マックンのメモ日記

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日本の良さの切っ掛けとなる世界農業遺産への登録!

2011-06-14 19:32:07 | 自然・環境問題・古生物
石川県・能登半島と新潟県佐渡市が世界農業遺産に登録されました。これは国内初というだけではなく、先進国で初の登録でもあったそうで、FAOにとっても画期的な決定だったと新聞は言っています。ところで世界農業遺産って知っていました。こう言う世界遺産があるとは、お恥ずかしながら今回初めて知ったしだいです。

世界農業遺産は、正式には「世界重要農業資産システム(GIAHS)」というのだそうです。国連食糧農業機関(FAO)が2002年から始めたプロジェクトで、次世代に継承すべき農法や生物多様性などを持つ地域の保存を目指しているそうで、自然を生かした伝統的な農業の保護などに努める地域を認定する世界農業遺産です。つまり環境保全に目配りした特色ある農業が実践されている地域を「世界重要農業資産システム(GIAHS)」として認定しており、人の営み、働き掛けが前提であり、それが必須となっており、単なる農業自然景観の保存ではありません。ちなみに、別名「世界農業遺産」と呼ばれているそうです。

国連食糧農業機関(FAO)は、地域環境を生かした伝統的な農法や、環境に配慮し、生物多様性が守られる地域社会の取り組みなどを後世に残すため、9年前から「世界重要農業遺産システム」いわゆる「世界農業遺産」の制度を始めています。そして「世界農業遺産」の今年の選考委員会が今週、中国の北京で開かれ、日本からは初めて新潟県佐渡市と石川県の能登半島が認定されたものです。認定の理由として、佐渡市は、国の特別天然記念物であるトキを守るため農薬を減らした稲作を進めるなど、自然と人間が共生する取り組みが評価され、能登半島は、「能登の里山里海」と呼ばれる美しい棚田の風景や一年の豊作を神に感謝する伝統行事「あえのこと」が、農家の間で今も息づいていることなどが評価されたということでした。

世界の飢餓対策にも取り組んでいるFAOですが、食糧増産のために農業の効率性を高めるのとは全く逆に、伝統的な農法の見直しを強めてきたのは、効率一辺倒で社会そのものがだんだん疲れてきた結果であり、そのため、あっちこっちでその綻びが起きているのが今の状態であり、そうしたことを前提にして農業遺産というものを通じて、古きよき物も残すという、その意義は大きいと思います。新しいものを追い求めるのも大切なことですが、それと同時に昔ながらの文化や生活を守るということも同じくらい大切なことだと思います。食料自給率の低さが問題になっている日本にとっても、今回の登録は今後の農業の在り方に一石を投じたと言えます。

ただ、忘れていけないことは、千枚田もトキもあくまで象徴であり、それを支えるシステムを大事にしていると言う事です。だから一部の地域や取り組みだけに注目するだけではダメで、自然と共生とか、自然と地域が一体となった農業遺産であるということを忘れてはいけません。里山や里海が、環境保全だけでなく農業の在り方としても国際的評価を受けた理由なのです。この決定をうけ、日本の良さを見直し、地域の元気につながると良いですね。そして今日本事態が原発の風評被害に苦しんでいるときだけに、明るいニュースとして大変嬉しいことです。環境保護や農業保全との調和も図りながら、うまく観光の促進などにつながるような地域活性化の切っ掛けになればと思います。