ゴールデンウイークが始まりました。今年は諸々の規制が緩和され、久しぶりに遠出をされている方もいらっしゃると聞いています。私は暦通りなので途中の平日も出勤です。今年は久しぶりにリアル開催となったイタリア映画祭に出かけました。この後もいくつか作品を観るつもりですが、29日に見た「笑いの王」という作品は、20世紀初頭に活躍した実在のナポリの喜劇俳優を描いた作品で、ナポリ方言ばかりのセリフで私は字幕に頼りっぱなしでしたが、劇中描かれる喜劇のシーンなど、イタリア人にとってはおなじみなのかもしれません。イタリア映画では特に実在の人物を描くと作り手の気合も相当入っている感じがいたしまして、学芸会程度の演劇の経験しかない私ですが、こういう現場って作る側も演じる側も真剣勝負で濃密な時間が流れてそうだなと思いました。
久しぶりのイタリア映画と言うこともあって、流れるイタリア語を聴くうちに海外にまた行きたいなあという思いが強くなっています(国内も含めて泊りがけの遠出も元年の日本GP以来ありません)。海外でホテルに滞在しますと、そのホテルにバーがあると夜はよく利用しています。ちょっとしたお酒が飲めたり、コーヒーを飲んだりとか、一人旅のときは特にそうですが部屋にずっといるより退屈しないし、やはり誰かとおしゃべりしたいとか、そういうのもあります。バーテンさんと仲良くなって現地の情報を教えてもらうということもあります。
イタリアのホテルでは行くたびに思い出があり、彼の地のホテルではバーテンさんは1年契約のような形で雇われているようで、次の年は系列の別のホテル、あるいは別の街のホテルで、という感じで働いているようでした。ある年はエチオピアからやってきた女性がカウンターの向こうにいて、日本から来たと言うと「日本からイタリアってどれくらいかかるの?」、「12時間、乗り継ぎとか入れるともっとだね」、「遠いわね」、「そう、遠いよね」とイタリア以外の出身地の二人が異国の地で交差していて面白いね、という話になりました。別の時はフィリピンの女性もいてそのスタッフが別のホテルにいたときの話が興味深かったです。あるホテルに日本人の夫婦が滞在していて、滞在中にとても仲良くなったそうなのですが「今度私が日本に行く機会があったら、ぜひ案内してね」と言ったところ、彼らはとても困った顔で「No,Thank you」と言ったそうで、なぜ彼らがあんな困った顔をしていたのか分からないと言ったので「おそらくあなたがフィリピンから一族全員連れてくると思ったんじゃないかな」と言うと、彼女も大笑いしていました。笑い話だけではなく、エジプト人の男性スタッフは「エジプトにいても仕事はないからね。ここで働くしかないんだよ」と一瞬寂しげな顔を見せたことも印象的でした。
イタリア語を本格的に学ぶ前は拙い英語でホテルの方とやりとりをしていましたが、ミラノのホテルでは遠回しに「お前の英語は下手だ」と言われて大いに凹んだこともありました。もちろん、お客さん同士で仲良くなって話をすることもあって、どれも旅の大切な思い出になっています。ヴェネツィアのホテルで出会ったアメリカ人女性とは、彼女が日本に出張に来た際に東京を一日案内したこともあり、彼女が結婚した際にはお祝いのメッセージを送らせていただいたことは言うまでもありません。
ジェノバのホテルのバーはとても大きく立派でしたが、私以外のお客がみんな航空会社のスタッフで、いくつかの会社のスタッフ同士が情報交換をしているようでした。こうなると少々疎外感を感じてしまうもので、隅っこでカンパリソーダをあおって、おやすみなさいと言うしかありません。ナイトスポットが他に無いのか、老若男女集まってうるさいほどだったウィーンとか、サッカーのチャンピオンズリーグを放映していて、地元チェルシーが出場し、スポーツバー状態だったロンドン(だだしお客さんはみなおとなしかったけど)も印象的です。スタッフの賄い用に作っているカクテルを特別に出してくれたフィレンツェでは、日本酒とキウイフルーツとミドリ(メロンリキュール)で作るカクテルというのを教えてもらいました。
マルタ島のバレッタにあるクラシックなホテルではバーに入るのもドレスコードが一応あって「スマートカジュアルで」とありました。Tシャツに短パンはだめよ、ということでしょう。私は襟のついた半そでシャツとチノパンツで入店できました。ドレスコードを求めるだけのバーで、美しいチーク材か何かの立派なカウンターで、とても静かなバーでした。遠くから流れてくるフラメンコギターの音をBGMに、旅の日記をつけたりしていました。
かなり強烈な印象なのは上海の某ホテルで、バーがあると聞いて行ってみるとカクテルは作れないと言われ、あるのはウイスキーかワインかビールだけと言われました。以前泊った別の外資系ホテルとはえらい違いです。それもそのはず、お客さんはみな現地駐在の日本人で、バーというよりは場末のスナックの感があります。流ちょうな日本語を話す若い現地女性が切り盛りしていましたが、スナックのママさんに見えてしまいました。出張で訪れた日本人が利用するのが珍しいのか、駐在員さんからいろいろ聞かれたりもしました。
つらつら書いてまいりましたが、今日はこのあたりで。カンパリソーダを自分で作って、せめて旅先の気分でも味わうとしましょう。
久しぶりのイタリア映画と言うこともあって、流れるイタリア語を聴くうちに海外にまた行きたいなあという思いが強くなっています(国内も含めて泊りがけの遠出も元年の日本GP以来ありません)。海外でホテルに滞在しますと、そのホテルにバーがあると夜はよく利用しています。ちょっとしたお酒が飲めたり、コーヒーを飲んだりとか、一人旅のときは特にそうですが部屋にずっといるより退屈しないし、やはり誰かとおしゃべりしたいとか、そういうのもあります。バーテンさんと仲良くなって現地の情報を教えてもらうということもあります。
イタリアのホテルでは行くたびに思い出があり、彼の地のホテルではバーテンさんは1年契約のような形で雇われているようで、次の年は系列の別のホテル、あるいは別の街のホテルで、という感じで働いているようでした。ある年はエチオピアからやってきた女性がカウンターの向こうにいて、日本から来たと言うと「日本からイタリアってどれくらいかかるの?」、「12時間、乗り継ぎとか入れるともっとだね」、「遠いわね」、「そう、遠いよね」とイタリア以外の出身地の二人が異国の地で交差していて面白いね、という話になりました。別の時はフィリピンの女性もいてそのスタッフが別のホテルにいたときの話が興味深かったです。あるホテルに日本人の夫婦が滞在していて、滞在中にとても仲良くなったそうなのですが「今度私が日本に行く機会があったら、ぜひ案内してね」と言ったところ、彼らはとても困った顔で「No,Thank you」と言ったそうで、なぜ彼らがあんな困った顔をしていたのか分からないと言ったので「おそらくあなたがフィリピンから一族全員連れてくると思ったんじゃないかな」と言うと、彼女も大笑いしていました。笑い話だけではなく、エジプト人の男性スタッフは「エジプトにいても仕事はないからね。ここで働くしかないんだよ」と一瞬寂しげな顔を見せたことも印象的でした。
イタリア語を本格的に学ぶ前は拙い英語でホテルの方とやりとりをしていましたが、ミラノのホテルでは遠回しに「お前の英語は下手だ」と言われて大いに凹んだこともありました。もちろん、お客さん同士で仲良くなって話をすることもあって、どれも旅の大切な思い出になっています。ヴェネツィアのホテルで出会ったアメリカ人女性とは、彼女が日本に出張に来た際に東京を一日案内したこともあり、彼女が結婚した際にはお祝いのメッセージを送らせていただいたことは言うまでもありません。
ジェノバのホテルのバーはとても大きく立派でしたが、私以外のお客がみんな航空会社のスタッフで、いくつかの会社のスタッフ同士が情報交換をしているようでした。こうなると少々疎外感を感じてしまうもので、隅っこでカンパリソーダをあおって、おやすみなさいと言うしかありません。ナイトスポットが他に無いのか、老若男女集まってうるさいほどだったウィーンとか、サッカーのチャンピオンズリーグを放映していて、地元チェルシーが出場し、スポーツバー状態だったロンドン(だだしお客さんはみなおとなしかったけど)も印象的です。スタッフの賄い用に作っているカクテルを特別に出してくれたフィレンツェでは、日本酒とキウイフルーツとミドリ(メロンリキュール)で作るカクテルというのを教えてもらいました。
マルタ島のバレッタにあるクラシックなホテルではバーに入るのもドレスコードが一応あって「スマートカジュアルで」とありました。Tシャツに短パンはだめよ、ということでしょう。私は襟のついた半そでシャツとチノパンツで入店できました。ドレスコードを求めるだけのバーで、美しいチーク材か何かの立派なカウンターで、とても静かなバーでした。遠くから流れてくるフラメンコギターの音をBGMに、旅の日記をつけたりしていました。
かなり強烈な印象なのは上海の某ホテルで、バーがあると聞いて行ってみるとカクテルは作れないと言われ、あるのはウイスキーかワインかビールだけと言われました。以前泊った別の外資系ホテルとはえらい違いです。それもそのはず、お客さんはみな現地駐在の日本人で、バーというよりは場末のスナックの感があります。流ちょうな日本語を話す若い現地女性が切り盛りしていましたが、スナックのママさんに見えてしまいました。出張で訪れた日本人が利用するのが珍しいのか、駐在員さんからいろいろ聞かれたりもしました。
つらつら書いてまいりましたが、今日はこのあたりで。カンパリソーダを自分で作って、せめて旅先の気分でも味わうとしましょう。