新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月5日 その2 日米企業社会の文化の違いの考察

2016-07-05 15:02:48 | コラム
アメリカの会社で対日輸出を経験した者に言わせて貰えば:

「その仕事では苦労が多かったのでは」と言って下さった方がおられました。私は苦労をしたと言うよりも、途方もない世界に踏み込んだとする方が適確かも知れないと思うのです。我が国の市場を相手にした場合に最も苦しめられ且つ悩まされるのが「売り手が買い手(=中間の需要家と最終需要者)に対して余りにも弱いことでした。念のために申し上げておけば、我々はその売り手の方々に向けて輸出していたのです。

苦しめられた理由の一つが我が国の市場に付き物の”過当競争”でしょう。その辺りを別の言葉で言えば、あるアパレル業の経営者がいみじくも言った”オーヴァーストア”状態でしょう。即ち、「うちが崖から飛び降りる覚悟で値上げすれば、必ず何処かのcompetitorが安値で横取りする」ような危険性を言うのです。危険性どころか多くのものを失うことが多いでしょう。

アメリカ人の思考体系では「コストが上がれば最終価格(末端価格)に転嫁するのは当然。受け入れられなければ買わなきゃ良いじゃないか」ですが、そこはそれ「義理と人情」、「長年の好関係を壊すようなことを言うな」、「長いつき合い」、「同じ業界で飯を食ってきた間柄じゃないか」、「お客様にご負担をおかけしたくない」、「市況は値上げを許す状態ではない」等々が当たり前のように言われるのです。これらの理屈はアメリカのビジネスマンに言わせれば「感情論」で相手にしません。そして、客先には転嫁出来ず、泣き泣き上昇したコストを背負い込むことになっているようです。

アメリカ側から見れば「市況がどうのと言うのは、それこそ”none of our business”だし、我々は好関係と商売しているのではない」と一蹴します。だが、日本の市場の特性が解ってくると譲歩まではしなくても、それこそ用意してあった”contingency plan”で対応するようになる企業もあります。この辺りの微妙さは「外国の会社の日本人社員がどれほど相互のビジネス社会の文化の違いを弁えているか」乃至は「会社の代弁しか出来ないような奴か」にかかってきます。

だが、「得意先のご意向はこういう拒否反応だから、再考を」などと上司や本国に進言すれば「雇用の安全」が危機に瀕しかねないのがアメリカという世界。従って、”Yes, sir. I will be sure to do it, whatever customers may say.”と言うような従順な人物が最も評価が高いのです。往年は為替の助けで外資にいれば高給でしたが、今はそういう時代でもなくなり、外資には優秀な人材は寄りつかないのではと危惧します。何度か言いましたが「私は最初からそういう世界だと知っていたら、転身などしなかっただろう」と。それでも精一杯努力して、61歳でリタイヤーするまで22年半も勤めました。


16年6月の新宿区の人口

2016-07-05 08:05:53 | コラム
6月は0.02%の減少だった:

新宿区の「広報しんじゆく」28年7月5日号によれば、6月の住民基本台帳人口は対前月比89人減少して337,474人となり-0.02%だった。日本人は153人の増加だったが外国人が242人の減少で4万人を割る39,972人となり、全体の11.8%と前月の11.9%から僅かに低下した。因みに、外国人の比率は4月が11.50%で3月が11.57%、2月が11.6%と1月が11.5%でも実数は38,585人だったので、それよりも1,387人も増えたことになる。なお、日本人の人口は297,502人と対前月比153人の増加だった。

大久保通りを歩いてみた実感では中国語を話す若者が増え続けているのは間違いなく、問題のバングラデシュなのかパキスタンかは不明だが、イスラム横丁に屯するイスラム教徒も確実に増え続けている。ハラルフードを商う店の店員はバングラデシュとパキスタンとネパール人が多い。だが、彼らが入れ替わっているかどうかなどが解る訳がない。

このイスラム教徒の増加傾向を如何に考えるかは、微妙な問題となっていくのではないのか思うのだが。私には何故韓国語を話す者が減少したかの印象があるのかは解らないが、偶に韓国語が聞こえると寧ろ新鮮な響きがあるのが恐ろしい。これまでは中国人が増えることを懸念してきたが、今後はあらためてイスラム教徒の増加を懸念せねばならないのかと思案している。

また、依然として増殖中のコンビニに入れば、レジにいる若者は圧倒的にアジア系の外国人が多い。連日のように繁盛する業務用スーパーの河内屋などは「日本人も買いに来る店」となり果ててしまった。「イスラム横丁」を目指してくる中近東勢は増える一方で、ブルーのナンバープレートを付けた車は当然のように路上駐車をして買いに来ている。何故かトヨタ等の国産車ばかりだ。ここにしかハラルフードを売る店はないのだろうか。

以前は外国人をほとんど見かけなかった高田馬場寄りの我が家のような古き良き住宅地帯にもどこに住んでいるのか不明だが、イスラム教徒が目立つようになってきた。昨夜偶然に見たNHKのBSでは我が国が如何に優れた国であるかを爆買い族等の見聞で中国に知れ渡るようになり、我が国に対する評価というか認識が改まりつつあると報じていた。それはそれで結構なことかも知れないが、これ以上この地区での「国際化」を歓迎する気分には到底なれないのだが。


参考資料:新宿区広報「しんじゅく」平成28年7・5