がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

障害者雇用について2

2007年08月07日 | Weblog
2007年02月09日記載

私は病気になった時、個別指導塾を経営していた。経営・運営のみならず講師もしていた。プレイングマネージャーである。 (この頃の話はまた後日詳しく記したいと思う。)生徒達と楽しく暮らしていて、これが当面は続くものと考えていた。しかし、それは病気になることによりあっさり否定されることになる。1年4ヶ月の入院生活を終える頃にはすっかり生徒数も減少し、塾経営だけでは生活出来なくなっていた。当たり前である。経営者兼運営者兼講師の私が1年4ヶ月も居なかったのであるから。

そこで私は、塾を信頼できる知人に任せ、自身は企業に就職して生活の糧を得ることにした。

最初私は企業への応募書類に骨肉腫に罹患したことを正直に書いていた。しかし、すべて見事に落とされた。それまでに「ガンになった人は就職することが出来ない」という話を聞いたことはあったが、そんなこともないだろうと高を括って馬鹿正直に病気のことを書いていた。しかし現実はそんなに甘くなかった。

書類が通らないのであれば止むを得ないと思い、病名を変えた。骨巨細胞腫という良性腫瘍ということにした。見事に書類が通り、10日後に内定を得た。私はその後しばらくして転職するのだが、その際も本当の病名を伏せた。書類はほとんど通り、内定は2社から得て、そのうちの1社で今働いている。

偶然の可能性をゼロだとは言わない。しかし、体験的に言えば、ガンだということは就職する際には言わないほうが得策だと思う。試用期間が過ぎるまでは黙っていた方がいい。ガン患者を見る企業の眼差しは真に冷たい。

ここでまた厚生労働省の役人に提案したいのだが(八百屋で魚の感は拭えないが)、入社までは病名を聞くことを法律で禁じてはどうだろうか。企業は入社後配慮しなければならないことを知るために正直に話して欲しいと言う。詭弁である。本当にそうなら入社日にでもじっくりヒアリングすればいい。面接という限られた時間で病気の何がわかるのか。人事の人間は医者ではない。骨腫瘍の何がわかるのか。企業にとって不都合な病気を抱えている人間を掴まされないようにと聞いているとしか思えない。

企業が障害者雇用に真剣に取り組んでいるというのであれば、面接では障害に対してどのようなサポートが出来るかだけを話し、原因は聞かない。原因については入社後に産業医立会いの下じっくりヒアリングをする。そういう姿こそがあるべき姿なのではないだろうか。

ところで、私は名言や格言が好きである。そこで、今回からブログの最後に好きな言葉を記したいと思う。

今日の好きな言葉:「権利は与えられるものではない。奪い取るものである。」


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