新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

米中首脳会談の結果

2015-09-29 07:20:23 | コラム
余りにも予測出来た通りだった:

私は現在の全世界の不安定振りの最大の原因が、今回掲題の首脳会談を行ったこのお二方とその国にあると信じている。特にオバマ大統領については、これまで何度も批判してきたことで「政治・経済・外交・軍事等々の素人で、上院議員を1期勤めたとはいってもその半分の2年間は選挙キャンペーに費やしていた人物を大統領に選んだ言わばアメリカの失敗」であるのだから。

しかもオバマ大統領の就任の頃はアメリカ経済はリーマンショック後の最悪な時期にあり「誰がやっても回復に導くのは至難の業以上の難しさ」と言われた時だった。その未経験者を責任者に選んだのがアメリカの今や最大の勢力になってしまった”minority”という多数派の功績?なのだ。オバマ大統領が就任した後の種々の負の業績をここで云々するのは避けるが、私は「世界の警察である事を辞める」と言ったのが象徴的だったと思っている。

一方の習近平主席は確かに就任後も中国経済の発展に努め、つい先頃までは「保八」を維持し、中国を我が国を抜いて世界第二の経済大国の地位に押し上げた。中国内の事情に疎い私が批判めいたことを言うのは烏滸がましいが、習近平は熾烈な権力闘争を乗り切って今日の世界で最も強力な指導者とはなったところまでは良かったと思う。

だが、最近の中国経済の低迷下での株式市場の混乱に際して見せた政治介入では「共産党は本当の資本主義経済には弱い」という馬脚を現してきたのではないかと思わせる。まさか中国経済が不安定化すると世界の景気が変動することを楽しんでいるのではないだろうが、株式市場への介入や為替を規制することが正解ではなかったと知るべきであろう。

経済的なことの他には南沙諸島他での埋め立て工事を強行し(「強行」とはこういう場合に使うものだ)、アメリかにサイバー攻撃を仕掛け、人権問題が首脳会談で議題に上がるのは自明の理だったはず。それくらいはご承知だったはずなのに、共同記者会見他のでの仏頂面は非礼であり、あれが通用すると本気で考えていたのならば、単純な思い上がりではないか。中国は未だそれほど偉くないと自覚すべきだ。

オバマ大統領もオバマ大統領で、あのような結果になるとは読み切っていたはずで、事前に何らかの手を打っておき、せめて記者会見くらいは「目出度し、目出度し」に終わらせられなかったのかと非難したい気がする。尤も、あの習近平の態度からは「アメリカとオバマ大統領何するものぞ」との姿勢を国内外に示す絶好に機会とでも思っていたかと思わせるものがあった。

私はアメリカのあの低迷振りが情けなかった。ただそれだけの何の成果もなかった首脳会談だったのは大いに遺憾だし、予測通りだったのはもっと情けなかった。但し、習近平が「おごる平家は久しからず」になって貰うのは困る。彼が率いる中国が全世界に与える影響は今や大きすぎるところに来ているのだから。