ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

日めくり万葉集<5月>(その5)

2009年10月16日 | 日めくり万葉集
■平成21年10月16日■
NHKテレビ「日めくり万葉集」で取り上げられた 万葉歌を 「大阪弁」で訳します
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★吉野行幸ゆき 従駕の歌は 詠わぬが 独り静かに 寂寥思い
大和やまとには 鳴きてからむ 呼子鳥よぶこどり きさの中山 呼びそ越ゆなる
郭公鳥かっこどり きさの中山 鳴き越えた 大和へ行って 鳴いてんやろか》 
                         ―高市黒人―〔巻一・七〇〕 

★わしのこと 待ってへんのか 待ってんか どっちなんやろ ほんまにあの子
たきぎる 鎌倉山の 木垂こだる木を 待つとが言はば 恋ひつつやあらむ
《枝垂れる 木は松ちゃうが 松〔待つ〕やでと お前言うたら 焦がれへんのに》
                        ―東歌・相模国歌―〔巻十四・三四三三〕 

★大津宮 雲を霞と 消えてもた 旧い都に 波だけ寄せる
楽浪さざなみの 志賀の大わだ よどむとも 昔の人に またもはめやも
せんいな よどみずみたいに とどまって 昔の人に おうおもても》
                         ―柿本人麻呂―〔巻一・三一〕 

★おべんちゃら 分かってるけど ええ気分 こんな男と 思うてみても
うつせみの 常の言葉と 思へども ぎてし聞けば 心まどひぬ
《平凡な 口説き文句と 思うけど 続けて聞くと その気になるわ》 
                         ―作者未詳―〔巻十二・二九六一〕 

★三日間 まともに寝んと 歌作り 三日め朝の 気分はいかに
朝床あさどこに 聞けばはるけし 射水川いみずかは 朝漕ぎしつつ うた舟人ふなびと
朝寝あさねどこ なんか聞こえる のんびりと 川で舟漕ぐ 漁師の声か》
                         ―大伴家持―〔巻十九・四一五〇〕