これは、春山満さんというビジネスマンが参加していたため余計に際立って見えた。春山さんは筋ジストロフィーを患いながら会社を経営している。話の内容への賛否はそれぞれだろうと思うが、非常に論旨が明確で、コンパクトに話す。ビジネスマンならではだなと思いながら私は見ていた。(色々な所で講演などもされているのではないだろうか。とても話が上手かった。)



次に感じたことは、脳性まひの方とのコミュニケーションにはゆっくりとした時間が必要だなということである。現在の社会では、スピード・効率性がとても重要視されており、そのような社会情勢の中で、ゆっくりとコミュニケーションを交わす必要のある方が社会参加していくのはなかなか難しいだろうなと思った。私も足が不自由なため動きがゆっくりしており、社会生活を送る中でスピードを要求されて難儀することがある。

いわゆる障害者の中には、ゆっくりとした時間の中で生活を送らざるを得ない人が存在するということを国民全体が共通の認識として持ってもらいたいなと思った。



最後は、精神障害を抱えている方のお話で私自身も気付かされたことを記したい。

その方が仰っていたのは、事件報道の際に、事件と精神疾患の因果関係がはっきりしていない段階で、第一報として「精神科への通院歴がある。」と報道されることが多く、精神科への通院歴がある人・入院していたことがある人=事件を起こす人という偏見が、事件報道の度にすり込まれているということであった。

これは全くその通りだと思う。報道機関には、事件と精神疾患との因果関係がはっきりしていない場合には、上記のような偏見をすり込み、差別を助長するような報道は自制してもらいたい。



以上、昨晩のプログラムを見ての感想を簡単に記した。



ETVワイド ともに生きるURL http://www.nhk.or.jp/heart-net/wide/


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