事業仕分けの際に「2位じゃダメなんですか」と指摘を受けたスパコンでしたが、今回、次世代スパコン「京」が世界一になりました。世界のスーパーコンピュータのランキングが発表され、理化学研究所と富士通¬が開発中の次世代スパコンが世界一に認定されました。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は日本のスーパーコンピューター「京」の計算速度世界一獲得を「日本にとって誇りの源泉になる」と報道、記事へのコメント欄には21日、読者から「地震に不屈なように、日本は偉業を成せることを示している」と応援の言葉も書き込まれた。記事は同スパコンのプロジェクトについて、製薬や材料工学での飛躍に役立て「日本株式会社の競争力を増すことを狙う」と説明。一昨年の政府の事業仕分けで「世界一でないといけないのか」と追及された経緯も紹介したそうです。
読者コメントの中には「私は日本人だが恥ずかしい。最速コンピューターを作って何の意味があるだろう。日本の今のコンピューターで日常業務は十分」との内容も。これに対し「良い薬を作り人々が長生きできるように使われるのだ。意味はあるだろう」との書き込みがあった。といろいろな考えがあることは当然だと思います。
しかし目の前のことで十分としていれば、いつかそれでは十分ではなくなる日が来ることでしょう。足元ばかり見ていては人間でも転んだり、何かにぶつかったり、避けたりすることができません。かと言ってあまり遠くを見すぎていても、足元に危険が迫っていても気がつかず、怪我をしてしまうかもしれません。一番歩きやすいのはある程度先を見て歩くと言うのが一番安全な方法であり、人はみんなこうした歩き方を自然としているはずです。
つまり余り目先のことしか考えていなければ危険への対処が難しくなるし、あまり遠くのことを研究していてもすぐには役に立たず、人的にも、時間的にも、費用的にも無駄が多くなってしまいます。一番効率が良いのは、ある程度先を見て進むことが一番優れていると言うのは人間の歩き方一つ見ても明らかであり、自然の理に適った考えなのです。
今回のスパコン世界一になっても、株主からは「スパコン世界1位は日本を明るくする慶事だ」、「富士通の技術が立証された」と称賛の声が挙がる一方で、「スパコンを世界に売っていくための努力が必要」や「世界1位になっても株価への影響がなかった」との注文も出されたそうです。株主というものはそういうものなのかも知れませんが、目先の利益ばかりのことを言っているだけではいずれ利益の源泉を失うことになってしまうかもしれません。山本社長は「日本としてスパコンをどう進化させるかということと同時に、富士通としてどう事業につなげるかが今後の大きなテーマになる」と述べたそうですが、社長としては当然と思います。足元も見ながらある程度先を見ることが必要だと思います。
事業仕分けの際に「2位じゃダメなんですか」と言った蓮訪議員はどう言っているかというと、「きわめて明るいニュースと言った上で、ナンバー1になることだけが自己目的化するのではなく、国民の皆さんの税金を活用しているのでオンリー1を目指してほしい」と言っていました。しかしあの時はそんな感じではなく、2位あるいはそれ以下でも十分じゃないの?という感じでした。オンリー1なんて一言も言っておりません。しかしスパコンでオンリー1ということは1位ということと同じことではないのでしょうか?それとも量子コンピューターでもやってオンリー1になれとでも言うのでしょうか?政治家と言うのは、「ああ言えばこう言う」タイプの屁理屈人間が多いような気がします。口先だけで政界を遊泳しているのでしょうか?
しかし喜んでばかりはおれません。と言うのは、「世界一の座は長く続きそうもない」と指摘されているからです。米国の研究者は「京」を上回るスパコン(100京級)にすでに取り組んでおり、中国もスパコンへの投資を続けているのに対し、資金的余裕のなくなった日本は、「京」の後継計画も決まらず、日本が競争についていけるかは不透明になっているからです。
とは言っても、スパコンの性能は計算速度だけでは決まらず、ソフトウエアも重要だそうです。このため、「京」では創薬や太陽電池の開発、宇宙誕生の解明などにつながる模擬実験用のソフトウエア開発も進めています。防災への貢献も目的の一つで、現在は20メートル四方が最小単位の津波の計算も「京」では2メートル四方ですむそうです。蓮訪議員にはこう言う使われ方をしているということもよく知ってほしいものです。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は日本のスーパーコンピューター「京」の計算速度世界一獲得を「日本にとって誇りの源泉になる」と報道、記事へのコメント欄には21日、読者から「地震に不屈なように、日本は偉業を成せることを示している」と応援の言葉も書き込まれた。記事は同スパコンのプロジェクトについて、製薬や材料工学での飛躍に役立て「日本株式会社の競争力を増すことを狙う」と説明。一昨年の政府の事業仕分けで「世界一でないといけないのか」と追及された経緯も紹介したそうです。
読者コメントの中には「私は日本人だが恥ずかしい。最速コンピューターを作って何の意味があるだろう。日本の今のコンピューターで日常業務は十分」との内容も。これに対し「良い薬を作り人々が長生きできるように使われるのだ。意味はあるだろう」との書き込みがあった。といろいろな考えがあることは当然だと思います。
しかし目の前のことで十分としていれば、いつかそれでは十分ではなくなる日が来ることでしょう。足元ばかり見ていては人間でも転んだり、何かにぶつかったり、避けたりすることができません。かと言ってあまり遠くを見すぎていても、足元に危険が迫っていても気がつかず、怪我をしてしまうかもしれません。一番歩きやすいのはある程度先を見て歩くと言うのが一番安全な方法であり、人はみんなこうした歩き方を自然としているはずです。
つまり余り目先のことしか考えていなければ危険への対処が難しくなるし、あまり遠くのことを研究していてもすぐには役に立たず、人的にも、時間的にも、費用的にも無駄が多くなってしまいます。一番効率が良いのは、ある程度先を見て進むことが一番優れていると言うのは人間の歩き方一つ見ても明らかであり、自然の理に適った考えなのです。
今回のスパコン世界一になっても、株主からは「スパコン世界1位は日本を明るくする慶事だ」、「富士通の技術が立証された」と称賛の声が挙がる一方で、「スパコンを世界に売っていくための努力が必要」や「世界1位になっても株価への影響がなかった」との注文も出されたそうです。株主というものはそういうものなのかも知れませんが、目先の利益ばかりのことを言っているだけではいずれ利益の源泉を失うことになってしまうかもしれません。山本社長は「日本としてスパコンをどう進化させるかということと同時に、富士通としてどう事業につなげるかが今後の大きなテーマになる」と述べたそうですが、社長としては当然と思います。足元も見ながらある程度先を見ることが必要だと思います。
事業仕分けの際に「2位じゃダメなんですか」と言った蓮訪議員はどう言っているかというと、「きわめて明るいニュースと言った上で、ナンバー1になることだけが自己目的化するのではなく、国民の皆さんの税金を活用しているのでオンリー1を目指してほしい」と言っていました。しかしあの時はそんな感じではなく、2位あるいはそれ以下でも十分じゃないの?という感じでした。オンリー1なんて一言も言っておりません。しかしスパコンでオンリー1ということは1位ということと同じことではないのでしょうか?それとも量子コンピューターでもやってオンリー1になれとでも言うのでしょうか?政治家と言うのは、「ああ言えばこう言う」タイプの屁理屈人間が多いような気がします。口先だけで政界を遊泳しているのでしょうか?
しかし喜んでばかりはおれません。と言うのは、「世界一の座は長く続きそうもない」と指摘されているからです。米国の研究者は「京」を上回るスパコン(100京級)にすでに取り組んでおり、中国もスパコンへの投資を続けているのに対し、資金的余裕のなくなった日本は、「京」の後継計画も決まらず、日本が競争についていけるかは不透明になっているからです。
とは言っても、スパコンの性能は計算速度だけでは決まらず、ソフトウエアも重要だそうです。このため、「京」では創薬や太陽電池の開発、宇宙誕生の解明などにつながる模擬実験用のソフトウエア開発も進めています。防災への貢献も目的の一つで、現在は20メートル四方が最小単位の津波の計算も「京」では2メートル四方ですむそうです。蓮訪議員にはこう言う使われ方をしているということもよく知ってほしいものです。