会談終了後のプーチン大統領とトランプ大統領:
会談が終わって直ぐに始まった記者会見で、プーチン大統領が堂々と原稿を読み上げたのには、傍観者だった私も非常に驚かされました。しかも、その原稿には「生産的な会談だった」と既に書かれていたのです。これは、会談の進行や結論を事前にある程度以上は読み切っていた証拠とも言えるし、ロシア側の準備の周到さを示しています。
一方のトランプ大統領は、記者会見中にしばしば右側に目をやり、スタッフの合図か資料を気にしているようでした。私は原稿を読んでいたプーチン大統領に対して、何時ものトランプ大統領であれば皮肉の一つも言いそうな気がしていました。だが、今回は敢えてそうはせずに、プーチン大統領と同じく「生産的な会談だった」と同調して見せました。これは、対立を演出するよりも、その場を穏やかに収める方が有利と判断した結果だったのかもしれません。
なお、会談の形については、事前には「通訳のみを伴う1対1」と伝えられていましたが、実際には双方から2名ずつの補佐官が同席し、3対3の形で行われました。報道と現実に食い違いが見られた点も、この重要な会談の一側面として記録しておいても良いのかなと思いました。
私は今回の会談の結果はプーチン大統領にとって「一歩前進」だったと言えると思います。とは言え、それが直ちに決定的な成果に繋がっていく訳ではないのでは。私はアメリカとロシアの交渉を全体的に見れば、未だ序盤であるに過ぎないと読みました。今後の展開は「トランプ陣営の戦略ティームが、作戦をどのように修正し、プーチン大統領対策を整えられるか」に懸かってくるのでしょう。
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