新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

サッカーをテレビ観戦すると

2014-09-16 07:55:12 | コラム
サッカー雑感:

ここ1週間ほどにもなるだろうか、毎日のように我が国男女代表ののサッカーの対外試合をテレビ観戦し続けているような気がする。良く飽きないと我ながら感心している。昨15日夜は韓国の仁川でのアジア大会で、女子代表が中国と予選リーグでのゲームという、何とも所謂「アウエー」感が濃厚すぎる試合を見ていた。

振り返れば、男子の代表で2試合とアジア大会用代表で1試合、女子が昨夜で2試合目という具合だった。総合的な感想というか冷静な評論家としての評価は「男女とも世代交替とそれに伴う戦法の変更の途上にある」と見ている。但し、そこには必ずしも建設的ではない変わり方も見えていたので少し疑問の余地もあると考えている。

それは男女とも欧州(海外)組が中心戦力なのだが、国内組のサッカーの方向が、私が毛嫌いする、「国内のリーグ戦で勝ち抜く為に纏めるサッカー」に傾きつつある点が気懸かりなのだ。その流れに逆らって高水準の技術を維持し続けたのが男子で遠藤、女子で宮間と阪口だと見ている。何故か遠藤も宮間も外国に行かなかったのか行こうとしなかったのか、国内で技術を磨いて今日がある。

それだけではなく、男女ともに国内向きサッカー道をひた走っている連中は「自己顕示欲」に乏しく、ひたすら上部だけの「ティームの為」に徹したサッカーをするので、自分でやってやろうという気力と気迫が見えず、責任逃れというか安全第一の「バックパス重用」のサッカーをするので、見ている方が苛立たされる。

昨夜の女子の中国が相手のサッカーなどでは、いくらでもチャンスがありながら、失敗を怖れたのかシュートまで持っていったのが本来はその担当者ではない宮間と阪口の存在が目立ったしまった結果に終わり、あの程度の相手と引き分けでしまった。

振り返れば、男子の新監督の指揮下での一戦目はバックパス多用もあって見ていられないほどの拙戦だったが、二戦目は監督の支持があったのだろうと思わせるほど妙な責任逃れパスが減っていた。昨夜の女子も宮間と阪口だけが全体を見る視野があるようで大小の展開が出来るが、新たに試験的に選ばれてきたのだろう世代交替期待の要因は「これは男子代表の悪い面を見習ったのか」と嘆かせてくれたほどの後ろ向き?のサッカーを展開していた。

私はこういう欠陥が今出ていることは、宮間が振り返っていたように悪いことではないと思う。佐々木監督は「今使っている者たちが来年のW杯代表の候補ではない」と明言していると聞いたが、その方針で良いだろうと思っている。この点では男子のフル代表も改善の余地だらけだし、アジア大会用代表も次代を担わせる訳には行かない次元にあるだろう。

これから先にえげつなく荒っぽいサッカーをする欧州や南米勢との試合で経験を積んでいけば、何時の日かは私が指摘するような欠陥は是正されると期待している。特に女子の場合はW杯を制覇した者たちが世界的にも頭抜けていたので、あの水準にまで到達するのは容易ではないとの懸念は残る。

私が考えるもう一つの心配な点は、男女の国内リーグが栄えていくのは斯道奨励の為にも結構なことだが、既に指摘したように「そこで勝つ為のサッカー」になってしまう危険性が残ることだ。その点では「甲子園野球で勝つ為に纏めてしまった高校野球」を見習ってはならないことだ。それは1回の表に無死勝者一塁でバントをするような作戦を指しているのだが。

女子の今回の場合は欧州とアメリカ組を抜いての代表であるから、短期的には全員揃った時点では期待出来ると思う。だが、世代交替とその要員が国際試合の経験を積むことは必要だろう。男子の場合は当たられ弱いことの是正が必要だが、これは代表に入ってくる前に何とかしておくべきことである。

その意味ではサッカーだけにとらわれずに、フットボールのような競技の指導者の意見を採り入れることも一策だろうし、サッカー以外の競技を経験させる機会があっても良くはないか。即ち、「アメリカのようにベースボール、フットボール、バスケットボールを経験した後で、自分に最適の種目を選んでプロになる」時が来ても良くはないと言いたいのだ。

それにしても、当方が中学生だった昭和20年代にはサッカーとはウインタースポーツと心得ていたが、今や真夏でも普通に行われている。アメリカでもフットボールはベースボールの季節が終わりかける頃から始まってる。矢張り、スマホとやらの時代となったように時が流れているのだろう。