『イナズマイレブンＧＯ』～“信助”とは、信じて助ける事！

天馬「オレ、考えました。考えて…考えて…それでもやっぱり、本当のサッカーがしたいです！でも、それはオレ一人だけじゃなくて、みんなと！雷門サッカー部のみんなと、本当のサッカーがしたんです！だから、フィフスセクターと戦います！」

信助「ボクもやります！」（ドヤ顔）

（『イナズマイレブンＧＯ』第11話より）

『イナズマイレブンＧＯ』がようやくチームとしてのまとまりを持ち始め、支配組織・フィフスセクターとの対決姿勢も明確になりました。
で、チームの意志が「とにかく、がんばる」で一体感が出てくると、主人公・天馬の「頼もし過ぎる相棒」である、西園信助の存在の意味も変わってくると思うので、ここで、ちょっと（これまでの）信助について語っておきたいです。
『イナズマイレブンＧＯ』は、前作『イナズマイレブン』のイナズマジャパンが世界大会優勝した１０年後の世界で、隆盛を極めた中学サッカーは、この時、フィフスセクターと呼ばれるサッカーの管理組織に支配されていた。念願の雷門中サッカー部に入部した主人公の松風天馬は、試合の勝敗さえ決めるフィフスセクターのやり方に疑問を持つ。そして「純粋にサッカーをやりたい」という天馬の気持ちが、雷門サッカー部のメンバーの気持ちを次第に変え始める…という『物語』

いや、以前から僕は信助が好きだったのですよ。はじまった当初から鬱展開……は言い過ぎですが、暗い、悩みのある展開が支配的だった『イナＧＯ』の中で、信助の“変わらなさ”に、救われるような気持ちで、彼を愛でながらストーリーを追っていたんですよね。

彼の作中でのキャラ位置って何かと言うと「天馬を孤立させないキャラ」って事です。いつも天馬と一緒で、行動を共にする。最終的にキャプテンの神童含めて先輩全員が練習に来なくなる回があるのですが、その時も天馬と、そして信助だけは、練習をしているんです。
物語の『溜め』の大きさとして、ドラマチックさとして、天馬が一度孤立し「たった一人から」この戦いを開始するという選択もあり得たと思うんですが、この『物語』は、それを執らなかった。この選択の意味は大きいと思います。

結果として、あまり示唆されていないのですが、天馬はずっと信助に助けられていたと思うんですよね。最初、チームの大勢としては「フィフスセクターにおとなしく従っていれば、それはそれでサッカーができる」という意見で占められ、その事にさえも疑問を投げかけてくる「ウザい」天馬は責め立てられます。
…しかし、誰がキツくあたっても、信助までがそれに同調する事はなかったんですよね。「天馬……やっぱりフィフスセクターには従った方が……」なんて事は言い出さなかった（はず）。

信助はサッカーは（まだ）上手くないし、人を変える力もないから、他人を変える強い言葉は発しない。…でも、様々な葛藤に悩む天馬に子犬のようによりそって、その円な瞳で、じ～っと周りを見つめていて、そうして天馬が意を決すと、当然のように、犬が「わん！」と吠えるように「ボクも！（そうする！）」…って、それに同調するんです。
『男どアホウ甲子園』の豆タンの「はいな！あんさん！」…みたいな？（←何か言い出した！）まあ、なんかそんな感じの有難さでしょうか？

あんまりピックアップされていないんですけどね。天馬は主人公として、神童キャプテンや三国さんが立ち上がってくれた事を喜ぶよりも、まず、信助に感謝するべきだと思うんですよね。(´・ω・`)
あるいは天馬は一人でも“それ”ができたかもしれない。信助が直接、天馬を支える変えるシーンがあるわけではないですし。一方、信助自身は天馬がいなかったら「サッカーをしたい気持ち」を貫けたかは分からない。（一人だと先輩に言いくるめられそうな気がする）…でも、それでも、彼は“有難い”存在なんだと思っています。…それくらい僕が、信助を好きって事ですがｗ



また、信助がいる事から『イナＧＯ』は、松風天馬という一人のヒーローの物語というより、一度、挫けたり、悔しい思いをした者たちが立ち上がる、そこに主眼が置かれた物語である事が分かります。
そうやって観ると、悩み、苦しい場面の多いストーリーなんですが、チームのメンバーそれぞれに、神童、三国にしても、サッカーへの思いや諦めに、温度差があり、それが次第に一体感を持ってゆく様を多層的に描いている事が観えて来ます。
前作の、端々のキャラにまで目配せが効いていた細やかさは、しっかり継承されている事が分かる。…今の所、なんか暗い方向ですが（汗）ｗ

…で、セカンドチームだった一乃や青山も戻ってきた目下、一番、戻り辛そうなのが（↑）南沢先輩に思えます。けっこうな啖呵切って出ていったので、もう、戻ってこなくても不思議ではないんですが………剣以上の難物ですが、戻ってきて欲しいですね。
僕も天馬と同じく、反乱だとか革命だとか、難しい事はよく分からないんですが(´・ω・`)　『イナＧＯ』いい流れに入ってきたと思います。

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