セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

北朝鮮消滅のシナリオと北朝鮮蘇生秘策

2010-05-14 15:51:43 | 社会経済
健康問題が取りざたされている北朝鮮のキム・ジョンイル委員長が列車で中国へ訪問したという報道があった。これを聞いたとき、本人は大連あたりで影武者を残して、ひそかに上海へ行き万博見物をしたのかなと思った。半分冗談だけど半分本気。

一般的に言われているのは、大連等の中国の北部の産業都市を見学して、中国の改革開放路線を学ぼうと結うもの。キム・ジョンイルにとって中国は、共産党が政権を握ったまま、国の繁栄を図っている点で、お手本にしたいところだろう。しかしこれまでも先進国の資本などを導入しようとしてもそっぽを向かれて実現していない。一党独裁どころか個人独裁で世襲独裁なのでカントリーリスクが非常に高いためでもある。個人独裁だと独裁者の気まぐれで政策が急変するからである。また個人崇拝のため、外国ビジネスマンや技術者が一般人と接触することなどが大きく制約されるためビジネスの展開に大きな制約がある。したがって、金王朝であるかぎり、外国資本を導入しての北朝鮮の経済的繁栄は望むべくもない。

キム・ジョンイル委員長には糖尿病や高血圧の持病があり、あと数年の命だという。拉致問題を抱える日本としては、同氏の死亡により政権交代が起きた方が拉致問題の解決に近づくから期待するであろう。ただ韓国は、急な政権交代による混乱は望んでいないだろう。大量の難民の南下が懸念されるし、北朝鮮自体が消滅しても、韓国が北朝鮮を吸収するのには二の足を踏むはずである。なぜなら東ドイツを吸収した西ドイツはその後遺症が今も解消できていない。東欧社会主義国の優等生の東ドイツででもある。それが世界の最貧国に近い北朝鮮を、西ドイツほどの経済的巨人には程遠い韓国が吸収したら予想される困難は大きい。

そこで、今日はこのままで予想される北朝鮮崩壊後の東アジアのシナリオと、北朝鮮の蘇生の秘策を書いてみよう。

201X年 キム・ジョンイル委員長死亡。いくつか軍部でクーデター騒ぎがおきて各地で軍同士が交戦する。政府・軍・党の連絡網が寸断されて地方政府が機能を喪失する。人民が反乱を起こし、地方政府や労働党事務所を襲い破壊する。北朝鮮全土で無政府状態となる。
中国軍の大軍が国境の川を越えて北朝鮮に進出する。名目は、①朝鮮人民が殺しあっているので、介入してこれ以上の殺戮を防ぐ。②北朝鮮の保有する核兵器が無政府状態により内外のテロリストにわたるのを防ぐ。③北朝鮮内にある中国の資産と中国人の安全を確保する。である。
アメリカは核兵器の散逸を一番危惧していたが、アメリカ軍自身が侵入すると休戦中の朝鮮戦争の再開となるので、事前に中国に了承を与えていた。韓国による朝鮮半島統一の機会だが、北朝鮮を抱え込むことへの躊躇と、韓国が介入して北朝鮮軍が逆に団結して抵抗する危惧があるため動けなかった。

こんなわけで北朝鮮は中国が事実上支配する国となった。中国の朝鮮族自治区から多くの朝鮮族中国人が、北朝鮮政府の指導のため、政府と党に配置された。なお朝鮮労働党は一旦解散され、審査されたものだけが朝鮮共産党に入党を許される。一般人民の次元でも、多くの北朝鮮人民が中国の朝鮮族自治区へ研修と訓練のため送られる。また中国からは多くの業者が入り、北朝鮮経済を支配する。中朝国境の検問は廃止され、2つの地域を結ぶ道路や鉄道は整備される。

203X年、北朝鮮は中国朝鮮族自治区と合併し、ここで北朝鮮つまり朝鮮民主主義人民共和国は世界地図から消滅する。むろん韓国は大反対する。しかしこのときまでに、朝鮮族自治区と北朝鮮は人の行き来と経済的つながりは非常に強くなっており、北朝鮮住民の大多数が朝鮮族自治区との合併に賛成したのでどうしようもない。もともと日本植民地時代でも、半島の北の人は満州に出稼ぎにいき、半島の南の人は日本に出稼ぎにいった。だから戦前からの在日朝鮮人の人には北出身者は非常に少ない。

う?これでは中国が太るだけだって?甘い!中国史および朝鮮史をみればその意味は明らかだ。中国の歴史は統一と分裂の繰り返し。また朝鮮半島の支配者は、常に中国の遼東半島の支配をしてきたかあるいは夢見ていた。203X年ごろは中国の分裂の開始の時期だ。このころチベットとシンチャン・ウイグル地区も独立運動が急激に高まる。ようするに中央政府の力が弱くなって、中国本土でも北と南と奥地があらそって反目している。そんなときに朝鮮族自治区が大きくなって実力をつけるとここも中央政府に従わなくなる。

かくして中国は7つぐらいに分裂する。朝鮮民族自治区(旧朝鮮民族自治区と旧北朝鮮)は新高句麗共和国として中国の遼東半島から中国東北部の一部と38度線以北の朝鮮半島を領域として現れる。

長くなったので北朝鮮の蘇生の秘策は次回。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿