工作台の休日

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ハートの問題・特別編 アツタエンジンと艦上爆撃機・彗星 その2 

2023年05月17日 | 飛行機・飛行機の模型
前回は彗星11型とそのエンジンであるアツタ21型の話を書きましたが、アツタエンジンについては性能向上型も作られました。それがアツタ32型で、これを搭載したのが彗星12型でした。しかし、開発に難儀する中、飛燕の時と同様に機体は作られるもののエンジンが間に合わないといった事態が発生しています。愛知が既にDB600を通じて水冷・液冷エンジンを学んでいたことでアツタエンジンの取り回しについては習熟しており、陸軍の飛燕(とそのエンジンであるハ40)よりは稼働率が高かったものの、それでも不慣れな水冷エンジンは保守が難しかったこともあり、彗星も空冷エンジン(金星)が搭載されることになります。これが彗星33型以降のタイプとなります。
また、12型の中には後席に斜め銃を配したタイプも登場し、爆撃機ではなく戦闘機として使われた機体も登場します。
 だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、彗星11型の模型の話になります。キットについては1/48ですとファインモールドで製品化されております。私の「主戦場」は1/72ですので、このスケールで探してみました。1/72の彗星については古くはLS、入手しやすさという点ではフジミ、また最近ではAZモデルからもリリースされています。このうち11型としてリリースされているのはAZモデルのみです。

(箱絵は彗星の勇ましい活躍ぶりという感じです)
 AZモデルのキット、後発ゆえにディティールはしっかりしているのですが、イモ付け部分があったりと、やや組みにくいきらいがあります。11型と12型の外見上の相違はエンジンカウル上面の発電機のふくらみが12型にあるくらいですので、それを削れば11型になりそうです。ということで組みやすさを考慮してフジミの12型を加工して11型にしました。彗星のキット、発売当初はそれまでキット化に恵まれていなったこともあり、フジミの他の大戦機ともども人気がありました。
 そのフジミの彗星ですが、私が購入したものは二式艦偵、彗星12型、同戊型から選べるようになっていました。

(フジミの箱絵も空母のエレベーター上というのがいいですね)


(フジミの12型(中古品で売られていたもの)の箱絵より。風防の前、照準器の先のあたりに丸いふくらみがあるのが見えますか)

(エンジンカウルのパーツで赤丸で囲ったところを削ります)

 キャノピーを乗せてしまえば目立たないのですが、コクピット内は寂しい限りですし、シートの形も今一つです(これはフジミの大戦機によくあることですが)。また、後席の7.7mm機銃もオミットされていますし、着艦フックのパーツもありません。当然12型としてのマーキングしかないので、一部のパーツ、マーキングはAZモデルのそれらから調達しました。なんともったいない、と嘆いている方も多いでしょう。いろいろマイナス面も書きましたが、フジミのキット、それでも組みやすさのアドバンテージはあるかと思います。



かくして彗星11型の完成です。岩国の第634航空隊のマーキングにしています。出来上がった彗星を見ますと、スマートな機体は異彩を放ちますね。だいぶ前にやはりフジミの流星改を組んだことがありましたが、艦爆の割には、と言ってはなんですが彗星の方が見た目はコンパクトな感じがします。


飛燕(右側)との比較です。
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