【6月第3週:この彼女はフィクションです。 第18話 作者の都合により…】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10515.html#693
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/

『常住戦陣!!ムシブギョー』(作・福田宏)がやたらめったら『面白い』です!(`・ω・´)バトルはバトルで面白く、日常は日常で面白い。毎週、本当に楽しみな連載になっています。『ムシブギョー』は享保年間(…かな?)に江戸に跋扈しはじめた“巨大な虫”たちを退治する公儀組織“蟲奉行”に入った月島仁兵衛くんの『物語』です。すごく、気持ちの良い物語です。最近は……どうやら、既に西日本は“蟲”によって壊滅されているらしく、人類決戦の様相を醸しだしてきています。日本以外の国々は……いや、地球は今、どういう状況なんでしょうね?すげぇよ、あらゆる設定にワクワクが有るw
▼今週の一番『ムシブギョー』物語の出発点“動機”と変化する“機巧”
(↑)以前の記事ですが、元々『ムシブギョー』は少年サンデー超増刊で連載されていて、それが本誌に昇格連載となった作品です。その際にいろいろ物語の構造を再設計していて、それがかなり功を奏している状態です。…で、ヒロインの火鉢さん、火鉢さん、火鉢さんが一位!とか言ってて、お春殿……え?何が?(´・ω・`)みたいな感じだったのですが、ここも、いい感じに、ラブコメな感じに?組み立て直してます。

『ムシブギョー』には、主人公の仁兵衛に対して、同僚の火鉢さんと、町娘のお春殿の二人のヒロインがいます。…っていうか、まあ、さっき言ったみたいに超増刊版では女戦士の火鉢さん一択だったんですよね。お春殿は火鉢さんの“焚付け役”くらいの感じで、出番もほとんどなかった。(本当かどうかは増刊版を読んで確かめてみて下さい)いや、仁兵衛が最初に出会うのは、お春殿なんですけど、その後の展開にほとんど恵まれなかったんですよね。
しかし、本誌版のお春殿は強い!理由は単純には、週刊連載になって“日常パート”の描写の量がぐっと増えたという事があります。月刊だと1話1回(1ヶ月1回)は“戦場パート”(戦陣かな?)の盛上げが必要で、戦場は火鉢さんの場所なんですよね。だから、どうしても火鉢さんの出番が増える。また、実際にこの『物語』は、既に無涯という別の“憧れの君”がいる火鉢さんがどう変化するか?というストーリーが一つの軸になっていると思えます。
しかし、この物語においてお春殿の比重が増えるのも、日常パートの比重が増えるのも、とても良い事と言えます。バトル一辺倒ではなく、帰るべき日常がある、守るべき日常があるという描写は、侍・仁兵衛が何故「常住戦陣」なのか?というその意志をより明確にする。その日常がやたら面白かったから、今、この記事書いているんですけどねw
また、仮に一位ヒロインが火鉢さんだったとしても、それに拮抗し得るだけお春殿が強いのは物語の強度としても、息の長さの確保としても良いのですよね。お春殿のキャラクターは(町の若者の間で人気はあるけど)平凡で、戦場には出られない、とビハインドなものですが、それを逆に強さに変えている……いや、戦場と日常というヒロインの場所をくっきり変える事によって平凡さがまたエッジに変わるんですよね。

その二人のヒロインは差し置いて、男の徳川家重(!)が特攻要員として置かれている所も面白い。…というか、これ、ちょっとした発明ではないでしょうか?…でも、ないのかな?でも、まあ、凄いです。男でありながら仁兵衛にベタ惚れで「女なんか下らないから!俺と仲良くしようぜ!」と突進してくるwまた、西日本壊滅の機密も追っていてマクロな視点を仁兵衛に与えようともしている。戦場のヒロイン=火鉢、日常のヒロイン=お春、マクロのヒロイン=家重wwという構造も組まれていますww
…これ、BL的な方向で観れば、また別の観え方があると思いますが……まあ、本来のヒロインは火鉢さん、お春殿だよね?という視点で観ても良い配置になっていると思います。
ラブコメ的なパートを盛上げようと思ったら、本来、お春殿がフォワードに出ないといけないんですよね。火鉢さんが「気づいてない娘」なら、対比でもっと明確に「気づいている娘」じゃないといけない。その上でそれがフォワードに出ないといけない。
でも、それをそのままやると『気まぐれオレンジロード』のひかるちゃんみたいな?『めぞん一刻』のこずえちゃんみたいな?…こう「全身かませ犬です!」みたいな?(´・ω・`)感じになってしまったりするワケで…。今、上げたヒロインとか『IS』のセシリアさん(!)とか、そこが逆に人気の素でもあると思うんですが、いずれにせよ“負け確”なワケで1位をおびやかすキャラではない。おびやかしはシャルがちゃっかり持って行っちゃったりします。(´・ω・`)
そのある種の嫌な役「ラブコメ的な関係を顕在化させるための役~橋頭堡を引き受けるが故に負けフラグをもらってしまう役」…新選組で言う所の“死番”を男にやらせる(←なぜ新選組とか言い出した?)というのは、すっげ~良い。(`・ω・´)その手があったか!みたいな。
これによって、お春殿はじっくり腰を落ち着けて仁兵衛との関係を育める。“後出し権”を持てるというか、火鉢さんが臨戦体制じゃないのに、勝手に先走って仁兵衛くんをデートに誘って仁兵衛に天然にはぐらかされたりしたら、もう何か“負け確”な展開から距離を置ける。
……『ハーレムメーカー』的に、ややこしく語るなら、お春殿は一位ヒロインのふりした(最初の接触はこの娘)二位ヒロインのはずなんですけど、三位ヒロインの立ち振舞いをする事によって一位ヒロインを脅かしている!(`・ω・´)
…なんか火鉢さんを一位と決めつけている論組みですが、それは超増刊時の景観から語っているだけで、今は火鉢さんが本当に一位か分からないくらいにお春殿がいい位置にいます。…まあ、それでもこの競走に置いて、あのキャラ格で最後尾につけている火鉢さんは、やっぱり『強い』と思いますけどね。とにかく、色んな角度から『ムシブギョー』、面白いです。
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10515.html#693
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/

『常住戦陣!!ムシブギョー』(作・福田宏)がやたらめったら『面白い』です!(`・ω・´)バトルはバトルで面白く、日常は日常で面白い。毎週、本当に楽しみな連載になっています。『ムシブギョー』は享保年間(…かな?)に江戸に跋扈しはじめた“巨大な虫”たちを退治する公儀組織“蟲奉行”に入った月島仁兵衛くんの『物語』です。すごく、気持ちの良い物語です。最近は……どうやら、既に西日本は“蟲”によって壊滅されているらしく、人類決戦の様相を醸しだしてきています。日本以外の国々は……いや、地球は今、どういう状況なんでしょうね?すげぇよ、あらゆる設定にワクワクが有るw
▼今週の一番『ムシブギョー』物語の出発点“動機”と変化する“機巧”
今、ワシは武士の道を説いている!!
「自分は勇敢に戦える」そう信じていた子供の頃の仁兵衛は、“巨大虫”をはじめて見たとき、怯えて動くべき時に動けなかった。憧れだった強い父は、自分のその失態の責任をかぶって左足の筋を自ら切ってしまう。自分が、父の武士としての未来を奪ってしまった事を、深く悔やみ、泣いた仁兵衛は、いつか父を越えて父が誇れる強い武士になる事で「自分の為」にそうしてくれた恩に報いようと決意します。
そして、また、あのような巨大な虫が現れた時、今度こそ戦い、今度こそ勝てるように、おそらく(間違いなく)それを想定して苛烈過酷な修行を積み上げてきたと。
(↑)以前の記事ですが、元々『ムシブギョー』は少年サンデー超増刊で連載されていて、それが本誌に昇格連載となった作品です。その際にいろいろ物語の構造を再設計していて、それがかなり功を奏している状態です。…で、ヒロインの火鉢さん、火鉢さん、火鉢さんが一位!とか言ってて、お春殿……え?何が?(´・ω・`)みたいな感じだったのですが、ここも、いい感じに、ラブコメな感じに?組み立て直してます。

『ムシブギョー』には、主人公の仁兵衛に対して、同僚の火鉢さんと、町娘のお春殿の二人のヒロインがいます。…っていうか、まあ、さっき言ったみたいに超増刊版では女戦士の火鉢さん一択だったんですよね。お春殿は火鉢さんの“焚付け役”くらいの感じで、出番もほとんどなかった。(本当かどうかは増刊版を読んで確かめてみて下さい)いや、仁兵衛が最初に出会うのは、お春殿なんですけど、その後の展開にほとんど恵まれなかったんですよね。
しかし、本誌版のお春殿は強い!理由は単純には、週刊連載になって“日常パート”の描写の量がぐっと増えたという事があります。月刊だと1話1回(1ヶ月1回)は“戦場パート”(戦陣かな?)の盛上げが必要で、戦場は火鉢さんの場所なんですよね。だから、どうしても火鉢さんの出番が増える。また、実際にこの『物語』は、既に無涯という別の“憧れの君”がいる火鉢さんがどう変化するか?というストーリーが一つの軸になっていると思えます。
しかし、この物語においてお春殿の比重が増えるのも、日常パートの比重が増えるのも、とても良い事と言えます。バトル一辺倒ではなく、帰るべき日常がある、守るべき日常があるという描写は、侍・仁兵衛が何故「常住戦陣」なのか?というその意志をより明確にする。その日常がやたら面白かったから、今、この記事書いているんですけどねw
また、仮に一位ヒロインが火鉢さんだったとしても、それに拮抗し得るだけお春殿が強いのは物語の強度としても、息の長さの確保としても良いのですよね。お春殿のキャラクターは(町の若者の間で人気はあるけど)平凡で、戦場には出られない、とビハインドなものですが、それを逆に強さに変えている……いや、戦場と日常というヒロインの場所をくっきり変える事によって平凡さがまたエッジに変わるんですよね。

その二人のヒロインは差し置いて、男の徳川家重(!)が特攻要員として置かれている所も面白い。…というか、これ、ちょっとした発明ではないでしょうか?…でも、ないのかな?でも、まあ、凄いです。男でありながら仁兵衛にベタ惚れで「女なんか下らないから!俺と仲良くしようぜ!」と突進してくるwまた、西日本壊滅の機密も追っていてマクロな視点を仁兵衛に与えようともしている。戦場のヒロイン=火鉢、日常のヒロイン=お春、マクロのヒロイン=家重wwという構造も組まれていますww
…これ、BL的な方向で観れば、また別の観え方があると思いますが……まあ、本来のヒロインは火鉢さん、お春殿だよね?という視点で観ても良い配置になっていると思います。
ラブコメ的なパートを盛上げようと思ったら、本来、お春殿がフォワードに出ないといけないんですよね。火鉢さんが「気づいてない娘」なら、対比でもっと明確に「気づいている娘」じゃないといけない。その上でそれがフォワードに出ないといけない。
でも、それをそのままやると『気まぐれオレンジロード』のひかるちゃんみたいな?『めぞん一刻』のこずえちゃんみたいな?…こう「全身かませ犬です!」みたいな?(´・ω・`)感じになってしまったりするワケで…。今、上げたヒロインとか『IS』のセシリアさん(!)とか、そこが逆に人気の素でもあると思うんですが、いずれにせよ“負け確”なワケで1位をおびやかすキャラではない。おびやかしはシャルがちゃっかり持って行っちゃったりします。(´・ω・`)
そのある種の嫌な役「ラブコメ的な関係を顕在化させるための役~橋頭堡を引き受けるが故に負けフラグをもらってしまう役」…新選組で言う所の“死番”を男にやらせる(←なぜ新選組とか言い出した?)というのは、すっげ~良い。(`・ω・´)その手があったか!みたいな。
これによって、お春殿はじっくり腰を落ち着けて仁兵衛との関係を育める。“後出し権”を持てるというか、火鉢さんが臨戦体制じゃないのに、勝手に先走って仁兵衛くんをデートに誘って仁兵衛に天然にはぐらかされたりしたら、もう何か“負け確”な展開から距離を置ける。
……『ハーレムメーカー』的に、ややこしく語るなら、お春殿は一位ヒロインのふりした(最初の接触はこの娘)二位ヒロインのはずなんですけど、三位ヒロインの立ち振舞いをする事によって一位ヒロインを脅かしている!(`・ω・´)
…なんか火鉢さんを一位と決めつけている論組みですが、それは超増刊時の景観から語っているだけで、今は火鉢さんが本当に一位か分からないくらいにお春殿がいい位置にいます。…まあ、それでもこの競走に置いて、あのキャラ格で最後尾につけている火鉢さんは、やっぱり『強い』と思いますけどね。とにかく、色んな角度から『ムシブギョー』、面白いです。
![]() | ムシブギョー 蟲奉行 1 (少年サンデーコミックス) |
福田 宏 | |
小学館 |
![]() | 常住戦陣!! ムシブギョー 1 (少年サンデーコミックス) |
福田 宏 | |
小学館 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます