トヨタ自動車と大阪大学の内藤教授らが電気自動車に使われるリチュウムイオン電池の電極材料の製造コストを半減できる技術を開発しました。原材料だけを圧縮するだけで作れ、従来の高温処理が不要となったのです。早期の実用化を目指すとともに、材料メーカーに技術を供与することも検討するそうです。
リチュウムイオン電池は、正極、負極、電解質と、正極と負極を隔てるセパレーターが主要な部材となっているそうです。そして正極には「リン酸マンガンリチュウム」などを使用していて、正極の性能を引き上げるには、材料を数十ナノ(ナノは10億分の一)メートルの微粒子にする必要があるそうです。
しかし今回の新技術で、原材料を混ぜて圧縮する1工程だけで済むようになるのです。それは中心部に回転するローターを備えた円筒に原料を混ぜ、ローターと円筒の隙間で原料が圧縮されることで摩擦熱が発生し、その結果、化学反応が起こり、正極材料ができる仕組みになっているそうです。これは直径が約10センチメートルの試験装置で実験したものですが、材料を混ぜる比率や圧縮具合などを工夫し、20分程度で正極材料が作れたそうです。従来は4~5工程を経て微粒子を作っており、10時間程度かかっていたのです。したがってこの新技術を生かせばコストを大幅に減らすことが期待できるそうです。
もう一つトヨタ自動車は電気自動車の走行距離を現行の2倍以上に伸ばす次世代蓄電池の基礎技術も開発したそうです。海水に豊富に含まれるナトリウムを使うタイプで、主要部分である電極の材料を新たに開発、現在主流のリチュウムイオン電池に比べ価格も引き下げられると言います。2020年ごろの実用化を目指して研究を進めるそうです。
今回開発したのは、ナトリウムイオンで電子をやり取りする「ナトリウムイオン電池」の正極に使う材料だそうです。複数のリン酸化合物とニッケルなどの金属、ナトリウムでできた化合物だそうです。コインサイズの電池を試作したところ、室温で動き、電気自動車の走行距離の指標となる電圧の値がリチュウムイオン電池に比べ3割ほど高かったと言います。トヨタによれば、さらに分析は必要だが「走行距離が大幅に伸ばせそうで、500~1000キロの実現が視野に入った」と言っています。
トヨタは「自動車の走行距離は、ハイブリッド車で最大約1000キロ、電気自動車が本格的に普及するには500~1000キロの実現が欠かせない」とみているそうですが、現在の自動車電池は200キロほどで、リチュウムイオン電池では300キロが限界とされています。さらに次世代電池の開発が急務で、トヨタは「空気電池」や「全個体電池」などのタイプも開発中だそうです。ナトリウムイオン電池は、リチュウム電池の性能を超えることは理論上難しいとも言われていたのですが、今回の成果で有力候補の一つになったのです。
このようにトヨタは次世代技術の開発に成功しています。現在は円高や中国での尖閣諸島問題や欧州の金融不安などがあり苦しい立場に立たされていますが、もしトヨタがグローバル競争に負けるようなことにでもなれば日本経済に甚大な影響が出ることは必至であり、今回のような新技術の開発で先行することは非常に重要な事です。
リチュウムイオン電池は、正極、負極、電解質と、正極と負極を隔てるセパレーターが主要な部材となっているそうです。そして正極には「リン酸マンガンリチュウム」などを使用していて、正極の性能を引き上げるには、材料を数十ナノ(ナノは10億分の一)メートルの微粒子にする必要があるそうです。
しかし今回の新技術で、原材料を混ぜて圧縮する1工程だけで済むようになるのです。それは中心部に回転するローターを備えた円筒に原料を混ぜ、ローターと円筒の隙間で原料が圧縮されることで摩擦熱が発生し、その結果、化学反応が起こり、正極材料ができる仕組みになっているそうです。これは直径が約10センチメートルの試験装置で実験したものですが、材料を混ぜる比率や圧縮具合などを工夫し、20分程度で正極材料が作れたそうです。従来は4~5工程を経て微粒子を作っており、10時間程度かかっていたのです。したがってこの新技術を生かせばコストを大幅に減らすことが期待できるそうです。
もう一つトヨタ自動車は電気自動車の走行距離を現行の2倍以上に伸ばす次世代蓄電池の基礎技術も開発したそうです。海水に豊富に含まれるナトリウムを使うタイプで、主要部分である電極の材料を新たに開発、現在主流のリチュウムイオン電池に比べ価格も引き下げられると言います。2020年ごろの実用化を目指して研究を進めるそうです。
今回開発したのは、ナトリウムイオンで電子をやり取りする「ナトリウムイオン電池」の正極に使う材料だそうです。複数のリン酸化合物とニッケルなどの金属、ナトリウムでできた化合物だそうです。コインサイズの電池を試作したところ、室温で動き、電気自動車の走行距離の指標となる電圧の値がリチュウムイオン電池に比べ3割ほど高かったと言います。トヨタによれば、さらに分析は必要だが「走行距離が大幅に伸ばせそうで、500~1000キロの実現が視野に入った」と言っています。
トヨタは「自動車の走行距離は、ハイブリッド車で最大約1000キロ、電気自動車が本格的に普及するには500~1000キロの実現が欠かせない」とみているそうですが、現在の自動車電池は200キロほどで、リチュウムイオン電池では300キロが限界とされています。さらに次世代電池の開発が急務で、トヨタは「空気電池」や「全個体電池」などのタイプも開発中だそうです。ナトリウムイオン電池は、リチュウム電池の性能を超えることは理論上難しいとも言われていたのですが、今回の成果で有力候補の一つになったのです。
このようにトヨタは次世代技術の開発に成功しています。現在は円高や中国での尖閣諸島問題や欧州の金融不安などがあり苦しい立場に立たされていますが、もしトヨタがグローバル競争に負けるようなことにでもなれば日本経済に甚大な影響が出ることは必至であり、今回のような新技術の開発で先行することは非常に重要な事です。