製作地 インド ジャンムー・カシュミール州 ラダック地方
製作年代(推定) 20世紀初め
素材 木(杏子の木)
サイズ 横幅34cm、縦7.8cm、厚み1.2cm、重さ250g
この木造彫刻板は、ラダック地方において仏教と並存する(仏教を補完する)民間のシャーマニズム信仰において、シャーマン(祈祷師)が病魔を祓い、豊穣・長寿を祈る(占う)等を主旨とする儀式に使用した祈祷道具です。
ラダックの特産品であり霊木である”アプリコット(杏子)”の老木を材に、神仏及び干支を表わす動物と人が混交した姿の人型(フィギュア)が板状パーツの両面に彫刻されており、この陰刻部にチベット系民族の主食であるツァンパにヤクバターを多めに加えた練り物を詰めて象り(型取り)をし、これを用いて祈祷師が占いと加持祈祷を執り行うものとなります。
チベット暦における干支の12の動物”鼠・牛・虎・猫・龍・蛇・馬・羊・猿・鶏・犬・豚”が人型の身体姿で並び、仏(菩薩)様とともに表わされた面と、神々と信仰者(僧侶)と思われる人型が表わされた面から成り、モチーフひとつひとつに生命感が宿り、敬虔な信仰の中で生み出され用いられたものに固有の精神性の深みが伝わってまいります。