【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

小説が運ぶ危険な香り

2010-09-17 16:32:17 | A・クリスティーの館


   起床時は一点の雲もない空。
  カラッと晴れ渡った天気になりました。

   日中はまだまだ暑いけれど、
  もうすっかり秋ですね。

   照り付ける太陽にも夏とは違う
  独特の秋の匂いを感じます。

   いつか秋には匂いがないと
  申しましたが、いいえ、いいえ・・。
  どうやら失念していたようです。

   さて三島由紀夫の 『豊饒の海』。
  後、まだ残り2巻残っています。
  とは言え・・。

   大層面白いのですが、この本を
  書き終えた後、例の自裁(1970)が
  ありますから、小説の中にどうしても
  氏を投影して見てしまうのです。

   透明で純粋な魂。それ故に・・
  そんな息苦しさを払拭するお口直し? の1冊には、やはりアガサ・クリスティー。
  
   例の短編、「火曜クラブ」 の続きを・・となった次第です。
  ここでの謎解きはポアロではなく、ミス・マープル
  どうやら、この 「火曜クラブ」 の13の事件から初登場のようです。

   ここで又々、発見。
  【電車での化粧】 に続き、今盛んに世間を騒がせている、
  家族の年金搾取問題も登場しているではありませんか。

   かれこれ7、80年前の小説ですのに、ちっとも古くない・・。
  小説の偉大さを思います。
  
   それにしても、イギリスではこんなに古くからこのような事件が起きていたのですね。
  いずれも日本では、100年近くも遅れるような良い国でしたのに。

「(中略)・・・あの人は、3人のおばあさんの名義で、
あちこちの教区で養老年金をただどりしていましてね」
「複雑巧妙な犯罪のようですな。(中略)」
「(中略)・・・世の中にはひどく貧しい一家もおりますのよ。
その養老年金が子供たちにとっては、
大変な有り難みを持っていたんですわ。
他の社会層の方にはなかなかお分かりにならないでしょうねえ。
・・・(中略)」
     ~アガサ・クリスティー 『火曜クラブ』 より 「2人の老嬢」
 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ただどり (きたあかり)
2010-09-17 16:58:51
リラさん、こんにちは。
そちらも少し涼しくなったのですね~
年金詐欺、そんなに昔からあったのですね~それもイギリスで!
リラさんの素敵なお写真と楽しいお話に癒されます。
いつもありがとうございます。
そうだったんですか・・・ (工房Miya)
2010-09-18 10:36:48
ここのところ、楽しいニュースがあまりないような気がします・・・
悲しいですね。


話は変わりますが・・・
リラさん、たくさん小説を読まれていて、すごいですね!

僕も、たくさん本読まないと・・・とは思うのですが・・・

事情があって、今、目の前にあるのはコンピュータのマニュアル本ばかりです(汗)
他の本も読みたいのですが・・・


小説を読むのって、生活に直結しているわけではないですが、小説よく読んでいる人の方が魅力ある文章を書けるなぁ・・・といつも感じています。

リラさんの文章、いつも感心しながら読んでいます。
年金制度 (リラ)
2010-09-18 15:26:26
  きたあかり様

 こんにちは~!  きたあかりさん~☆
いつも温かいコメント、有り難う~!

 日本とイギリス・・島国もそうですし、王室制度も・・
似ている処が多いですよね~。振り返れば、かつては日英同盟も。
日本の方がイギリスを見習った訳ですが・・。

 日本でも年金制度、軍人恩給は明治8年から・・という事で驚きます。
尤も民間は遅れますが、それでも戦前からだそうですね~。

 年金搾取、核家族の一面もあるのでしょうね~。
イギリスでは早くからそうでしたでしょうから。
独断と偏見 (リラ)
2010-09-18 15:51:17
  工房Miya 様

 こんにちは~!  Miya さん~☆
いつも温かいコメント、有り難う~!

 本、最近こそ読んでいますけれど・・
ここ何年かは、推理小説のような軽いものばかりでしたのよ~。
 
 おまけに私は結構、好みが激しくて・・
三島由紀夫なんて、今回が初めてなのですから。

 でも、読書にも時期というものがあるのかも知れませんね~。
彼の作品は早い時期でしたら、私の頭では理解出来ませんもの。(笑)

 日本語の素晴らしさ・・語彙の豊富さは、彼の作品から知った気がします。
アガサ・クリスティーも視点が変わると、又違った発見がありますね~。

 アンとの共通点も、その一つなのですよ。
それにしても褒めて下さり、嬉しいです。有り難う~!!

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