製作地 パキスタン・カイバルパクトゥンクワ州 インダス・コーヒスタン地方 Indus Kohistan
製作年代(推定) 20世紀前期
民族名 コーヒスタン族(Kohistan)
サイズ 横幅:23cm、全長:127cm(フリンジ部分除く)
素材 木綿地、絹刺繍、ロシア製銅版更紗(裏地)
パキスタン北西部のカイバル・パクトゥンクワ州“インダス・コーヒスタン地方(Indus Kohistan)”に生活する「コーヒスタン族(Kohistan)」の手による、祝祭用の刺繍サッシュ。
“コーヒスタン族”は古来よりこの地方に生活する先住民族であり、パシュトゥーン系民族の流入により生活エリアを辺境の極小地域に狭められながらも、独自の生活文化を守り続けてきた少数民族となります。コーヒスタン族は、チトラル渓谷に生活する“カラッシュ族(Kalash)”と同様、その多くが近年までイスラーム化を拒みカフィール(異教徒)として生活をしてきた人々であり、彼らの手掛ける衣装や装身具は、他に類するモノの無い独自の様式美が薫るモノとなっております。
本刺繍サッシュは1m20数cmの長い布上に一本の“生命樹”が流麗な枝ぶりとともに伸び伸びと力強く描き込まれた作品、その生命感溢れる刺繍モチーフに目と心を奪われます。
外界と隔たった辺境山岳地帯で、土着の信仰のもとに生きてきた民のもとに伝え継がれてきたモノならではの、どこか神秘的かつ新鮮味溢れる意匠に魅力を感じる一品です。
●本記事内容に関する参考(推奨)文献