あとだしなしよ

Japanese text only..
落書きブログです。
報道記事の全引用は元記事消去への対応です。m(__)m

ドラマスペシャル“李香蘭”

2007年02月13日 | 外国映画
ドラマスペシャル“李香蘭”
2007年、平成19年、テレビ東京
監督:堀川とんこう
出演:上戸彩、橋爪功、名取裕子、菊川怜、中村獅童

ひさびさにテレビのドラマを見た。タバコのシーンが多くて、スポンサーの意向で挿入されているんじゃないの??と感じたのは禁煙中の私だけか…(最近マスコミへの不信が激しい…上戸彩さん、藤純子に似てるなあと思いつつ見た。私は面白く見れたけれど…唄にケチつけてる人も多いが私は好きだな…甘粕の自害シーンに内田吐夢監督がちょろっと出ていて…黒板には甘粕の有名?な言葉、「大ばくち 身ぐるみ脱いで すってんてん」と書いてあった。。。なんだかな…長谷川一夫さんが顔を暴漢に斬られたエピソードは知らなかった。映画会社の移籍がらみで松竹の雇ったヤクザさんにやられたってホントかなあ…今から見ると、なにもかもムチャクチャな時代に見えてしまう……国なんて美しくなくたっていいよ…ステテコにハラマキのおっちゃんが道ばたで「いのちみじかし~こいせよ オトメ~」ってうたってるほうが良いな…

汚れた血 (Mauvais Sang)

2007年02月11日 | 外国映画
汚れた血 (Mauvais Sang)
1986年、フランス
監督:レオス・カラックス
出演:ドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュ 、ミシェル・ピッコリ

ひとつひとつの映像が綺麗で、ちりばめられた映像は詩を構成する言葉のようで非常に美しい映画でした。
ラストシーンは素晴らしい…


Leos Carax

もう20年も前の作品なのか…初めて見ました

現金に体を張れ

2007年02月07日 | 外国映画
現金に体を張れ - The Killing
1956年、アメリカ、ユニオン=映配共同配給
監督:スタンリー・キューブリック
出演:スターリング・ヘイドン、コリーン・グレイ

キューブリック、27歳ごろの作品だそうで、ヒッチッコックぽい印象もしたが、こちらの画面はずいぶんダイナミック。駆け出しの頃のキューブリックは製作資金に苦労していたらしく、借金を繰り返して映画を作っていたそう。この作品はプロデューサーのJames B. Harrisと組んでHarris-Kubrickというプロダクションを作り、映画製作を始めた第一回の作品とのこと。競馬場の売上金を強盗する話で、競馬場の大観衆と疾走するサラブレットのシーン(超望遠レンズ?)は迫力があった。強盗団の実行時のプロットの重ね方や演技が、荒々しいザンギリな感じがして臨場感があった。(現金袋を無確認に窓から放り投げるところとか)実行犯それぞれの異なる時間軸をそれぞれ描写したのが、ユニークだと思った。身勝手で不釣り合いな美人妻に翻弄される小市民の夫が哀れでした…既存の映画からの脱却を図りつつ、商業的な成功も考慮に入れている感じがして、この姿勢が大切なのかとも感じた。。この作品の1年後に作った「突撃」は必見だと思う。

『拳闘試合の日』 - Day of the Fight (1951)
The Flying Padre


2001年宇宙の旅

2007年02月06日 | 外国映画
2001年宇宙の旅 - 2001: A Space Odyssey
1968年、MGM配給
監督:スタンリー・キューブリック
出演:ケア・ダレー 、ゲイリー・ロックウッド

ひさしぶりに見た。初めてみたのは最初のリバイバルの有楽町だったっけか。。キャメラが凄い。キューブリックの初カラー作品だと思うのですが、白黒の映画監督がカラーになるとダメになる例はたくさんあると思うのですが、キューブリックの場合は映像的に最高傑作になってしまうのが凄いと思います。(私はシャイニングがNo1なのですが…)光と影の魔術が素晴らしい(オプティカル合成の所じゃなくても)。特撮もCG無しでの撮影で、どうやって撮ったんだろうと思いつつ見てしまう。猿人→人類→新人への種の進化と、骨の武器→宇宙船→?への道具の進化がパラレルに描かれる。人口知能のコンピュータが否定され、モノリスが地球外生命の痕跡なら、人類は地球外生命によって導かれる子なのか。ジーザス。まだ生まれていな新人の赤子はいつ生まれ、そして何をするのだろうか…その手には何が握られているのだろうか……なんてね。


アルジェの戦い

2006年11月29日 | 外国映画
アルジェの戦い/ La Battaglia Di Algeri
1966年 イタリア、アルジェリア
監督:ジロ・ポンテコルヴォ

フランス植民地支配へのレジスタンンス運動をドキュメントタッチで描く。主人公アリは無学で字も読めないレジスタンス。組織のNo2。ボクサー、職工などの職歴。テロのシーンや銃の乱射、住民蜂起の映像など迫力、緊迫感満点で娯楽映画としても楽しめてしまう…イタリア映画でアルジェリアの全面協力の元、いわゆるネオリアリズムの手法で制作された。この映画を撮ったジロ・ポンテコルヴォ監督は今年他界された。

舞台:
フランス植民地、1950~1962年のアルジェリア。カスパと呼ばれるアラブ、先住民系居住区とヨーロッパ人が住む近代的な都市と別れている。当然だがカスパは貧困で、彼らはヨーロッパ人に差別もされている。死刑はギロチンで行う。

レジスタンス組織:
一つのコアにリーダ一が一人に部下二人で構成される。それぞれの部下にまた二人の部下がいる。その関係が下まで続く。指示は直属のリーダーからその部下だけに与えられ、全体で集まる事は無い。このシステムの利点は互いが顔を知らないことで、末端が捕まっても全体に与える影響は少ない。今だとテロ組織である。まだ少数の組織で民衆の運動には至っていない。
頭 -部下1-部下3
   |      -部下4
   |      
   |   
   -部下2-部下5
       -部下6

組織には女もいる。彼女らが検問を潜り爆弾を運んだり、武器を仲間に渡したりする。イスラム教?なので検閲官は女性に触れてはいけないので検問所の突破が可能。銃を街の中のゴミ箱や女の買い物かご等に隠し、仕事の後に元の場所に返す。爆弾テロを空港やダンスホール、カフェで実行。テロのシーンのリアリズムは特筆もの。かれらは民衆の奮起を促し、国際社会の関心を集める為にテロを行っている。爆弾テロを行うのは、彼らが大規模な兵器をもてないからだと言う。

フランス:
最初は現地の警察が対応していたが鎮静できず。遂に軍を派遣。軍は第2次世界大戦にも参加した理工系出身の指揮官が指揮をする。警察と軍の違いは警察は法を守るが、軍だと必ずしも守らなくとも良い。結果を得る為には手段を選ばないということだろう…だから殺しだって破壊だってする。カスパ住民がゼネストを行ったのを口実に、カスパへの強制捜査を強め、構成員を捕まえて拷問し追いつめて行く。映画でも拷問のシーンは描かれていたが、もっとひどい拷問があったとも聞く。彼らは言う…「道路を造ったのは我々だ。文明をもたらしたのは我々である」と…

壊滅:
レジスタンス組織はリーダも捕まり壊滅状態に。最後のメンバーのアリも仲間とともに爆破され死亡。レジスタンス運動は消滅する。

市民蜂起~アルジェリア革命:
きっかけは不明だが、カスパの民衆が自然蜂起。デモ状態から暴動へと発展。おんなたちのヒュー、ヒューという合唱がしだいにカスパにあふれていく。非武装の群衆がフランス軍に向かって突進する…蹴散らされるフランス軍。軍はついに民衆に向かって銃を乱射。しかし運動は収まらない。夜のカスパにおんな達の大合唱がこだまする。

独立運動はそれから2年続き、遂にアルジェリアはフランスから独立を果たす。

*
9.11以後の現在では絶対に作る事が出来ない感じの映画。屈辱と貧困の人生を歩まなければならないレジスタンスはテロリズムに訴えるしかなかったのか…アルジェリア民衆からみれば、レジスタンスの行為はテロリズムでは無いことは明らかであろう…日本でもテロ対策だといって、ジミントウは共謀罪という不気味な法案を通そうとしている。

第41回(1967年度)キネマ旬報ベストテン 第1位

二十四時間の情事

2006年10月31日 | 外国映画
二十四時間の情事/Hiroshima mon Amour

1959年、昭和34年
監督:アラン・レネ
出演:エマニュエル・リヴァ 、岡田英次

広島に映画出演の為に来たフランス人女性と、建築士で政治家の日本人の恋物語。
昭和34年当時の広島の街並や風俗が見られる。今の都会に比べるとガランとした印象を受ける。夜のヒロシマはネオンサインで彩られている。劇中の映画は反戦、平和映画でデモのシーンでは被爆者のかたや被害の様子を写した写真等が画面に映しだされる。
フランス人女性も少女時代に第2次世界大戦時のドイツに占領された街、ヌーベルに住んでいた経験を持つ。少女だった彼女はドイツ兵と恋仲に落ちる…やがて終戦。恋人は銃で撃たれ、死ね。彼女は村の人たちに、非国民と罵られ、差別を受ける。群衆に囲まれ頭をハサミでザンギリにされ、小突き回される。
彼女の過去を知った男は、一緒に広島に住むことを恋う。

あなたの名は"ヒ・ロ・シ・マ" 、"ヒロシマ"!
そう、僕の名前、君の名は"ヌーベル"


しかし、邦題の「二十四時間の情事」ってすごいですね。さすが大映!だったのかなぁ…「Hiroshima -私の愛-」とかじゃあダメダメ!、売れないよ!って感じだったのかな…。随分昔に1回見たことがありました。昔の酒場とか、川沿いの喫茶店「ど~む」のシーンなどが、ある意味シュールで面白かったです。しかし「どーむ」って"原爆ドーム"の"どーむ"か。出入り口にのれん。のれんには「コーヒ、酒」の文字が…そうゆうものか‥岡田英二の吸っている煙草の銘柄が『いこい』だった…直前の記事で、ハチマキのおっちゃんが耳にひっかけているやつですね…


ドクター・フー 第一話

2006年09月25日 | 外国映画
ドクター・フー..NHK BSで始まった、BBC制作のドラマを見ました。


Kraftwerkの「Showroom Dummies」のようにエイリアンに操られたマネキンに襲われる二階建てバスの街ロンドン!人類は絶滅の危機!!ヒロインはドクター・フーと共にエイリアンのアジトに潜入するがドクターはマネキンに捕われ絶体絶命…
  
 大学には行けなかった…
  仕事もポシャってしまった…
  でも…体操部ではエースだったっ!!


この言葉を胸に、彼女はマネキンに蹴りをくらわし、人類を皆殺しの危機から救うのであった。

いえーい!
そうでなきゃー、いけねえ。

ロンドンの街並を眺めるのも、楽しきかな…あれはビッグベンかテームズ川か…

突撃

2006年07月17日 | 外国映画
突撃
1957年
監督:スタンリー・キューブリック
出演:カーク・ダグラス

キューブリック監督の作品。西部戦線の戦場のシーンがリアル。円形の塹壕の中をカメラで回りながら役者を映し出すシーンや、無謀な命令を遂行し、ドイツ軍の蟻塚と呼ばれるトーチカに突撃するシーンは圧巻であった。


写真はWikipediaからの実際の戦場の写真(兵隊の死体が見える)

味方の死体がゴロゴロと転がる。さすがキューブリックと思わせるリアリズム。後半は敵前逃亡の兵隊に対する裁判と処刑のシーンが描かれる。どこかのパレスに軍服や貴婦人と、近代と前近代がミスマッチに交わる。ラストシーン近くに道化者に小突き回されて兵隊の前で歌を歌わされるドイツ娘。。最初は彼女を侮辱する兵士たちだが、次第に彼女に合わせて全員が声をそろえて歌いだす…もう彼女を侮辱するものはいなく、中には涙を流している兵士もいる…『おれたちゃ同じ人間じゃねーか』と言うことか?…そうだろう。



アルファヴィル

2006年04月24日 | 外国映画
アルファビル
製作年 : 1965年
製作国 : フランス イタリア
監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演者:エディ・コンスタンティーヌ、アンナ・カリーナ

冒頭の暴力シーンで、どなたかがゴダールの映画は暴力シーンがスカッとするって書いていたのを思い出した。(タオルで頭をグルグル巻きにしてシャワーをかけるシーンが出る映画ってなんだっけ。)殺人シーンがなんともエレガントでサッパリとしていて、最初のα都市(アルファヴィル)のホテルに主人公がチェックインした部屋で殺し屋を返り討ちにするシーンなんて、窓の外から写した無音のシーンと室内での軽音楽をバックにした暴力シーンなんてのもすっごくカッコイイ。
自由主義社会から見た共産主義社会のどっかの国をモデルにしているみたいで、プールの飛び込み台に受刑者を立たせての銃殺シーンに出てくる、シンクロナイズドスイミングの遺体掃除人の女性達なんてのも某共産主義国家でやってそうな感じがした。
時代設定が1984年(ジョージ・オーウェルの1984から来ているのかな…)ということですが、過去に想像されたよりはるかに時代の歩みは遅くてコンピュータに統括された社会なんてのも実現しそうもないし、銀河系旅行もありえない。E=MC2の文字がさかんに出てきますが、核技術なんてのも諸刃の刃で、むしろ暗黒面の方が強いというのも、金や権力に狂っている人を除けば分かりきっていると思う。
「論理から外れるヤツを抹殺してヘリクツを唱えて理想社会を成すなんて嫌だ!ぶちこわしてやるぜ!」と、立ち向かうやつらをためらい無くバンバン撃ち殺していきます。車を強奪するシーンで、でかい男を主人公が羽交い絞めにして、車でXXするシーンも面白かった。一神教的世界へのアンチでもあるのかしら‥
αコンピュータの声ってゴダール自身の声らしいですよね。なんだかとってもナイスキャストではまり役。
げんきです、ありがとう

山田宏一のなんでも映画誌第一回ゴダールの『映画史』

勝手にしやがれ

2006年04月17日 | 外国映画
勝手にしやがれ
1959年、仏
監督 ジャン・リュック・ゴダール
出演者 ジャン・ポール・ベルモンド, ジーン・セバーグ, ダニエル・ブーランジェ

広大な畑が見える田舎道で、奪った車で逃走中に突然、車の中で観客に話しかけるシーンが印象的。

海が好きかい?
山が好きかい?
違うって!?
じゃあ、勝手にしやがれ!

って感じのセリフだった。
検閲かなんかでハサミが入っているような気がするが、違うかなあ…銃で人を撃つシーンがことごとくカットされているみたいな…暴力シーンになるとギクシャクする感じがする…それとも意図的なのか‥Jazzが流れると、フランスの石畳もニューヨークみたいな感じがする。絵画好きのセバークの部屋にヌイグルミがあるのが不思議な演出。
ヨタヨタと石畳を逃走して力尽き、仰向けに倒れ、刑事と恋人に囲まれての(彼以外は立って、冷たく主人公を見下ろしている。)ラストのセリフ。

「お前は最低だ…」 

フランス語がわからず、通訳してもらうアメリカ娘。

「最低ってなによ…」

二人でよく交わした唇を指でなぞるサインを交わして完。

主演したのはセシルカットのジーン・セバーグだが、監督はアンナ・カリーナで撮りたかったけどふられたそうです。それも分かる気がする。

Anna Karinaは好きだな…

魂のジュリエッタ

2006年04月14日 | 外国映画
魂のジュリエッタ

1964年 イタリア
監督: フェデリコ・フェリーニ
主演: ジュリエッタ・マシーナ

裕福な家庭の倦怠期の主婦の話で、主演のジュリエッタ・マシーナはフェリーニの奥さんだそうだ。カラーの絵がとてもきれいで、40年以上前に撮った映画とは思えなかった。映画の中でコックリさんみたいなことをやっていたり、イタコみたいな占い師が出てきりしたけれど、このあたりはイタリア的なのだろうか…

マシーナとフェリーニの私小説といった感じで、小柄なマシーナの幻覚が、いかにもフェリーニといった感のゴージャスかつ大道芸、退廃的な絵で映像化されて、通常の演技の合間に唐突に挿入される。デカタンと浪費、肉欲が溢れる彼女の周囲。夫は若いモデルと浮気。彼女は薄化粧で質素な服装(周りがハデすぎるとも思えるが…)で、ノーマルな感じ。
トラウマとなっていた炎に囲まれたベットに縛られた幼い頃の自分を助け出し、家を出て大きな丸い形の木の森へと向かって彼女は開放されたのか?「君のそばにずっといるよ」と語りかけたのは少女時代の内なる声か、森の精なのだろうか。

途中眠ってしまった…

嘆きのテレーズ

2006年04月13日 | 外国映画
嘆きのテレーズ

1952年、フランス
監督 マルセル・カルネ
出演者 シモーヌ・シニョレ, ラフ・バローネ, ジャック・デュビー

登場人物:
  • 仕立て屋の若妻… 彼女は孤児。夫の家庭で幼い頃から育ち、なかば強制的に息子と結婚。笑わない女。
  • 配送所の勤め人の夫… 夫はマザコンのヤサオトコ。ゲームにも酒にも弱く、すぐに法律や理屈に訴える嫌な男。
  • 夫の母… 母親は息子を溺愛。息子の妻をお手伝いみたいに見ている。
  • トラック運転手の男… 外国人(ラテン系)で、腕力に自信があるが短気。
  • 兵隊あがりの旅行者… 彼はアジア(上海)に兵役に行ったことがある。戦争で生死を潜り抜けてきた変な自信があり、不倫の二人に中古自転車の開業資金として金を要求し脅迫する。
  • 手紙… 物語の重要なキーを握る…


*おはなし*

夫と姑との出口の無い生活を送る女。ある日酔っ払った夫を家に送り届けてきた運転手の男と女は不倫の関係になる。ふたりは濃厚なキスシーンを演じる。
ある日夫に不倫がバレる。夫は妻を説得しようとするが、ここでも法律がどうのこうのと言うが、女は意に介さず、フランスパンを切り食事の支度をする。女は離婚するつもりのようだが、駆け落ちには踏み切れていない。
夜行列車のシーン。夫は彼女を説得する為におばの家へ連れ出すが、実は女を監禁しようとしている。ここで兵隊あがりの男と同室になる。彼は寝ているようだ…
女を追って列車に乗ってきた運転手の男。二人が会っているのを見て夫はまた卑怯な言動を見せる。夫と運転手は口論になり、激怒した男は運転手が夫を列車から突き落としてしまう。すれ違う電車の音が彼の最後を表す。運転手は自首しようとするが、女は秘密を守ろうと話す。
線路脇に夫の遺体。遺体確認時に警察は女を疑うが、殺人の証拠がない。母親は息子の死で廃人同様になってしまう。女は平静を装い彼女の世話をする。そんな中、新聞を見た旅行者の男が彼女を脅迫してくる。女は弁護士にも恵まれ、鉄道会社の過失で示談が成立。不倫の二人は脅迫してきた元兵士と、けりをつける為にに会う…元兵士が旅館の女給に託した手紙が最後の運命を決める…

***

マザコンのヘリクツ男。万国共有で嫌われていまっせ…そんな男にも屈しなければ生活できないテレーズ…そんな彼女の恋のスーパーヒーローのラテン系の男との恋愛。
映画の序盤の夫の駄目男ぶりと、異国人との恋愛とそして不倫の発覚。中盤のクライマックスである列車中の殺人。後半からは元兵士の恐喝と二人の心理描写に、最後にフランスらしい粋なラストと飽きさせない映画でした。
元兵士の最後の演技が際立ち戦争に明け暮れた後の時代の陰が話の端々に見えたような気がした。
天井桟敷の人々の巨匠マルセル・カルネの作品。


キネマ旬報 1954年度 1位

アミスタッド

2006年03月29日 | 外国映画
アミスタッド
1997年、米
監督 スティーブン・スピルバーグ
出演者 マシュー・マコノヒー, アンソニー・ホプキンス

冒頭
夜のスペイン奴隷船のシーン
月明かりの中 素手で鎖を外すアフリカの青年
血だらけの手 全員を自由に
嵐の中 刃物で船員を殺める
舵手を残して カメラは自在に動く 正視できない

そして漂流 故郷を目指す
アメリカに捕まる
彼らは裁判に

スペインの女王はまだ少女
黄金の王室はアフリカの金か?

長い長い裁判シーンが続く 続く まだ続く

回想
奴隷船のシーン
これも正視に堪えられない
人身売買、監禁、拷問、処刑
生きたまま錘を付られ海に廃棄
家畜以下

そして、また裁判シーン
勝訴 開放

南北戦争勃発
アフリカへと帰郷



歴史ものより、裁判映画みたい。今から見れば当然の結果だが…

淀川長治の銀幕旅行:アミスタッド
黒人奴隷クンタの20年間 =「世界商品」の生産と黒人奴隷制度=

夜の大走査線

2006年02月09日 | 外国映画
夜の大走査線

監督:ノーマン・ジュイソン
出演:シドニー・ポワチエ、ロッド・スタイガー

アメリカの南部ミシシッピーで起こった殺人事件を、たまたま駅に居合わせて誤認逮捕(黒人でお金をたくさん持っていたのでタイホ!って、あんまりよね…)された北部の黒人の刑事(探偵的)が捜査・解決する。金田一シリーズの警部みたいに先入観に凝り固まった捜査をする白人警官に対し、科学・理論的な捜査をする主人公の刑事。当時はまだ黒人差別があったようで、あからさまな差別が描かれている。(もっと昔は、もっともっとひどかったんだろう)昔見たミシシッピー・バーニングの背景も同じような感じだった。(あれは、KKK絡み)この映画の白人警部もジーン・ハックマンみたいなアルコール太りの人でしたが、彼は黒人刑事と少しだけうちとけます。

映画が映し出したのは、広くて大きな白人住宅地、広い通り、スクラップ置き場みたいな家の自動車修理工の黒人、広大な綿花牧場で働く黒人労働者達、経営者に仕える黒人の召使、黒人刑事を襲う街の白人チンピラ…伝統的なアメリカ社会なのでしょうか。今でも同じような感じなのだろうか。でもインディアンは出てこない。格差社会とはそうゆうものか。

バックの音楽はクインシー・ジョーンズ。主題歌はレイ・チャールズのコテコテのソウルミュージック、Heat Of The Night.

キネマ旬報1967年度 8位

http://www.eigafan.com/video_dvd/previous/2002/0618/
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fukushi/year/1967.html



散り行く花

2005年12月13日 | 外国映画
1919年 大正8年 /アメリカ
リリアン・ギッシュ
アヘン戦争後の中国が映画の最初の舞台。
中国は上海も開港させられ西洋人は横行し阿片が蔓延し、戦争と麻薬で国はボロボロ。中国の仏教徒の青年の一人が野蛮なアングロサクソンを教化する夢を持ち、霧のロンドンへ渡る。(役者は西洋人)しかし彼も堕落してしまい、阿片付けの日々を送る。
ロンドンで父親に虐待される貧しい家の少女が登場し、この子が映画のヒロイン。拳闘家でアルコールと女漬けの父親に虐待を受ける日々を過ごす。(ムチで叩きます。)彼女の母親は幼い頃に家を出てしまっている。ある日、父親の折檻で瀕死の状態で中国人の部屋に迷い込んだ彼女は、彼の施しを受け初めて人のやさしさを知る。彼も忘れていた人間らしい感情を思い出し二人は恋仲になる。やがて彼の部屋にいるところを父親に見つけ出された彼女は逆上した父親に殴り殺される。このシーンで物置に隠れた彼女を、斧でドアを叩き壊して連れ出すシーンは後のシャイニングみたい。(あんなに恐怖はしませんが。)殺人現場を見た中国人の彼は父親と対決。斧で脅かす父親を、彼は銃で撃ち殺す。彼は部屋に戻り、彼女の亡骸の傍らで自害する。

当時の中国の状況が推察され、社会状況やお話もなんとも激しいストーリです。弱きものの視点で映画は作成されていて、中国人と最下層のイギリス人の女の子の純愛物語をアメリカ人が演じているとゆう考えようによっては複雑な状況。ロンドンのシーンでは他にアラブ・インド系の人達も写っていた。「こんな映画、だれが金を払って見るか!」とオーナー側は怒ったそうだが、あにはからんや、なかなかヒットしたそうです。帝国側にもこのような人達が存在していたのだ。