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東京行進曲

2006年10月31日 | 日本映画
東京行進曲

1929年、昭和4年(日活太秦)
監督:溝口健二
出演:夏川静江、一木礼二、高木永二
場所:東京国立近代美術館フィルムセンター(22分短縮版)

ヒロインが芸者なのは溝口映画によくあるパターンか。冒頭に映し出されるのは東京、銀座あたりのようだ。駅からは人が溢れ出てくる。オーバーラップする人並み、街並み…大都東京。
主人公の男がテニスをしている。彼は裕福な家庭の子。金網から飛び出るボール。そこに長屋?からヒロインが登場。少し高い位置にあるテニスコートを見上げる彼女。男に頼まれた彼女はボールを金網越しに投げ返そうとするが、投げ超せない。身分の違いの演出もあるのだろうか…何回も何回もボールを投げるヒロイン。そんな女に男は一目惚れ。彼はボールを投げるヒロインをカメラで写し、ロケット(ペンダント)に入れ、理想の女性と恋いこがれる。でもヒロインは貧乏な家庭の娘。年の離れた旦那に身請けを持ちかけられているが拒んでいる。ある宴会で芸者と客という形で再会した二人。やがて二人は恋仲になる。しかし身請けを迫っていた旦那は実は彼女の父親で、しかも主人公の男は旦那の息子であった……禁断の恋になってしまった二人は、泣く泣く別れるのであった。



無声映画の初体験。弁士も音楽も何もなしだったので、飽きちゃうかと思ったが、あにはからんや…すぐに慣れた。感覚としたら漫画を読んでいる感じと似ている。これぞ活動写真、無声映画かな。かすかに聞こえる映写機の音…昭和4年の作品で、しかも無声映画なのに飽きない。まだワンシーン・ワンカットの技法は無く、アップ、ロング、カットチェンジが頻繁に行われ、アングルも色々。古さをあまり感じなかった。面白い。

印象に残ったシーン。
病弱の母の病院のベッド。ヒロインは彼女を見舞っている。映し出されるのはうつむいているヒロインのシルエット。母は言う…

男なんかはね、女をものにした次の日からもう、女に飽きるのよ…
男に惚れるんじゃないよ…。


この映画の主題歌があったそうで、映画の最後の方に歌詞が映し出されていた。その「東京行進曲」は西条八十と中山晋平のゴールデンコンビ(なの?)で大ヒットしたそうです。(メロディを聞いたら、あぁ、あの曲かと思いました。)

『東京行進曲(佐藤千夜子)[作詞:西条八十、作曲:中山晋平](5月発売)
<同名映画の主題歌。25万枚という空前のヒットとなった。> 』ザ・20世紀より


東京行進曲
作詞:西条八十
作曲:中山晋平

昔こいし 銀座のやなぎ
仇な年増を だれが知ろ
ジャズで踊って リキュルで更けて
明けりゃダンサーの なみだ雨

恋の丸ビル あの窓あたり
泣いて文書く 人もある
ラッシュアワーに 拾ったバラを
せめてあの娘の 思い出に

廣い東京 恋ゆえ狭い
粋な浅草 しのび逢い
あなた地下鉄 わたしはバスよ
恋のストップ ままならぬ

シネマ見ましょか お茶のみましょか
いっそ小田急で 逃げましょか
変る新宿 あの武蔵野の
月もデパートの 屋根に出る


現代の東京

東京の京橋~日本橋あたりには、昭和を思わせる古い建物が残っていて良いですね。


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