工作台の休日

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ロータス・スーパーセブンを作る この色を使ってみたくて

2022年04月28日 | 自動車、モータースポーツ
 前回のブログでスーパーセブンを作った話を書きましたが、今回はクラブマン仕様のスーパーセブンです。もう一台作ったというのは理由がありまして、ある色を試してみたかったからなのです。
 その色はMr.カラー322番フタロシアニンブルーで、もともとT-2ブルーインパルスのための色です。1980年代にMr.カラーが300番台の色として主に航空機用の特色を相次いでリリースしました。米軍の迷彩色等をはじめとして今でもお世話になっていますが、自衛隊機も当時主力だったF-1戦闘機の迷彩色と共に、T-2ブルーインパルスのダークブルーとスカイブルーが発売されました。T-2ブルーはデビュー年にキットも出ており、当初は既存の色から調色するように指示があったように思いますが、ほどなくして専用色が出たことになります。
 この色ですが、他のブルー色に無い色合いなので、T-2ブルーインパルス以外に使い道がないかと思っていました。イギリスのレーシングカーや一部の乗用車などでこういう色があったなあということで、スーパーセブンに塗ってみることにしました。イメージ的にはかつてロータスのプライベーターとしてF1でも勝利を挙げたロブ・ウォーカーチームの紺色と白の組み合わせをねらってみました。

リア側からの写真です。

Mr.カラーのダークブルーと言うと、328番のFS15050(ブルーエンジェルスのダークブルー)、326番のFS15044(サンダーバーズの下面色)などがあり、現在の5番(ブルー)のような「紺色」もあります。こうしてみますと、322番・フタロシアニンブルーもなかなか似合うと思いますが、いかがでしょうか。なお、この色ですが、下地を隠す力が弱いため、白いサーフェーサーを吹き、1000番のペーパーで磨いた後で丁寧に塗り重ねるようにしました。下地の色次第では変わってくる色ですので、それをあえて楽しむというのもできそうです。
今回も細かなディティールに凝ることはしていませんが、それでもいろいろ手を加えてみました。車体後部のスペアタイヤを収めるスペースはこの仕様ですとタイヤを載せないため、タイヤを取り付けるための1ミリ程度の穴も開いたままになります。ここは別途手持ちのプラパーツを金色に塗って取り付けました。また、ロードカー仕様の窓枠を差し込む際の突起をそのままにしていたので、こちらも突起を隠すように丸いパーツをつけています。内装の赤味がかった色は緑色のスーパーセブンの時とは異なり、Mr.カラー114番のRLM23レッドです。これはドイツ機ではおなじみの色で、ややくすんだ赤になります。

ドライバーですが、キットには入っておりません。こちらは胴体から下をハセガワ1/24のフォーミュラドライバーセットから、頭部はフジミ1/24のドライバーのセットに入っているヘッドパーツから持ってきました。ヘルメットにはタータンチェックの柄が入っています。これはクリアーデカールに描いた模様を切り出して貼ってあります。

フォーミュラカー用の小径のステアリングを握ることが前提のキットのため、スーパーセブンのステアリングですと、10時10分ならぬ11時5分のあたりを握っています。レーシングスーツの色はMr.カラー20番ライトブルーで、こちらはかつてドイツ機の下面色として出ていたものです。考証が進んだ近年では100番台で各種ライトブルーが発売されていますので、出番がなくなってしまった色でもあります。軍用機チックなくすんだ色調ではないため、こうしたレーシングスーツの色などでも使えそうです。カーナンバー(ゼッケン)はキットから、車体、ドライバーのスポンサーマーク、リアのナンバープレートの文字、数字は手持ちのデカールです。

なお、両方のスーパーセブンですが、ドライバーの足元はアクセント的に曲面追従シートの「シルバーカーボンフィニッシュ」を貼っています。
 スーパーセブンというと、現在生産、販売されているケーターハムの方になりますが、こんな思い出もあります。2009年のF1日本GPでのこと、最終コーナーのスタンド裏あたりに、横浜(だったと思う)のイギリスパブが屋台を出していました。屋台で英国GPが行われるシルバーストーンの地ビールでのどを潤していたところ、隣の白人男性も同じものを実においしそうに飲んでいました。傍らにはスーパーセブンが止めてあります。聞けば朝、関東を発って一人で鈴鹿まで運転してきたとの由。仕事の後の一杯だったようです。スーパーセブンは決勝の前に行われるドライバーズパレードに使うんだ、とも言っていました。シートにはなぜか白いヘルメットと白いレーシングスーツが置いてあり、思わず「スティグ(イギリスBBCの人気番組・トップギアに出演する覆面ドライバー)」みたいだね」と言うと「スティグを知っているのか」と盛り上がりました。トップギアは後にBSフジなどで放送されるようになり、一般にも知られるようになりましたが、2009年当時はCS放送等でしか見られなかった知る人ぞ知る番組で、私も「チャンネル銀河」で偶然観てファンになりました。このドライバー氏、トップギアがときどき日本をテーマにした番組を作っていた際にも関わっていたようでした。そうそう、F1階催時のサーキットのビールも今はハイネケン一択なので、こうした珍しいものを飲むのは難しそうです。
 しめくくりにこんな写真をご紹介します。愛車でちょっと近所の桜の名所までということで散歩してみました、というのがこちら。

背景の写真はRMモデルズ誌恒例の背景写真用の付録を使ったものです。慣れない桜の押し花よりも季節感が出せそうです。
桜並木の道を疾走しているものもあります。


 さて、本キットを仕上げている途中に近所の街道を赤いスーパーセブンが走っていくのを見かけました。いろいろと苦労したキットであることを忘れ、今度は赤で作ってみようかな、などと思ってしまいました。こうして「積みプラモ」が増えてしまうわけですが・・・。やはり自分にとってはそれだけ魅力ある自動車であるのと、これまで何台も作ったミニクーパーをはじめ、私もイギリス車が好きだなあと気づかされました。







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