つれづれなるままに

ひぐらしパソコンに向いて・・・・・・・

なんじゃもんじゃ

2022年05月03日 | Weblog
今日は散歩に丁度良い日よりだったので、北公園に行ってみた。
この公園には数本のヒトツバタゴ(別名ナンジャモンジャ)があるのだが、今年もきれいに咲いていた。


毎年この樹を見ると、中学か高校かはっきりしないが、国語の教科書にこの樹の話が出てくる短文があったことを思い出す。そして、「なんじゃもんじゃ」という珍しい名前と共に「明治神宮」と「飛行機」のことが書いてあったような漠然とした記憶があった。
これまでは花を見る度に思い出すだけだったのだが、今年は帰宅してからWebで調べてみた。
キーワードは「なんじゃもんじゃ」、「明治神宮」、「飛行機」。

見付かった!
それは寺田寅彦の随筆で、「年配の人は中学の教科書で読んだ記憶があるのでは?」 と記されていた。間違いない。

 若葉のかおるある日の午後、子供らと明治神宮外苑(めいじじんぐうがいえん)を ドライブしていた。ナンジャモンジャの木はどこだろうという話が出た。昔の連兵場時代、 鳥人スミスが宙返り飛行をやって見せたころにはきわめて顕著な孤立した存在であったこの木が、 今ではちょっとどこにあるか見当がつかなくなっている。
 こんな話をしながら徐行していると、 車窓の外を通りかかった二三人の学生が大きな声で話をしている。 その話し声の中に突然「ナンジャモンジャ」という一語だけがハッキリ聞きとれた。 同じ環境の中では人間はやはり同じことを考えるものと見える。
 アラン・ポーの短編の中に、いっしょに歩いている人の思っていることを あてる男の話があるが、あれはいかにももっともらしい作り事である。 しかしまんざらのうそでもないのである。

寺田寅彦随筆集 藤棚の陰から


教科書に載っていたのはこの文章だったと思うが、随筆の要旨については記憶がないので確信は持てない。
でもすっきりした。
コメント
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