ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

日めくり万葉集<5月>(その1)

2009年10月05日 | 日めくり万葉集
■平成21年10月5日■
NHKテレビ「日めくり万葉集」で取り上げられた 万葉歌を 「大阪弁」で訳します
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持統天皇てんのうの 伊勢の行幸みゆきに 参加する 妹を留守居の 人麻呂詠う
潮騒しほさゐに 伊良虞いらご島辺しまへ 漕ぐ船に 妹乗るらむか 荒き島廻しまみ
《波荒い 伊良湖の島の 島めぐり 喜んでるか あの児も乗って》 
                         ―柿本人麻呂―〔巻一・四二〕 

藤原宇合うまかいの 帰京を惜しみ 現地妻 思いの丈を 歌に託して
庭に立つ 麻手あさで刈り干し 布さらす 東女あずまをんなを 忘れたまふな
《麻刈って 干したり布を さらな 東女おんなやけども 覚えといてや》
                         ―常陸娘子ひたちのおとめ―〔巻四・五二一〕

★聖武帝 吉野行幸みゆきに 従駕する 赤人景歌 ここに生まれる
み吉野の 象山きさやまの 木末こぬれには ここだも さわく 鳥の声かも
《吉野山 象山きさやま木立ち こずえさき 鳥がいっぱい さえずる朝や》
                         ―山部赤人―〔巻六・九二四〕 

★春が来て うらら膨らむ この胸は おまえ思うて 張り裂けそうや
春されば しだり柳の とををにも 妹は心に 乗りにけるかも 
《春来たら 柳の枝が たわわなる ワシの心に お前がたわわ》 
                         ―柿本人麻呂歌集―〔巻十・一八九六〕 

★咲く桜 惜しむ心か それちごて 膨らむ蕾 高まる期待?
春雨はるさめの しくしく降るに 高円たかまとの 山の桜は いかにかあるらむ
《春雨が ずっとしきりと 降っとおる 山の桜は どうなったやろ》 
                         ―河辺かわべの東人あずまひと―〔巻八・一四四〇〕