風薫る5月の終わりに歩いた六義園の新緑がきれいでした。
早春の頃の弱々しかった若葉も、初夏にはしっかりとした青葉になるのですね。
現在残されている数少ない大名庭のひとつの六義園は、国の特別名勝として文化財保護指定されています。
87,809㎡という広大な敷地には、四季を通じて花が咲き、繊細で優雅な庭園は訪れる人を優しく包んでくれます。
庭園の向こうには、高層ビルが建ち大都会の喧噪が聞こえてきそうですが、ここだけは別天地のような静けさです。
元禄8年(1695)加賀藩の旧屋敷跡地を徳川綱吉から拝領した御用人の柳沢吉保が、
自らの下屋敷として造営した庭園。約2万7千坪の平坦な土地に土を盛って丘を築き池を掘り
7年の歳月をかけて起伏のある景観をもつ回遊式築山泉水庭園(かいゆうしきつきやませんすいていえん)が現出しました。
「六義園」の名称は、紀貫之が『古今和歌集』の序文に書いた「六義」(むくさ)という和歌の六つの基調を表す語に由来し
自らも和歌に造詣が深かった柳沢が、この「六義」を『古今和歌集』にある和歌が詠うままに庭園として再現し、
その設計は柳沢本人によるものと伝えられています。
5月にしては珍しい台風に落ち葉でいっぱいの小道。
315年経った今、この世の大変な変貌に驚き卒倒されるでしょうか・・・・。
100年後の日本、どう変貌しているか想像もできませんが、誰も皆、幸せだと言える国であったらいいですね。
新緑の山陰橋。どこか懐かしいように思うのは、日本の原風景だからなのか心がほんわりとして和みます。
園内の八十八箇所の名勝と共に、元禄時代を代表する大名園の散策は、時代を超えてタイムトリップしたような気がしました。
時空を超える事ができるなら、元禄時代に飛んでみたいです。あのドラマ東○日曜劇場「 仁 」のようになったら大変だけど(笑)
現代と江戸の時代が交錯するという発想も含めてストーリーが面白いですね。
流れる川の水面に太陽の光が反射して、枝垂れ紅葉が優雅に風に揺れるのを見ていると
和歌でも詠んでみたいような気分に駆られること間違いなしです。