新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月15日 その2 COVID-19用のワクチンは間に合うのだろうか

2021-04-15 15:34:32 | コラム
高齢者でも5月6月になるだろうとは不安で堪らない:

菅義偉総理、宜しくお願いします。週刊誌だったかの報道では「厚生労働省がファイザーと仮契約を交わしてあっただけで、本契約に持っていくのが遅れた為にEUに持って行かれたのだ。その不手際の為に現在のように遅れているのだ」となっていた。私は以前に指摘したあったのだが、永年の対日輸出の経験者だったから言うのではないが「輸出入の交渉と契約などは平生から余程馴れた会社が担当者が担当しない事には『そんなはずじゃなかった』というような事態が生じやすいのだ」というような業務なのだ。それを馴れているとは思えない厚生労働省に背負わせたのでは思わぬ齟齬を来したのも仕方がない事だ」と思う。私は、偉そうな事を言うのではない、その時点では「こういう仕事に慣れた商社を介在させておく方が無難だろう」とも指摘してあった。何れにせよ、今更言っても何の役にも立たない事だ。

そういう不手際があった所に、そうなってしまった原因と思われる点が多々あるが、何と第4波の状態に入ってしまった事は疑いもない状況になってしまった。それだけでならば兎も角、確固たる対応策も解っていない変異株の感染が、大阪を始めとして方々で拡大しつつあるし、それに対して既製のワクチンの効果までが云々され始めた。しかも、当初の目論見というか発表とも異なって、医療従事者への接種も完了していない状態だ。しかも、もしもワクチンが間に合っても会場の設定や注射をして下さるはずの医師すら集まっていないという報道もある。

かく申す私も4月12日から接種を始めて頂けると期待(?)していた高齢者の一人だ。しかしながら、報道による現状を知れば、6月までに接種して頂ければ・・・という風に受け止めている。そうである以上、不要不急を問わず外出は極力避けて、アパート内のエレベーターでも「密」状態だと思えば乗るのを回避して、自分を守るしかないような気がするのだ。

しかも、言いたくはないが、先日のPrime Newsで古森義久氏が「菅首相がバイデン大統領の最初の外国の首脳との会談相手に選ばれたのは、単に消去法で選ばれた難しい難題を抱えていない我が国になっただけ」と言われたのも印象的だった。だが、菅首相には再再度の緊急事態宣言が必要だと騒がれ始めてこの大変な時期に、何故にアメリカに行かれるのですかと伺って見ない気になってしまう。

と、ここまで書いた所で、本日の東京都の感染者が729名と報じられた。これ以上何もいうべき言葉を知らない。聖火リレーが色々と形式を換えて地方で進んでいる折から、二階幹事長はオリンピックの中止論に言及されたと、Yahooニュースにあった。その一方で、我が親愛なるマスコミは立派な復帰(私は「奇跡」などという言葉は使いたくない)をして見せてくれた池江璃花子さん賞賛の報道ばかりだし、松山英樹が「斯くなる上はオリンピックで金メダルを」と言ったと嬉しそうに言い募っている。純真に浮かれていて良い場合かという気がしてならない。

IOC、JOC、組織委員会はオリンピックを開催する以外の選択肢を消去してしまったようだ。だが、開催されている間にもワクチンの接種を続けなければならないだろうが、オリンピックの会場に詰めて下さる医療従事者への接種がそれまでに終わるのだろうかとすら疑いたくなる。その接種にお医者様を煩わしてしまえば、会場への医療従事者をどうやって集めるのかと気になってしまう。難しいだろう。そちらにお医者様が専念されてしまえば、期間中の一般の患者さんたちにどうやって対応されるのかも気懸かりだ。

私はこのような心配をする前に「基礎疾患」を抱えている高齢者としては、何時新宿区役所から接種券が送られてくるかをひたすら待ち焦がれている。ここ2日ほどは新宿区では連日20名ほどの感染者が出ていて、都内でも多い方だ。正直な所を言えば「小池都知事にはオリンピックよりも都民、就中高齢者の心配を第一義にして頂きたい」のである。菅首相には一日も早くアメリカから帰国されて、益々深刻化する国難に対応して頂きたいのだ。バイデン大統領に「ファイザーに日本を優先するようきつく言って下さい」とお願いしてきた頂きたいのだ。


東芝が売られてしまうのか

2021-04-15 08:49:44 | コラム
「東芝は買収されるのか」とすべきだったか:

私にとっては、これほど時代の急激な変化を思い知らされた事案はなかったような気がしてならないのだ。CVCキャピタル・パートナーズが東芝にTOBを仕掛けるとの報道があって騒ぎになったかと思えば、社長の車谷暢昭氏が辞任の意向を表明したとの事だった。私はこういう事案に疎いので報道だけを見ていると、車谷氏は元はと言えばこのファンドの日本法人の会長だったという事が解った。このその前は三井住友銀行の役員だった方は、CVCが買収を仕掛けたのでは利益相反の疑惑が生じるというのも辞任の理由の一つのようだった。

このような一連の経過は私にとってはどうでも良いのだと言えば語弊があるかも知れないが、私にとっては我が国を代表するような優良企業が色々と問題を起こしてしまった結果で、事業の切り売りをしたかと思えば、外国資本に買い取られるかも知れないとあっては、何となく世界第3位とやらの経済大国であった我が国がそこまで落ちてしまったかの如くに感じられてならないのだ。東芝一社だけの例を挙げて言うのではなく、過去にシャープが台湾の大手企業に買い取られた例もあったではないか。尤も、東芝の場合は一昨日のPrime Newsで古森義久氏は「中国や韓国の資本に買い取られるよりはマシではないか」と言っていたが、そうではあっても気落ちさせられる話題だ。

専門家の解説では「東芝の事業には原子力もあるし国防関連の分野もあるので、むざむざと外資の手に落ちる事は好ましくない」との事だった。それも尤もだが、私は在職中に1度か2度ほどしか接触した事がなかった東芝がどれほどキチンとした大会社であるかを感じていた。経営の危機に陥る会社の臭いなど全くなかった。大して意味がない事だが、2003年の私が70歳の時に諸般の事情により、止むなく最初に導入したPCは東芝製品だった。そのPCで仕事をお引き受けした出版社は全員が東芝を使っていた。

もう何年前の事だったか記憶は定かではないが、財界が毎年開催する「財界賞」の会合に元日本興業銀行常務だった上田正臣氏の言わば名代のようか形で参加した時に表彰されたのが、東芝の西田厚聡社長(故人)だった。記憶に誤りがなければ、西田氏は「選択と集中」で東芝の体質を大きく変えて規模を拡大された名経営者として評判だったと思う。東芝が活躍してきた業界は日進月歩で変化してきたし、続々と新製品が登場するし、新興国が着々と地盤を確立してくるなど、私のような素材産業というか一次産品に近い物を造る業界が長かった者には「どうなっているのだろうか」と思って見ているだけだ。その真っ只中にあって世界的な企業だったはずの東芝が、ファンドのTOBに遭うとは将に今昔の感に堪えないのだ。

東芝を政府が守らないのかとか、国内から白馬の騎士は現れないのか等々の意見もあるが、「技術立国だったはずの我が国は何処に行ってしまったのかな」と、何となく以上に虚しい思いをさせられている東芝の現状だ。尤も、嘗ては世界の紙パルプ・林産物業界で最有力企業の一角を占めていたウエアーハウザーは、とっくの昔に紙パルプ業界から撤退してしまっている。それと言うのもICT化の急激な浸透に圧されて、印刷(紙)媒体は衰退の一途であると、早い時点で見切っていたのだった。時代の変化についていくのは容易ではない時代だ。