田中眞紀子(シンガー・ソング・ライター)

ピアノの弾き語りで活躍する田中眞紀子のブログサイト。ホームページはブックマークから。

始まりを目撃する

2007-08-09 23:50:36 | Weblog
そもそも、松浦キノコが、あやはことりが、河内伴理が‘良い’ことなど、わかっているのである。
‘良い’彼等が三つ巴になって何を見せてくれるのか、私の大いなる期待は、あっさりと肩透かしを喰らった。
ただ‘普通’に‘良かった’だけだ。

本人達にも言ったので、まぁ傷つけるコメントにはならないだろうと思われる。
本人達も当初は色々考えたらしいが、考案は時間切れでNGとなったらしい。
なお、本人達の名誉の為に付け加えるなら、実にハイレベルにして贅沢な‘普通’なのであった。


三人で何かやる、という観点では、何もしていなかったに等しいので面白くはなかったが、三人を並べて観るという点では興味深かった。

松浦キノコに関しては、前回の方が数段良かったな。
本人にも言ったので、まぁ傷つけるコメントにはならないだろうと思われる。

圧巻だったのはあやはことり。
出番前のSEからして、実にイメージに合っていてムードを盛り上げ、お部屋を作ってからの第一声で、直前の松浦キノコの世界をあっさり粉砕した。
前回の方が良かったからといって、別にキノコが良くなかった訳ではない。ことりが凄かったのだろう。本当にここまで軽々と自分を壊せる若い表現者はそういない。一挙手一投足をちゃんと‘観られて’いる。
ただ、前に観た時より少しは良くなっていたが、構成上どうしても後半もたつくのであった。ピアノの音を鳴らした事で、多少解消されたものと思われる。‘語り’と‘動き’の他に、表現手段として何かもう一つ加えることは、ステージのポイント、引き締め、或いはめり張りを付ける為にも必要だろう。
更なる発展を期待する。

とっちらかされた時計荘303号室が片された後、河内伴理の世界がもたもたとスタートした。
ステージを大きく使うことりに比べ、ギターのマイクに束縛される伴理の存在力は、選曲もあってか最初は弱々しいものだった。
しかし彼の自家発電力は徐々に高まり、最後には完全にステージを支配。さすがの力量!
面白くないMCも健在で、そういえば久しく客席から彼を観ていなかったなぁと、懐かしく思った。


化学反応を目論んで瞬発的に合わせるには、三人ともアイデア、構成力、経験が足りないんだろう。それはしかたがない事だ。まずは自分‘達’を知る事から始めるしかないしね。
次を楽しみに待ちましょう。
以後「三角関係」は30年続くらしいから。(笑)


以前、高橋よしあき君とダンサーのカオちゃんと三人でステージをやった時に、観に来てくれたトシさんから頂いた言葉を進呈しよう。前にも書いてると思うけど。

「二人だと‘恋愛’だけど、三人だと‘社会’になるから難しいんだよ」

‘三角関係’が社会かどうかといえば、微妙に違う気もするが、まずは発想を‘恋愛’からスタートさせるのも悪くないかもよ。少なくとも‘三角関係’は二人の組み合わせの積み重ね。‘恋愛’の延長にあるしね。
その方が‘甘酸っぱい’んでないかい、キノコちゃん?



ところで、ひょんな事から昨日、松浦キノコの本名を知った。

ふぅぅ~ん…