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『プリズナーNo.6』白い怪球の飛び回る少し不思議?なドラマ

2010年10月05日 | ドラマ


『プリズナーNo.6』(1967年放映)コンプリート。以前、第1話録り逃してしまっていたんですが、今回の再放送で拾い、めでたくコンプです。(`・ω・´)-3
『プリズナーNo.6』は英国のTVドラマで、諜報部員だった主人公が突然(謎の)辞職をする。直後に拉致されてある“村”に閉じ込められるんですね。その村には他にもナンバーで呼ばれる他の人間たち(おそらくスパイ)が大勢、閉じ込められていて、あきらめてその村で生活している。主人公はナンバー6と指定され、その“村”を管理しているナンバー2に詰問される。「辞職の理由を言え!情報を出せ!」と。

設定はこんな感じなんですが……かなりカルトな作品と言われています。最初に登場したナンバー2はすぐに別のナンバー2と入り替わり(最初のナンバー2は最終回前に戻ってきます)、その回ごとのナンバー2が、あの手この手でナンバー6に挑戦してきます。ナンバー6はナンバー6で、村からの脱出と、それからナンバー2の上に“居るであろう”、指令のナンバー1の正体を知ろうと、様々な対抗策を講じて行きます。
ナンバー2はとにかくナンバー6から“情報”を引き出す事に失敗し続け、ナンバー6はとにかく“村からの脱出”に失敗し続けるという丁々発止の戦いが毎回の見所なんですが……なんというか、その戦いさえも、本当は本題じゃないような、不思議なセカイそのものに浸るような作品なんです。

『プリズナーNo.6』の代表的な映像に“謎の白い球”というのがあって……というか、ぶっちゃけ『プリズナーNo.6』と言ったら、これの事!他、内容なんかなんにも思えてないけど、なんか白い球がふわふわ…っていうかオーン!オーン!って怪音上げて飛んで来るのだけは覚えているよ!って人も多いんじゃないかと思いますがw
その白い怪球、“村”からの脱走者出ると飛んできて、実に的確に脱走者を捉えて“村”に引き戻してしまう。戦ったり壊したりしようにも、めちゃめちゃ強いというか問答無用で歯が立たないwコンピュータゲームなんかで、あるエリアから先に行かせたくない時に、無意味理不尽に通せんぼするキャラとかいますよね?なんかああいう感じのオブジェクトなんですが…とにかく無理矢理体力だけで脱出しようとしても、こいつが必ず捕まえてしまう…だから何か策略を講じる必要があるって展開にさせる。この物語をある意味で象徴している物体なんですが、既にこの球がそこらを飛び回っているシュールさが、不思議なセカイを創りだしている。

また、周りの人間たちも、捉えられた囚人たちであり、既に半ば諦めきって生活しているその無気力さ、無目的さが、ナンバー6を囲む風景に、言い知れない閉塞感を生み出していて…………おそらく意図的にリアリティを削減した、半幻想半現実な空気を生み出しているのだと思います。



その幻想性は最終回に爆発する。ようやくナンバー2を倒したナバー6は、最終ステージと思しき場所に引き上げられるのですが、そこでは意味不明の喝采と、意味不明の審問と、意味不明の拷問が繰り返されて……頃合いを見てナンバー6は施設を破壊しておさらば、脱出を果すんですけどね。
結局、ナンバー1の正体はわからずじまい、そしてナンバー6の辞職の理由も、何か“情報”を持っていたのか?否か?も分からずじまいなんです。

そんな事は『プリズナーNo.6』とは何の関係もない話だ!と言わんばかりの結末w
まあ、ここらへんの雰囲気がツボの人には堪らない物語です。……(考)ちょっと、引き戻しておくと、めちゃくちゃ幻想的で意味不明な映像が展開されるって事でもないですよ?メイン・ストーリーはあくまで、元スパイたちの知恵比べ。そこは理知的にハッキリしている。しかし、そのセカイの細部、あるいは際、端、に行くと“白い怪球”がうごめいていたりするし、“ナンバー1”の正体も、“情報”の内容も、実は存在していない…彼岸に霧がかかっているのが『プリズナーNo.6』の世界かな。


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パトリック・マッグーハン,デビット・バウワー,クリフォード・エバンス
東北新社



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