マックンのメモ日記

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安全神話の要である最後の砦が取り去られていた!

2011-06-03 19:32:32 | 政治(国内・海外)
福島原発は津波以前の地震ですでに冷却系等が壊れ、それが元でメルトダウンしていたことが明らかになっています。それが判明したのはまだ最近のことですが、海外では当初よりすでにメルトダウンしている可能性が高いと言われていたのですから、海外の専門家がそういう見方をしていたと言うのに、日本の原発関係者が分からないはずはないのです。要はチェルノブイリのときもそうでしたが、こうした事故を起こすと必ず政府は事件を隠そうとするし、事故の規模を矮小化しようとして責任逃れに走るのです。だから嘘でも、たいした問題ではないとか、直ちに危険はないとか言うわけです。その言い訳の仕方も決まっていて、国民に無用な混乱をまねくと言うものです。今回の事故でも全く同じことが繰り返されていることでも分かります。却って海外の原発関係者などは当事者ではないので、隠す必要もなく本当のことが言えるため的確な判断ができるのです。

政府の言うことはまず疑ってみるということが大事なのですが、如何せん国民には事故に対する正しい情報というものは全く入ってきません。政府が事故を隠したり、嘘の数字を並べたてて、たいしたことはないと言って事故を矮小化するからです。したがって私達は何を信じていいか分からないと言うのが現実で、いつもバカをみるのは弱い人たちと相場が決まっています。本来はメディアが国民に代わって追求すべきなのですが、そのメディアも東伝に取り込まれているので追及も甘くなりがちです。今回の事故では原発で働く人たちの積算被爆量の手帳もしっかり管理されていません。5年後10年後にガンなどが発生したりしても因果関係が認められないと、裁判所も政府や御用学者たちの意見に従って、今までもなかなか原爆被害者の認定をしてこなかった事実を見ても分かります。裁判所と言えども、放射のことなどは詳しく分かりません。結局、政府の意見に沿う形で判決が出てしまうのです。

今回のメルトダウンもなぜあれほど簡単にメルトダウンしたのだろうと疑問に思っていた日本の学者もいたそうです。福島原発の設計時には蒸気凝縮系機能と言うものがあったそうです。これは冷却機能の最後の砦と呼ばれるもので、原子炉から出る蒸気を配管に通し、熱交換器で冷やして水に戻し、再び原子炉に注水すると言う冷却システムのことで、かつ原子力内の圧力を下げる機能があるとされるものです。なぜこれが最後の砦かと言うと、通常の場合は原子炉を止めても、高圧炉心スプレーと低圧炉心スプレーなどの系統で冷却できるのですが、実はこれらの系統は電源がないと動かないのです。ところが蒸気凝縮系機能は電源がなくとも作動するようになっているのです。と言うことでお分かりだと思いますが、冷却系等が全て壊れたため燃料棒の冷却ができなくなり今回の大事故へと繋がったことを見れば、もしかしたらこれが作動していれば大事故に繋がらなかった可能性もあったのです。

ところが、この機能は機能的には安全上必須の設備ではないとし、これが無くても水蒸気逃し安全弁を使うことで原子炉の崩壊熱等を問題なく除去できるとして撤去されてしまったのです。それもたいした議論もなくあっさりと決まってしまったと言うのですから言葉になりません。それには伏線があったのです。それは01年に浜岡原発で原子炉が停止するレベル1の事故が起きたのです。蒸気凝縮系で水素爆発が起こって配管が壊れたのが原因でした。これが日本発の水蒸気爆発と言われている事故ですが、その後、配管内に水素がたまらないように遮断弁を設置して対応するようになったのです。そして02年から逐次蒸気凝縮の配管自体を撤去し機能を削除してしまったのです。中電の理由が遮断弁の保守管理に手間がかかると言うものだったのです。そして中電に追随する形で東電も削除してしまったのです。その申請者とは勝俣会長なのです。東電経営陣の体質は「事務系の社長は安全より収益を優先していた」と言われていました。これからもそれが裏づけられます。

その学者はもともと原子炉を止めても残留熱と言う崩壊熱が続くので、それを凝縮させ冷却するのに蒸気凝縮系のシステムは必要なものだからつけたのに、本来は事故の恐れがあるならそれをさらに改良するのが普通で、それを削除してしまったと言うのは考えられないと言っています。東電はこれを削除した理由を5月29日にこう言っています。「現実問題一度も使ったことがなく水位の制御が極めて難しい。浜岡原発で水素ガスが爆発したので撤去した」と言っています。しかしそもそも原発は多重防護システムをとっているわけで、それを管理が難しいからと言って取ってしまったと言うのでは、安全には安全を期しているという原発の安全神話の話と違うではありませんか?そもそも安全神話なんていうものは国と電力会社が作り上げた神話だと言うのが今回の事故ではっきりしているのです。だから経産省もその提案を丸呑みして許可しているのです。なんと言っても仲間同士ですから。

原発問題の調査を続けてきた民主党の原口一博衆議院委員も緊急炉心冷却装置は原発安全神話の中核で、幾重もの安全装置が働くからメルトダウンは起こらないと説明されてきていたと言っています。ところが調べると最後の砦でもある蒸気凝縮系機能を東電はあっさり取ってしまっていたし、議事録を見ても、しっかり議論した様子もないと言うのです。さらに文書に判を押した政治家にも責任があると言っています。もちろん原子力安全委員会や原子力安全・保安院の罪も重いものがあります。実はこうした蒸気凝縮系機能を撤去したのは小泉政権時代なのです。電力会社と二人三脚で原発を推進してきたのは自民党政権そのものなのです。今回このシステムが撤去されていなければメルトダウンは起こらなかったかどうかは分かりませんが、安全管理上、冷却機能の一つが外されていたと言う事実は重いはずです。そのためにはなぜ撤去したのかと言う東電の徹底した説明が、これからのことを考える上でも重要なことです。しかも政治家も責任を取らずにのうのうと暮らしていると思うと犠牲者の方々の気持ちを思えば、政・官・産・学の関係者は裁判にかけ責任を追及してほしものです。