新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

我が国の欧米とドイツ信仰に水を差すかVW

2015-09-28 14:52:58 | コラム
我が国は欧米崇拝など忘れて良い立派な国だ:

この度のVW車の排ガスについての不正はかなりの驚きを持って受け止められたのではないだろうか。私は我が国では誰が言いだしたか知らないが、ヨーロッパ諸国ではドイツは理詰めでキチンとして理路整然たる風土がある国で、英連合王国(UK)で就中イングランドは紳士の国といったような認識が一般的であると思っている。例えば、メルセデスベンツを筆頭にドイツ車に対する信頼感は国産車を上回っていると言える気さえする。

私は事情これあり車の免許を取ったこともなく、当然のこと自動車に関する知識は並以下だと思う。しかしそれであっても、上海などでタクシーを拾って気付いたことはトヨタなどは見当たらずほとんどがVWのSantana(だったか)ばかりだったと解った。それが現地生産かどうかなどは全く関知しなかったが、ドイツはここまで中国に食い込んでいたのかと初めて知った次第だった。中国はドイツを信頼しているのかと疑った。

しかも、当方は外国人の中で長年仕事をしたといっても、事ドイツ人となると1970年代前半にM社のパルプ事業部の全世界の関係者が集う”Division meeting”でドイツ代表者と1週間行動をともにして「何だ、ヨーロッパ人といってもアメリカ人と同じで陽気で騒がしく愉快な外国人に過ぎないではないか」という印象が強かった。UKの人たちに接する機会はそれ以上にあったが「何処が紳士?」と思わせる普通の外国人だった。

回りくどいことを言わずに思った通りのことをいえば、我が国では鎖国の時代が長かった為に妙なとでも言うか不必要な欧米人とその文化・文明に対する信仰乃至は崇拝のようなものが未だに残っており、海外に進出し彼らに負けずに活動すること即ち「勇敢なる世界進出」として評価する傾向が未だに残っている気がしてならない。勿論それ自体は良いことだが、何時まで経っても「彼らが上位で我が国は・・・」的な思考体系は感心しない。

より解りやすくいえば、私の持論は「世界に我が国ほど優れた国はない。知的水準が平気にして高くバラツキもなく、教育も徹底し、労働力の質が世界最高に高く且つ安定し、治安が良く、食べ物が美味く、公共交通網が全国津々浦々に行き渡っており、貧富の格差もなく、人種差別も無しと言えるだろうし、外国人にこれほど親切な国が世界の何処にあるか」であり、このように言って誤りではないと確信している。

事自動車についていえば、我が国は既に如何なる意味でもトヨタを筆頭にしてアメリかを遠く抜き去り、トヨタを追うのが今回問題を起こしたVWが販売台数で勝負を挑んできただけではないか。そのドイツを代表するかの如きVWがキリスト教国でありながら、神をも欺くような不正ソフトを使っていたとは、我が国のドイツ信仰乃至は崇拝か信頼の神話を打ち砕くような出来事ではなかったか。

私はドイツは1995年に僅か一度だけしか旅しただけなので断定的なことは言えないが、カトリックが歴史的にも強大な力を持っていて、その影響力の強さは我が国にいては到底計り知れないものがあること以外は、アメリカと大きな違いがあるとは思えないというのが、偽らざる実感だった。この感想は兎も角、私は我が国民とマスコミはもう好い加減に欧米信仰というか「世界」を有り難がることから離れるべきだと思っている。

遺憾ながら我が国にも先頃のエヤーバッグのタカタのように海外市場で信用を失墜した会社もあるが、私は我が国ではもっとより積極的に「我が国ほど優れた、良い国はない」という自信を全国民が持つような教育と国内向け宣伝広告に励んでも良いのではないかと考えている。今回のVWの過ちを良い機会にして「海外崇拝というか「世界進出」を目標にするような古き良き時代を忘れても良いだろうと言いたい。

日本国民は自信を持って偏向した野党や多くの似非有識者や文化人の自虐的日本国軍事化論に見切りをつけて、自信を持って世界の諸国に向かって優越感を持って対峙してしていく必要があるとすら思っている。妙に謙った根拠なき自信は困るが、私は自分の国に誇りを持つことは必要不可欠だと経験上も信じている。