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今何処(今の話の何処が面白いのかというと…)

マンガ、アニメ、特撮の感想ブログです。

今週の一番「ダイヤのA」マンガ的ドラマチック展開というものの見直し

2010年05月12日 | マンガ
【第80回 ハイテンション!!涙と怒りのお花見大会】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10459.html#636

【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



「ダイヤのA」の主人公の属する青道高校が甲子園行きの切符を賭けた、地方大会決勝で敗れ去りました。あと一つのアウトが取れない展開が印象的でしたね。
同点打を放たれた時に、一瞬、気を落とすナインたちに監督が「まだた!気持ちを切り替えろ!!」と檄を飛ばして、ナインたちもぎりぎりの所で踏みとどまったかに見えたんですが……連打を食らってそのままサヨナラ負けです。これ、結局、ナインの気持ちの切り替えが足りなかった?とか、そこらへんは分からないのですが、非常に“勝負の流れ”というものを描いていて好きですね。何というか…こういうものなんですよね。同点打を放たれた時点で、半ば勝負は決まっていて、単に気持ちを保つ程度では(相手が隙でも見せないと)なかなかこの流れは切り替えれない……でも、大詰めのこの状況ではもうほとんど正着も奇手も打つ手は無い…故にそのまま然るべき結果になってしまうというか。いや、要するに“勝負の描き”としてのリアルさを僕は感じていました。

ある意味では(マンガ的に)分かりやすくない。監督が気持ちを切り替えろと言って、ナインは「そうだ!前を向け!まだ試合は終わっちゃいない!」と強い意思を示した(そう描いた)はずなのに、その結果が連打という展開は、努力すれば→報われる的な、根性を示せば→意は天に通じる的な、少年マンガ的因果からは外れている展開なんですよね。
…そういう勝負の流れになった理由を、少なくとも今回の「ダイヤのA」は説明/解説してくれません。でも、相手校は同点打の打席に入る時に「俺が決める!」と意気込むバッターに対してピッチャーくんが、「おれの活躍の分も残しといてよ」と声をかける。両校ものすごいストレスの中にいる状況の中で、ふっと力を抜く言葉を相手校の選手がかける。そういう一瞬が勝負を決めたかな?とか、いや、これはあくまで僕の「読み」に過ぎませんが(汗)両校とも努力の限りは尽しているわけで、じゃあ、一体何が勝負を決めるのか…という事を「受け手」から考えさせてくれるのは「愉しい」です。

また、この試合、主人公の沢村くんは土壇場で死球を出して動揺して降板させられているんですよね。自分のチームが敗戦する所をベンチから眺めているワケです。こういう所も少年マンガ的展開からは、なかなか観られなかったシーンで「面白い」です。「ベイビーステップ」何かでも感じたりするのですが、少年マガジンでは、これまで培われた少年マンガ的ドラマチックさを一度、分解して、別のドラマチックさというものを検証、構築しようとしているように観えたりします。新少年マンガというか…?いや、まあ、まだそこまで強烈な言葉の感覚は無いですけどね(汗)ちょっと気に留めておこうとは思っています。


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