知り合いが二子でプリクリして登ってたらプロクライマーらしき人物から聞こえよがしに嫌味を言われ、挙げ句「そこまでして登りたいのか」と Twitter に書かれたとぼやいてた。ヨメにそんな話をしたら「そこまでしてでも登ってみたい」という返事。まぁなんというか、登れっこないような難しいルートでもたまには話の種の取り付いてみたいよね。登れる人がやるようにやったら危ないからプリクリとかトップロープ。そうやっても危ないルートはやらない。
多くの人は翌日が仕事。社会人にとって岩登りして怪我しちゃった、明日休むんでヨロシクなんてのは通用しない。だから絶対怪我しないようにプリクリして用心することがある。それを避難するのはおかしい。そもそもプロがアマにそんな文句を言うのって人間が小さすぎる。例えばプロ野球の選手が軟球で草野球してる人に「
(石のように硬い)硬球の怖さに耐えてこそ野球だ」なんて聞いたことがない。クライミングの世界だけ妙に原理主義的だ。初登者はマスタースタイルで登ったのでそれ以外の登り方では登ったことにはならないなんてのもある。その心はプリクリして登ったと言わないのが気に入らないのではないかな。ならばプリクリして登ったとかトップロープで登ったと言っとけばOKのはず。
5.10a でも1本目が高いのでプリクリ
身近ではあの人がってクライマー数人が還暦過ぎて相次いで岩壁だの氷壁で落ちて大怪我をしてる。中にはクライミングの講師なんて人も。兎に角皆大御所である。亡くなった人が居ないのは幸いだけど何か若い時と違うのかもしれない。俺は大御所でも何でもないけど今正にその年頃なのでプリクリ。上の写真のルートでは未だかつて落ちたことはない。ヨメもこのルートで落ちたことはない。ヨメがやろうとした時、プリクリしておくかと俺はチョンボ棒を取りに行った。ここまで無事に来たんだからこの先も何事無く不要不急なクライミングをしたい。
屋外の岩場、標高が低いところではアオダイショウが日向ぼっこなんてことがある。ホールド取りにいったらそれはアオダイショウ。取り乱して大フォールした人も居た。スズメバチ掴んで刺された人も居た。その時は出だしだったので何事も無かった。脆い岩は欠けることもある。欠けて落ちた時はどうにもならない。前傾壁で逆さ落ちしてから俺はヘルメットするようにした。尊敬するゴルゴ13風にうそぶけば「
(まだ無事で登ってられるのは)おれが、うさぎのように臆病だからだ」かな。漫画ではこの後「強すぎるのは弱すぎるのと同様に自分の命をちぢめる」と続く。