犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(021)我が妻も

2011年06月15日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【四月二十五日】放映分

我がつまも き取らむ いづまもが 旅行くれは 見つつしのはむ

 《お前の絵 ひま欲しで 持ってくと 途中見ながら しのべるのんに》
                         ―物部古麻呂もののべのこまろ―(巻二十・四三二七)



【万葉歌みじかものがたり】《行くはと》

あずまの国の たみ百姓ひゃくしょ 国の守りの 防人さきもり
国それぞれに 集められ 難波なにわ目指して 旅に出る
勤め三年みとせと 言うけれど 三年みとせを過ぎる ことしき
旅路費用は 自分持ち 武器食料も 手弁当べんと
年貢 免除も 受けられず 残る家族は 食いかねる
難波湊で 船準備 整備修繕 勤めうち
やがて 船出の 時迎え 見送る人も 見ず知らず
目指す筑紫は  雲向こう 無事の帰りは 運次第

何故なぜにこのわし 防人当たる
あなた どうして 防人される
知らせ 受けたら 思いは悲痛
逃げすべの 無いのが悔し

ふたほがみ しけ人なり あたゆまひ 我がする時に 防人さきもりにさす
《役人は 悪いやつやで 病人の わし防人に させやがってに》
                         ―大伴部廣成おおともべのひろなり―(巻二十・四三八二)
しほふねの そ白波 にはしくも おふたまほか 思はへなくに
《船の舳先を 越す白波なみみたい やぶからに お召しになるか おもてもせんに》
                         ―丈部大麻呂はせべのおおまろ―(巻二十・四三八九)
かしこきや みことかがふり 明日ゆりや かえがむた寝む 妹なしにして
《迷惑な おおもろうて 明日から 草と寝るんか お前と離れ》
                         ―物部秋持もののべのあきもち―(巻二十・四三二一)
今日けふよりは かへりみなくて大君おほきみの しこ御楯みたてと 出で立つ我れは
《今日からは みなうち捨てて わし行くで 国の守りの 兵隊なって》
                         ―今奉部与曽布いままつりべのよそふ―(巻二十・四三七三)
今年行く 新島守にひしまもりが 麻衣あさごろも 肩のまよひは たれか取り見む
《新任の 防人さきもり行く子 着てるふく ほつれて仕舞たら 誰直すやろ》
                          古歌集―(巻七・一二六五)
防人さきもりに 行くはと 問ふ人を 見るがともしさ 物もひもせず
《防人に 行くんは誰の 旦那やと も思わんで 憎らし》
                          作者未詳―(巻二十・四四二五)
我がつまも き取らむ いづまもが 旅行くれは 見つつしのはむ
《お前の絵 ひま欲しで 持ってくと 途中見ながら しのべるのんに》
                         ―物部古麻呂もののべのこまろ―(巻二十・四三二七)
道のの うまらうれに まめの からまる君を はかれか行かむ
道端みちばたの いばら巻き付く 豆のつる からまるお前 置き行くのんか》
                         ―丈部鳥はせべのとり―(巻二十・四三五二)


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