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『愛天使伝説ウェディングピーチ』~『セーラームーン』を追った作品

2012年02月13日 | アニメ
【魔法少女大系】【美少女戦士大系】



『愛天使伝説ウェディングピーチ』(1995年放映)コンプリート。以前、録画で最初の数話を録り逃していたのを、最近、録り戻しました。(`・ω・´)『ウェディングピーチ』は、天使界と悪魔界の戦いに巻き込まれた、少女・花咲ももこが、愛天使ウェディングピーチに変身して、この世を愛無き世にしようと目論む悪魔界の女王レインデビラと戦う『物語』。まあ、あと天使の生まれ変わりの女の子が3人くらいいて4チームで戦います。

まあ、この作品を観たことがある人は分かると思いますが、ぶっちゃけ『美少女戦士セーラームーン』の超後追い…模倣と言える作品です。模倣なんて言葉を使うと、何か悪い印象をもたれてしまうかもしれませんが……エンターテイメントの世界では、そのジャンルが発展するために必要な過程とすら言ってもいいんですよね。また、『ウェディングピーチ』にはオリジナリティが無いと言う話のつもりでもないです。
たとえば『ウルトラマン』(1966年放映)が生まれた時、その後の世界に巨大ヒーローもの…というより“ウルトラマンもの”とも言うべきジャンルが第一次~第二次の怪獣ブームをまたいで一大発展していった(※別の話ですが、ここらへんの特撮ヒーロー/怪獣史観は別の視点でまとめ直した方がいいような気もしています)。その中で『ウルトラマン』製作を代表する実相寺昭雄監督が、宣弘社で『シルバー仮面』(1971年放映)作ったよね?とか。
『マジンガーZ』(1972年放映)が生まれた時、その後の世界に巨大ロボットもの/スーパーロボットもの、と言うべきジャンルが一大発展を遂げて行った。その中で『マジンガーZ』を創作した永井豪先生が、ナックで『グロイザーX』(1976年放映)の監修(原作は桜多吾作)してたよね?とか。
そんな中で『セーラームーン』(1992年放映)のキャラクターデザインしていた只野和子さんが、『ウェディングピーチ』のキャラデザしていたよね?声優さんも三石琴乃さんが敵幹部・ポタモス(このキャラ相当良かったです!)の声で出たよね?とか、そういう感じなんですよ!?(`・ω・´)

いや、模倣作や追従作はその元となる作品が如何に“強かった”かを測る一つの指標みたいな所もあって、『ウェディングピーチ』は、アニメ史的な位置づけとしては、その意味が非常に大きな作品だと思います。
これは、近い時期に同じく模倣された『赤ずきんチャチャ』(1994年放映)、『ナースエンジェルりりかSOS』(1995年放映)といった作品群と比べてみても、極めて転写性の高い、ほとんど『セーラームーン』の何が良かったのか?を確認するための習作と言っていい程、一線を画す程の後追い性をもっていると思います。

東映ヒーローから、おそらく不思議コメディ~『美少女仮面ポワトリン』(1990年放映)といった魔法少女系の「ちょっと間抜けなような、それでいてちょっとカッコいいような、でもやっぱり間抜けな感じ」を『セーラームーン』は踏襲していて(この感覚は説明が難しく、また別に語る必要があるのですが…今だと「シリアスな笑い」と言った方が伝わりやすいのかも…)『ウェディングピーチ』もそれをけっこう忠実に後追いしている。
「ウェディングお色直し!」とか、「ミルクで乾杯!!おめでと~!!」って戦闘後におもむろに乾杯しだす所とか、むしろ『セーラームーン』を超えて、シュールさがウリだった『ポワトリン』に近くなっている感さえあります(笑)
まあ、そもそも、僕は『セーラームーン』を初めて観た時、「なんでセーラー服やねん?Σ(´・ω・`)」とツッコんでいたのですが、『ウェディングピーチ』観た時は「なんでウェディングドレスやねん!!ってかお色直しで脱ぐんかい!Σ(`・ω・´)」…とツッコんでたんですよね。(※無論、『りりかSOS』には「なんでナースやねん!ってかどこがナースやねん!」とツッコミますたよ?)

また、美少女戦士であるセーラームーンとの差異として、ウェディングピーチは“恋愛の戦士”というか…“結婚の戦士”(?)である事もあって、他のメンバーであるリリィや、デイジーにも、恋愛ドラマが大きめに盛り込まれて、三者三様の展開がありました。
『セーラームーン』の他のメンバーの恋愛エピも、あるにはあるのですけど、かなり小さくワン・エピ程度に抑えられる傾向(その後の無菌系的匂いがする…)があったのに対して、これは『ウェディングピーチ』の特性と言えます。しかし、それだけに、最終回で誰も相手がいない、サルビアが相当不憫に思えたのですが…(汗)(マンガ版だと相手がいる見たいですね)
最終回で女王レインデビラが、ピーチたちを負かして、倒してしまって、その後に浄化(改心)するというシークエンスがなかなか好みでした。元々、“美少女戦士もの“は「戦っているけど、暴力を振るってはいない」という描きに非常に気を配っている面があって、これはその最終局面として、一つの解法ではありましたね。



以前、(↓)ここらへんの記事を書いたのですが、そろそろ魔法少女(変身魔法少女)と、美少女戦士ものを接続して行く記事の作業に入っていこうかと思っています。
しかし、本当に接続させるためには、魔法少女ものが力を落とした(…と僕が考えている)時期である1989年前後期の作品を押さえて行く必要がありますが…。まあ、そこは比較的情報が集まりやすい『セーラームーン』という大きなムーブメント以後の影響と並行して語って行きたいです。

『カードキャプターさくら』魔法少女の結末と再生


エミの所属していたマジカラット団が解散し、団員たちもそれぞれの道を歩み始める。エミの公演が終わった誰もいない舞台で、魔法が使えなくなった舞は一人マジックの練習をする。もう消えてしまった妖精のトポを思い出して涙をこらえる。失敗して掌から球を落とす。零れた球を拾いながら舞は泣く。将が迎えに来る。舞はいつか再び立とうと願うその舞台を見つめながら、今は扉を閉じる。………という、そのラストは本当に名シーンで「マジカルエミ」を魔法少女ものの最高傑作に上げる人が多いのも納得なんですよね。

『美少女戦士セーラームーン』様々な要素が盛り込まれた“美少女戦士もの”の結晶


しかし、それは間違い…とも言えないのですが(その後の発展の仕方を観ても)、ともかく一方向一元的なものの観方で、実際にはもっと沢山の老若男女を巻き込んだ込んだ「強い」シリーズと言えます(※注:老=大きいお友達、若=小さいお友達)。すご~く大雑把に言うと、魔法/変身要素で女の子を取り込み、バトル要素で男の子を取り込み、ラブコメ/ロマンス要素で高学年(以上)の女の子、美少女要素で高学年(以上)の男の子を取り込んだという……んんん、大雑把だなあw別にバトルが好きな女の子も、ラブコメが好きな男の子もいるでしょうしねwとまれ、それらを取り込んだ総合的なエンターテイメントとして、かなり革新的なジャンルとして「セーラームーン」はそのフォーマットが構築されて行きました。



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ウェディングピーチ懐かしい… (杏奈)
2013-10-30 04:30:14
懐かしい。
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隠れたる傑作 (無限堂)
2014-05-26 18:45:12
ウェディングピーチは、旧セーラームーンのシリーズ構成だった富田祐弘氏が、セラムンへのオマージュ兼アンチテーゼとして作り出した作品でした。
アンチテーゼと書いてある通り、元々はセラムンが書かなかった「敵との戦いに巻き込まれる人々」や「異種族の恋愛」と言った少女漫画にしてはハードな展開を目指すつもりでしたが、アニメの湯山監督の意向でお気楽コメディ&シリアスの作品になりました。
ピーチの立ち位置は、巨人の星に対する侍ジャイアンツか、マジンガーシリーズに対するゲッターロボシリーズ、Zガンダムに対するガンダムZZを連想し、苦悩する星飛雄馬に対する快男児・番場蛮、破天荒な兜甲児に対する更にワイルドな原作版流竜馬と模範的優等生のアニメ版流竜馬、ナイーブで繊細なカミーユ・ビダンに対する前向きな快男児ジュドー・アーシタの様な対極の作品を目指しました。
起用された声優も非常に豪勢で、湯山監督の人脈がフル活用され、作品の出来は安定した出来でしたが、何とセラムンの原作者もハマったそうです。
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Unknown (快速湘南台)
2021-07-31 16:47:31
実写版美少女戦士セーラームーンのような実写版について
怪盗セイントテール、満月をさがして、ナースエンジェルりりかSOS、夢のクレヨン王国、シュガシュガルーン、しゅごキャラ、姫ちゃんのリボン、赤ずきんチャチャ、ミラクルガールズ、水色時代、ケロケロちゃいむ、愛してるぜベイべ、アニマル横町、リルぷりっ、ぴちぴちピッチ及びきらりんレボリューションは実写化・ミュージカル化ができません。
神風怪盗ジャンヌは畑芽育さん・高橋文哉さん・豊田ルナさん主演で、極上めちゃモテ委員長は向井地美音さん・平野紫耀さん・永瀬廉さん・高橋海人さん主演で、からかい上手の高木さんは鈴木福さん・谷花音さん主演で、放課後さいころ倶楽部は蒔田彩珠さん・畑芽育さん・永瀬莉子さん・桜田ひよりさん・白本彩奈さん主演で、それでも歩は寄せてくるは道枝駿佑さん・豊田ルナさん主演で製作できます。
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