がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

抗がん剤副作用対策雑感

2007年01月16日 | Weblog
私の抱いた感想を率直に述べれば、抗がん剤の副作用対策は極めて不十分である。抗がん剤を投与する時は、前流しと言って、水分の補給を行い、 その後制吐剤(吐き気止め)を投与し、抗がん剤を投与する。しかし、この制吐剤が「馬鹿にしてるのか」というくらい効かない。プリンペラン・アモバン・カイトリル・ゾフラン等と様々体験したが、かろうじてやや効いたかなというのはゾフランくらいである。他は効いたという実感は全く持てなかった。

この問題の根本的な原因は、日本では患者は我慢すべき存在だと思われている所にあるのではないかと考える。それでは我慢すべきと考えているのは誰か。考えの古い医師・看護師・患者自身・家族、即ち合理的に物を考えられない全ての人達ではないか。ここで声を大にして言っておきたいのは、患者は病気になり、入院している時点で既にそれなりに苦しんでいる。さらに我慢する必要な全くない。その前提に立って初めて患者の苦痛を如何に除去していくべきかという真剣な議論が始まる。以前に有益な書籍の所で紹介した平岩正樹医師は可能な限りの副作用対策を行っている。このような医師が1人でも増えることを願うとともに、国民全体もそのような方向に意識を持っていってもらいたい。医療を受けることは修行ではない。生きていくうえで忍耐が必要なことは言うまでもないが、それを医療の現場に持ち込むことは完全に誤りである。医療を受ける時にも我慢が必要だという人は、是非とも全身麻酔をかけないで10時間くらいかかる大手術をうけてもらいたい。それを実行出来たなら、こちらもそう主張する人の話を聞く用意がある。

日本は、痛みを緩和するためのモルヒネの使用量が欧米に比べて圧倒的に少ない。これは、上記の理由に加え、モルヒネに対する偏見も作用している。いつの世も、どのような分野の問題でも、偏見は合理的結論を妨げる最大の阻害要因である。医師・看護師を含めた国民全体が、可能な限り合理的に、冷静に、様々な問題を考えてもらいたい。たまたま私は医療に関わる問題において問題提起をしているが、言うまでもなくこの問題提起は全ての問題に妥当するものである。

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